マック・バーネット文、カーソン・エリス絵、アーサー・ビナード訳の絵本『なんなんなん?』。「なんのために生きてるのかな?」。短い一冊のなかに、人それぞれの生きる理由と、それを知るために流れる長い時間まで描かれた、大人にも残る絵本です。

やはや。
昔、誰かに言われた言葉が、何年もたってから急に分かることがあります。
言葉のほうは、何ひとつ変わっていない。
変わったのは、こちらのほうなのでしょう。
失敗したり、誰かと出会ったり、別れたり。
自分が少し生きてみないと、受け取れない言葉というものがある。
となると、人生には――
先に答えだけ教えてもらっても、どうにもならない問いがあるようでございます。
本日ご紹介するのは、マック・バーネット文、カーソン・エリス絵、アーサー・ビナード訳、小学館より『なんなんなん?』。
「なんのために生きているの?」
今日は、そんな問いから始まる一冊でございます。
📘 本に関する基本情報
📖 書名: なんなんなん?
✍️ 文: マック・バーネット
🎨 絵: カーソン・エリス
🖋 訳: アーサー・ビナード
🏢 出版社: 小学館
🎯 対象年齢: 7歳から大人にも
📚 内容紹介(出版社HPより)
自分に大切なものは何かを考えさせる絵本
「なんなんなん?」とは、「なんのために生きているの?」という問いかけ。
人生に大切なものは、人それぞれ違います。主人公の少年は、おばちゃんに聞きます。
「なんなんなんのため?」と。
おばあちゃんは、「それは自分で探さなくちゃいけないよ」と答えました。
すると、少年は、それを探すために旅に出ました。
漁師さん、ダンサー、大工さん……いろんな人に出会い、「なんなんなん?」と問いかけます。
少年は、自分の答えを見つけることができるのでしょうか?
アメリカのベストセラー作家コンビが、人間の永遠のテーマをほりさげて生まれたユニークかつ難解な絵本。
🎙️えほんトーク
※以下の感想では、物語の展開について触れています。
オープニング:

今日はこれにしようか。
『なんなんなん?』。

……なんか富山弁みたいじゃない?

ああ、たしかに。
「なんなん?」って言うよな。

さて。
こちらの「なんなんなん?」は、何を尋ねているのでしょう。
では、読んでみましょうか。
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メインセッション

みんな、答えが全然ちがったね。

でもさ、聞かれてることは同じなのに、
答えが全部その人っぽいんよね。

漁師なら漁師、大工なら大工で、
その人が今までやってきたことから答えてる感じがするからな。

じゃあ、みんなちがっていいの?

たぶん、そうなんやろな。
というより、同じにはならんのかもしれん。
生きてきてやってきたことが違うから。

その人が何を見て、何をして、誰と過ごしてきたかで、
出てくる答えは変わるのでしょうな。

若いころに年上の人から言われて、
「まあ、そうなのかな」くらいにしか思わなかったことが、
何年もあとになって急に分かることがある。

人に言われた言葉が自分の中で重くなるには、
少し時間がいることもある。

この本の最後、ちゃんとその時間が経っている。
帰ってきた男の子、最初よりずいぶん大きくなって
おばあちゃんも、すっかり年を取ってる。

最初と全然ちがう。

答えを集めたというより、
問いを持ったまま、いろいろな時間を過ごした。
そう見ることもできそうですな。

人の答えを聞いて、それをそのまま、自分の答えにはできない。
自分で経験して初めて、「ああ、自分にとってはこれなんだ」って分かることがある。
🎵今日の余韻


でもさ。
この子、おばあちゃんのことは最初から好きだったんじゃないの?

たぶんな。
でも最後、この子は答えを説明しないんだよ。
「ぼくはこう思います」って言うんじゃなくて、
おばあちゃんをぎゅっとする。

ずっと言葉で答えを探してたのに、
最後は言葉じゃないんやな。

答えというものは、
いつも言葉になるとは限らないのでしょうな。
🔖今日のしおり
ぎゅっと だきしめた。
「うん いま みつかった」
毎回、絵本から拾い上げた一文を、
心のしおりとして残していきます。
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✍️この記事を書いた人
juniwa(ジュニワ)
娘との読み聞かせをきっかけに、絵本の魅力にどっぷりハマっています。
大人も楽しめる、心に響く絵本を日々探しています。

