
いやはや。
同じ場所にいても、人は同じものを見ているとは限りません。
子どもは、目の前で動いたものにすぐ気づく。大人は、すぐそばで何かが起きていても、頭の中の別のことを考えている。
どちらが正しい、という話ではありません。ただ、そのすれ違いが、なんだかおかしい。
本日ご紹介するのは、五味太郎さん作・絵、絵本館より『海はひろいね、おじいちゃん』。海辺の一日を通して、子どもと大人の”世界とのつきあい方”の違いが、さらりと描かれた一冊でございます。
📘 本に関する基本情報
📖 書名:海はひろいね、おじいちゃん
✍️ 作・絵:五味太郎
🏢 出版社:絵本館
🎯 対象年齢:幼児から/大人にも
📚 内容紹介(出版社HPより)
海にやってきた男の子とおじいちゃん。
せっかく来たというのに、おじいちゃんは本を読んでばかり。
実はおじいちゃんの後ろでは、不思議なことが起きているというのに!
🎙️えほん深掘りトーク
※以下の感想では、物語の展開について詳しく触れています。
オープニング:

だんだん暑くなってきて海の絵本を開きたくなるね。まだ泳ぐには早いけど。

では今日は、海を眺めるだけでなく、人の眺め方も見てみることにいたしましょう。
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メインセッション

おじいちゃん、ずっと本読んでるね。

うん。しかも読んでる本が「うちゅうじんの研究」なんだよね。

宇宙人のこと知りたいなら、後ろ見ればいいのに。

はるさん、そこがこの絵本のいちばん愉快なところかもしれませんな。

男の子は、目の前で起きていることにすぐ気づく。
おじいちゃんは、目の前じゃなくて、本の中の宇宙人を見ている。

ええ。子どもは、世界にそのまま反応する。
大人は、世界を一度、頭の中に入れてから考える。

あー子どもが「見て見て」って言ってる時に、別のこと考えてたりとか。

それ、ある。パパもスマホ見てる時かなりある。

……ありますね。

けれど、この絵本は大人を責めている感じではねえな。
おじいちゃんも、ふざけているわけではない。ちゃんと真剣に読んでいる。

真剣なのに、見逃してる。

そこが面白いんだよね。
子どもは見つける。大人は考える。
でも、どっちも同じ海辺にいる。

海という場所がいいんだろーな。
船も来る。変なものも来る。宇宙人のようなものも来る。
そして、おじいちゃんまで最後には普通ではない帰り方をする。

海という場所がよいのでしょうな。
船も来る。変なものも来る。宇宙人のようなものも来る。
そして、おじいちゃんまで最後には普通ではない帰り方をする。

あれ、パラソルで飛んでたよね。急におじいちゃんも変になった。

見ていた子ども。考えていた大人。
そのどちらも、最後には海の広さの中に入ってしまうのでございましょう。
🎵今日の余韻


最後、パラソルが舟になって星空の下を帰るシーンがあって。孫が『なに考えてるの?』って聞くんよ。

おじいちゃん、何考えてたんだろう。

……宇宙人の研究をしてきた人が、目の前で宇宙人に会えなかった夜だからな。

それでも『ちょっとしたことさ』って。

なんで教えてくれないんだろう。

……教えられないこともあるんかもな。

ええ。それでは、今日のしおりは、この一文にいたしましょう。
🔖今日のしおり
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✍️この記事を書いた人
juniwa(ジュニワ)
娘との読み聞かせをきっかけに、絵本の魅力にどっぷりハマっています。
大人も楽しめる、心に響く絵本を日々探しています。



