みやこし あきこさんの絵本『ぼくのたび』。旅への憧れを胸に抱えながら、それでも自分の場所で今日を生きる——大人にこそ響く、静かな旅の絵本です。

いやはや。
旅というものは、出発の日に始まるとは限りませんな。
時刻表を調べたとき。
誰かの旅行話を聞いたとき。
窓の外を見ながら、ふと「遠くへ行きたいな」と思ったとき。
その時点で、心はもう少しだけ旅に出ているのかもしれません。
本日ご紹介するのは、みやこしあきこさん作、ブロンズ新社より『ぼくのたび』。
ちいさなホテルにいながら、世界中の風景へと思いをめぐらせる、静かな旅の絵本でございます。
📘 本に関する基本情報
📖 書名:ぼくのたび
✍️ 作・絵:みやこし あきこ
🏢 出版社:ブロンズ新社
🎯 対象年齢:4歳〜/大人にも
📚 内容紹介(出版社公式より)
ちいさなホテルで働くぼくは、まだこの町しか知らない。だけどいつか、大きなかばんをもって、この町をでて、この国をでて……旅への想いをかきたてるリトグラフの絵本。
🎙️えほん深掘りトーク
※以下の感想では、物語の展開について詳しく触れています。
オープニング:

6月も終わりに近づくと、なんとなく旅の本を読みたくなるね。

夏休みが近いから?

ええ。では今日は、まだ出発していない旅の本を読んでみましょうか
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メインセッション

ホテルのオーナー、毎晩ベッドに入るたびに”とおくへいきたいきもち”がこみあげてくるのに、結局行かない。

なんで?行けばいいじゃん。

ホテルがあるから、っていうのもあるが……なんか、それだけじゃない気がするな。

ぼくは夢の中で旅に出ます。自転車で橋を渡り、飛行機に乗り、知らない街を歩く。絵の色が、ホテルの場面とはまるで違う。

夢のほうが本物みたいだと思った。

お客さんの話を聞くたびに、手紙の風景を眺めるたびに、夢で自転車を漕ぐたびに——ぼくはどこかへ行ってるんだよな、たぶん。

……ホテルにいながら旅してるってことだな。

“わすれられない しゅんかんを ぼくは こころのなかに たいせつに しまう。”ここにいながら、心だけがどこまでも行けるということなんでしょうな。
🎵今日の余韻


朝が来て”いつもと かわらない いちにちのはじまり。”
鏡の前で身支度して、またお客さんを迎える準備をする。

変わらない朝だ。

なんか可哀想じゃない?

……でもなんか悲しくないんよ、この朝が。ぼく、決して旅に出たくないわけじゃないと思うんだけど、ここにいることも、ちゃんと選んでるように思う。

ええ。だからこそ、今日のしおりは、この一文にいたしましょう。
🔖今日のしおり
毎回、絵本から大切に拾い上げた一文を、
心のしおりとして残していきます。
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この絵本を読んで「うちもそうだった!」「このセリフが好き!」
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✍️この記事を書いた人
juniwa(ジュニワ)
娘との読み聞かせをきっかけに、絵本の魅力にどっぷりハマっています。
大人も楽しめる、心に響く絵本を日々探しています。


