
いやはや。
眠れない夜というものは、やっかいでございますな。
明日の予定を考えているわけでもない。
大きな悩みがあるわけでもない。
けれど、なにかが引っかかって、目だけが冴えてしまう。
「なんだったかな」
「なにを忘れているんだったかな」
そうして頭の中を歩き回っているうちに、
気づけば夜が深くなっている。
本日ご紹介するのは、五味太郎さん作、文化出版局より
『がいこつさん』。
こわいようで、ぜんぜんこわくない。
でも、なんだか妙に身に覚えのある一冊でございます。
📘 本に関する基本情報
📖 書名:がいこつさん
✍️ 作・絵:五味太郎
🏢 出版社:文化出版局
🎯 対象年齢:幼児〜大人
📚内容紹介(公式HPより)
がいこつさんが目をさましました。忘れていることを思い出そうと街中を歩き回って、最後にデパートのトイレで……。かわいいがいこつさんのお話です。
🎙️えほん深掘りトーク
※以下の感想では、物語の展開について詳しく触れています。
オープニング:

今日の本、はこれ。

え、がいこつじゃん。
でも顔、ぜんぜんこわくない。

こわいものほど、よく見ると気の抜けた顔をしていることがございます。
では、読んでみましょうか。
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メインセッション

このがいこつさん、ずっと目あいてるね。

でも寝てるんだよね。
目じゃなくて、穴だから。

それ、ちょっとずるい。

目を開けているように見えて、実は眠っている。
なかなか都合のよい体だぜ。

でも、ぐっすり眠れてない。
なにか忘れている気がして。

あるある。
宿題やったっけ? とか、明日の持ちものなんだっけ? とか。

そうそう。
大人でもあるよ。
家を出てから、鍵閉めたっけ? みたいな。

忘れていることそのものより、
“忘れている気がする”という感じが、人を落ち着かなくさせるのでしょうな。

でもさ、がいこつさん、洗濯も電話も手紙もごはんも、だいたい関係ないじゃん。

そこが面白いんだよ。
たしかに、がいこつさんに洗濯はいらないし、おなかもない。

なのに、ちゃんと考えてる。
「それはないな」って。

ええ。
思いついたものをひとつずつ確かめながら、また歩き出す。
この絵本は、止まって考える話ではなく、歩きながら考える話なのかもしれませんな。

そうか。
だから、同じような言葉が何度も出てきても退屈じゃないんだ。
歩いている感じがする。

ゲームで同じ場所ぐるぐるしてるみたいだ。
でも、ちょっとずつ「あ、これじゃない」ってわかっていくやつ。

それは実に近いですな。
忘れものを探しているようで、自分の中の道を歩いている。

街の絵もいいよね。
青い夜なのに、電話ボックスとかポストとかデパートだけ、妙に色が立ってる。

がいこつさんだけ白いから、どこにいてもすぐ見つかる。

でも、なんかひとりだね。

にぎやかな場所にいるほど、自分だけ静かに見えることがある。
この絵本の夜は、そこが少しだけ沁みる。

途中で、誰かが待ってるのを忘れていたのかな、ってところがあったでしょ。
あそこ、ちょっと止まった。さらっと言うんだけど、そこだけ少し寂しい。

五味太郎さんは、笑わせながら急に静かな部屋へ連れていくことがあります。
大げさにはしない。
だから、かえって残る。
🎸 GIB’S ROCKER ROOM


Hey!
この『がいこつさん』は1982年初版で、40年以上読み続けられてるわけだ。
で、この本の面白いのはな——五味さんって絵本で「道徳」とか「教訓」を言わない人なんだよ。そういうのをするっと避けてく。
この本にも、あったかいメッセージはない。励ましもない。ただ、骸骨がひとり、夜の街を歩いてる。
それだけなのに、読み終わった後に何かが残る。なんだろな、あれ。Classicなアルバムって、そういうもんだよな。
🎵今日の余韻


がいこつさん、ずっと探してたね。
なにを忘れたのか、わからないまま。

でも、止まって考えるんじゃなくて、ずっと歩いてた。

そこがいいんだよ。
考えてから動くんじゃなくて、動いているうちに考えが続いていく感じ。

ええ。
夜の中を歩いているようで、ほんとうは自分の頭の中を歩いていたのかもしれませんな。
では今日のしおりは、がいこつさんが夜の中でしていたこと、そのものにいたしましょう。
🔖今日のしおり
歩きながら 考えます。
毎回、絵本から大切に拾い上げた一文を、
心のしおりとして残していきます。
🗯️ あなたの声も聞かせてください!
この絵本を読んで「うちもそうだった!」「このセリフが好き!」
そんな“あなたの声”が、次の誰かの「読んでみたい!」につながります。
読んだ絵本について感じたことをぜひ教えてくださいね✍️
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✍️この記事を書いた人
juniwa(ジュニワ)
娘との読み聞かせをきっかけに、絵本の魅力にどっぷりハマっています。
大人も楽しめる、心に響く絵本を日々探しています。


