ダビデ・カリ作の絵本『だれのせい?』。自分の家を壊した相手を探すクマの兵士を通して、責任が次の誰かへ渡されていく様子を描いた一冊です。子どもの言い争いにも、大人の社会にも、どこか覚えのある言葉が残ります。

いやはや。
責任という荷物には、なぜか持ち手がたくさんついております。
こちらが持つより、隣の人へ。
隣の人は、そのまた向こうへ。
誰も嘘をついているわけではない。言い分も事情も、それぞれにある。
そうして荷物だけが人から人へ渡っていくうちに、そもそも何が起きたのかまで、見えなくなることがございます。
本日ご紹介するのは、ダビデ・カリ作、レジーナ・ルック・トゥーンペレ絵、ヤマザキマリ訳、green seed booksより『だれのせい?』。
大きな剣を持ったクマの兵士が、森の中で「悪いのは誰か」を探していく物語でございます。
📘 本に関する基本情報
📖 書名: だれのせい?
✍️ 作: ダビデ・カリ
🎨 絵: レジーナ・ルック・トゥーンペレ
🌐 訳: ヤマザキマリ
🏢 出版社: green seed books
🎯 対象年齢: 小学校低学年頃から/大人にも
📚 内容紹介(出版社公式より)
森に住むクマの兵士は誇り高い戦士。
自分の剣の切れ味を試したくて、なんでもかんでも手当たり次第、森中の木を切っていました。
ある日、上流のダムから水があふれ、自分の砦が壊れてしまいました。
オレ様の砦を壊したのはだれだ?!
イタリアの人気絵本作家・エストニアの著名絵本画家が描く「自己中なクマの戦士の犯人探し」。思いがけない真実を発見し、すべては思っていたとおりとはならないことを知る物語。
🎙️えほん深掘りトーク
※以下の感想では、物語の展開について詳しく触れています。
オープニング:

今日これにしようか。
『だれのせい?』。

このクマ、剣が大きすぎる。

しかも、木まで抱えてるな。

切るのか、植えるのか。
では、読んでみましょうか。
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メインセッション

この本、みんな自分は悪くないって言うね。

うん。
でも読んでいても、「こいつが悪いやつだ」って感じはしなかったな。

どの動物にも、そうなった理由があるからな。
わざと誰かを困らせようとしたわけじゃない

そこが、ややこしいんよね。
悪いことは起きたのに、悪い人が見つからない。

それぞれが、自分の身に起きたことを話しているだけなのでございます。
嘘をつかなくても、責任は向こうへ渡せる。

じゃあ、みんながちょっとずつ悪いんじゃないの?

でも、「みんなが少しずつ悪かった」で分けたら、何か片づくのかな。
一人見つければ、そこで考えるのをやめられるんだと思う。

犯人を見つけることと、壊れたものを直すことは別だからな。
誰が悪いかだけを追いかけている間は、誰も直す側に回らない

クマが手にしているのも、大きな剣でございます。
一人を切れば終わる。初めは、そう思っていたのかもしれませんな。

でも、その剣が自分のところまで戻ってくると、振れなくなる。
誰か一人を悪者にして終わる話じゃなかったんだね。
🎵今日の余韻


じゃあ結局、誰のせいだったの?

クマのせいではあるんだろうね。
でも、それだけ言えば終わりなのかは……ちょっと分からない。

ええ。
では本日は、森の中で口にされた言葉を、そのまま残しておきましょう。
🔖今日のしおり
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✍️この記事を書いた人
juniwa(ジュニワ)
娘との読み聞かせをきっかけに、絵本の魅力にどっぷりハマっています。
大人も楽しめる、心に響く絵本を日々探しています。

