
家族で同じ本を読むと、おもしろいことが起きます。
笑うところが、ちがう。
泣きそうになるところが、ちがう。
好きな場面が、ちがう。
それでいいんです。むしろ、それがいい。
同じ本を読んで、バラバラの感想を持ち寄る——その食い違いこそが、会話になるんでございます。
今日はそんな絵本を一冊。
アーノルド・ローベル作、三木卓訳。
文化出版局から『ふくろうくん』でございます。
5つのおはなしが入っています。どれが好きか、最後に聞かせてくださいませ。
📘 本に関する基本情報
📖 書名:ふくろうくん
✍️ 作・絵:アーノルド・ローベル
🌐 訳:三木卓
🏢 出版社:文化出版局(こどもの本)
🎯 対象年齢:5歳〜小学校低学年(大人にも)
📚内容紹介(公式HPより)
おひとよしで、ちょっぴりまがぬけていて、善意あふれるふくろうくんの物語。見事な絵と語り口の、いぶし銀のような絵本です。読みきかせに最適。
🎙️えほん深掘りトーク
※以下の感想では、物語の展開について詳しく触れています。
オープニング:

——読み終わった?

うん。全部読んだ。

どうだった?

……ふくろうくんって、ちょっとおバカなんだけど、でもなんか好きだった。

俺も昔から好きな本なんだよな。子どもの頃に読んで、大人になってまた読んで——そのたびに別のところが刺さる。

それは、この本が二層になっているからでございます。表面は愉快な絵本。でもその下に——

なんか、さみしいの。

(少し間をおいて)……そうです。さみしいのです。

鋭いな、はる

だってふくろうくん、いつもひとりじゃん。ともだちが来るわけでもないし、だれかに会いにも行かないし。

うん。そうなんだよね
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メインセッション

じゃあ、5つのおはなしの中で、それぞれ一番好きなのを言い合おうか

『こんもりおやま』!! ふとんの下に変なのがいると思って、めちゃくちゃびびってたのに——自分のあしだったっていう(笑)

あれは笑えるよな

なんか……自分のことって、意外とわかんないのかなって思った

……それ、めちゃくちゃDeepだぞ、はる

(扇子を静かに止めて)大人が百回読んで、たどり着けなかった読み方かもしれません

やばい、パパ全然そこ気づかんかった。笑って終わってたわ(笑)……はる、すごいな

えへ。じゃあ次、ギブは?

俺は『なみだのおちゃ』。あれはね、GrooveがあるんだよStoryに。かなしいことを思い出しながら、涙を集めてお茶にする——あの発想がさ

アーノルド・ローベルらしいですな。暗いんだけど、ちゃんと着地する

しかも飲んでみたら『ちょっとしょっぱい』で終わるんだよ。SentimentalなんだけどHumourがある。そのバランスが最高にRockなんだ。

しょっぱいお茶……。おいしいの?

おいしくはないんじゃないかな(笑)

じゃあパパは?

『おつきさま』かな。夜の海にふくろうくんがひとりでいるあのページ、なんか頭から離れなくて

(小さく頷いて)私も——『おつきさま』でございます

あ、一緒だ(笑)どのあたりが良かった?

絵でございます。ふくろうくんが海べの岩の上にひとり座って、お月さまを見上げている。夜の海に、ちいさなふくろうのシルエット。暗い絵なのに、なぜか胸があたたかくなる

黒と茶色の中にお月さまだけぽっかり明るくてね。

ふくろうくんはそこで言うんです。『ねえ おつきさま ぼくが きみを みているんだから、きみも ぼくを みなさいよ。おともだちに ならなくちゃ ぼくたち』返事をしないお月さまに『また きみに あいに くるよ』……と

返事してくれなくても、また会いに行くって言えるのが、ふくろうくんの真面目さというか優しさというか寂しさというか…ちょっと来るんだよね。

……それがさ、Result(結果)のために動いてないんだよな。会いに行くこと自体が、もう目的なんだ。

(少し考えて)……それって、ともだちだよ。

(小さく頷いて)……そうだね
🎸 GIB’S ROCKER ROOM


Hey!
せっかくだから、ここでAuthorの話をしておこう。アーノルド・ローベル(1933〜1987)は、アメリカの絵本作家。日本でも大人気の『がまくんとかえるくん』シリーズと、同じ作者だ。

えっ! がまくんとかえるくんも同じひと?

そうそう。はる、小学校の劇でやったよね。がまくん役

やった! がまくん、ちょっとむずかしかった。すぐしょんぼりするし(笑)

いい役じゃん。がまくんも、ふくろうくんも、日常のちいさなことに本気で揺れるんだよな。

がまくんも、ふくろうくんも、少し不器用で、少し寂しがりで。でも、そこがたまらなく人間らしいんですな

翻訳の三木卓(1935〜2023)は詩人・小説家で芥川賞受賞者。詩人が詩人の本を訳した——だからあの文体のRhythmが生まれる。『さあ ふゆくん おはいりよ』のテンポ感とか、原文の空気がそのまま日本語になってる感じがするんだよ

ふゆくん、おはいりよ(笑) ふくろうくん、ちょっとおかしいよね。

でもそのCrazyな優しさが、ローベルらしさなんだよ
🏠 結び


こうして話してみると、『ふくろうくん』って、変なことばっかり起きてるのに、読み終わるとすごく静かな気持ちになるね

そうなんだよな。冬を家に入れたり、涙でお茶をいれたり、お月さまに話しかけたり。行動だけ見るとCrazyなんだけど、気持ちはすごくわかる

はるは、ふくろうくん好き。ちょっとへんだけど

誰もいない部屋で、風の音を聞く。ふとんの中で、少し不安になる。かなしいことを思い出して、泣く。月に話しかける。……どれも大きな事件ではありませんが、心の中では、たしかに起きていることですな

ローベルは、そういう小さな心の揺れを、笑える話にしてくれるんだよ。だから重すぎない。でも軽くもない

では、最後に読者のみなさんへ。
『ふくろうくん』の五つのおはなしの中で、あなたの心にいちばん残ったのはどれですか?
『おきゃくさま』でも、『こんもりおやま』でも、『なみだのおちゃ』でも、『うえとした』でも、『おつきさま』でも。
読んだことがある方は、ぜひコメントで教えてください。これから読む方は、読み終えたあとに、またそっと戻ってきてくださいませ(ケロ)
🔖今日のしおり
No. 009いつでも ちょっぴり かなしいことだなあ。
毎回、絵本から大切に拾い上げた一文を、
心のしおりとして残していきます。
🗯️ あなたの声も聞かせてください!
この絵本を読んで「うちもそうだった!」「このセリフが好き!」
そんな“あなたの声”が、次の誰かの「読んでみたい!」につながります。
読んだ絵本について感じたことをぜひ教えてくださいね✍️
InstagramやXでは #今日は何読もう? での投稿も大歓迎📷
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✍️この記事を書いた人
juniwa(ジュニワ)
娘との読み聞かせをきっかけに、絵本の魅力にどっぷりハマっています。
子どもも大人も楽しめる、心に響く絵本を日々探しています。

