和田誠さんの絵本『ぬすまれた月』。1959年の初版から60年以上読み継がれてきた一冊です。月の科学と、月をめぐる不思議な物語が交差する構成。子どもにも大人にも、手渡したい本です。

世の中には、遠いからこそ美しいものがございます。夕焼けの色、霧の山の稜線、そして月。わたくしも縁側からお月様を眺めることがございますが、〝さわれない〟からこそ、あの丸さがいつまでも夢のようで。ところが、本日の主人公の男はとうとう、長い長いはしごを作って取りに行ってしまいましたなあ。ケロ。本日は、和田誠さんの『ぬすまれた月』。岩崎書店より。さ、参りましょう。
📘 本に関する基本情報
📖 書名:ぬすまれた月
✍️ 作・絵:和田誠
🏢 出版社:岩崎書店(ポニー・ブックス 復刻版)
🎯 対象年齢:5歳〜大人まで
📚 内容紹介(出版社公式より)
月がだいすきな男が、月をとってこようと決心し、長い長いはしごを作った。
はしごは月に届いて、ついに、男は月を手に入れる。
しかし、それからが大さわぎ!
空想的な物語の中で、月食など月にまつわる不思議も紹介。
🎙️えほん深掘りトーク
※以下の感想では、物語の展開について詳しく触れています。
オープニング:

今夜、月が出てたからさ。
今日はこの本にしようと思って。

『ぬすまれた月』?
月をどうやって、ぬすむの?

それを確かめにいきましょうか。
では、読んでみましょう。
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メインセッション

月まで、はしごって長すぎ!

そこまでして手に入れたいと言う人間の執念だよね。最初は笑いそうになったんやけど、なんか笑えなくて。

かわいい話のようで、その裏に〝何かを手元に置いておかないと落ち着かない〟という、人間の気持ちが透けてくるな。

みかづきから生まれた音楽が、「だれも きいたことのない音楽」だった。どんな音を奏でたのか。気になりますなあ。

月は何千年も何億年も、空から世界じゅうを見下ろしてきた。伝説も、詩も、何千年分の夜が染みた月が楽器になったんなら……Vintage instrument。そりゃ聞いたことない音がするさ。

月に記憶があるってこと?

科学的な根拠はございません。でも、この本を閉じたあとで夜空を見上げると、月がひと回り奥行きをもって見えてくるんですよ。ケロ。

月に記憶がある、みたいな。

最後に子どもたちが小鳥に頼んで月を空に返しに行くとこ、なんかほっとしたわ。大人みたいにもめたりしなくて。

いちばん軽やかでしたな。ただそうだんして、小鳥に頼んだ。取られても、楽器にされても……月は、月のままでしたな。ケロ
🎵今日の余韻


この本、最初のページと最後のページ、同じ言葉だね。

ああ。それだけ言って、あとは黙っている本だ。

……今夜、ちょっと見てみようか。月。

では、今日のしおりは、この一文にいたしましょう。
🔖今日のしおり
ほら 今夜も月がでている。
毎回、絵本から大切に拾い上げた一文を、
心のしおりとして残していきます。
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✍️この記事を書いた人
juniwa(ジュニワ)
娘との読み聞かせをきっかけに、絵本の魅力にどっぷりハマっています。
大人も楽しめる、心に響く絵本を日々探しています。


