ナンシー・カールソン作の絵本『わたしとなかよし』(邦訳:中川千尋、瑞雲舎)。自分自身を大切な友だちとして愛する、”自己肯定”の原点ともいえる一冊です。読み聞かせにも、大人の一人読みにも。

いやはや、近ごろ「自分を大切に」という言葉をよく耳にしますな。
スマートフォンのなかには、いつでも誰かがいて、比べては落ち込み、いいねをもらってはちょっと浮かれ……人は忙しいものでございます。
そのざわめきのなかに、ふと、シンプルな声が聞こえてきます。
「わたしには すてきな ともだちが いるの。それはね……わ、た、し!」
本日ご紹介するのは、ナンシー・カールソン作、中川千尋訳、瑞雲舎刊『わたしとなかよし』。1988年にアメリカで生まれ、「I LIKE ME!」として世界中で読まれてきた絵本でございます。ケロ。
📘 本に関する基本情報
📖 書名:わたしとなかよし
✍️ 作:ナンシー・カールソン 訳:中川千尋
🏢 出版社:瑞雲舎
🎯 対象年齢:3歳〜(大人にも)
📚 内容紹介(出版社公式サイトより)
世界中で大人気!ナンシー・カールソンの翻訳絵本 第二弾の登場です。
人づきあいの第一歩は、まず、自分を好きになること。親友はわたし自身。
わたしには、すてきなともだちがいるの。それはね・・・わ、た、し、!
自分を大事にすることの大切さを教えてくれる絵本です。
🎙️えほん深掘りトーク
※以下の感想では、物語の展開について詳しく触れています。
オープニング:

今日の本はこれ。

タイトルがさ、『わたしとなかよし』って、どういうこと?
自分と友だちなの?

そこが、この絵本の入口でございますな。
では、読んでみましょうか。
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メインセッション

友だちって、誰かほかの子のことかと思った。

でも、出てきたのは“自分”なんだよね。

いちばん近くにいるのに、いちばん忘れられがちな相手ですな。

でもさ、自分が好きでいっしょって、あたりまえじゃない?

大人はな、「自分が好き」って言うのが、なんか恥ずかしい感じがするんだよ。

なんで?

……なんでやろな。

それが今日の問いでございますな。子どもは違和感がないのに、大人は戸惑う。この絵本が何かを突いているとすれば、そこでしょう。

「わたしはわたしをだいじにするの。だからはみがきもするよ」。この論理の静けさが、効いてくるぜ。自己肯定とは、鏡の前でポーズをとることではなく、朝の洗面台でちゃんと歯を磨くことだ、とな。

……あたし、今朝、はみがきさぼった。

(笑)知っとる。

ケロケロ

でも転んだときのくだりがな、一番刺さったわ。転んで、自分で自分に「へっちゃら、へっちゃら」って声をかけてあげるやつ。大人になると、転んだとき、まず周りを見るんよ。見られてないかなって。それから自分を責める。

パパって、転んだら自分を責めるの?

……まあ、そういうことが多いかな。なんでこんな失敗したんやろ、ってなる。

でも、へっちゃらって言えばよくない?

いや……なんかそれ、言えそうで言えんのよね。大人は。なんでかな。

「へっちゃら」と言うためには、まず自分が自分の友だちでないといけない。友だちでない相手には、優しい声はかけられませんから。
🎵今日の余韻


……「わたしは わたしと いっしょなの。」って、一文。考えてみたら、当たり前のことなんよな。どこへ行っても、自分は自分と一緒にいる。

逃げられない、という言い方もできますし、「どこにいても、ひとりではない」という言い方もできます。

……それ、ぜんぜん違うな。同じことなのに。

ええ。それでは、今日のしおりは、この一文にいたしましょう。
🔖今日のしおり
毎回、絵本から大切に拾い上げた一文を、
心のしおりとして残していきます。
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✍️この記事を書いた人
juniwa(ジュニワ)
娘との読み聞かせをきっかけに、絵本の魅力にどっぷりハマっています。
大人も楽しめる、心に響く絵本を日々探しています。


