
いやはや。
車の窓というものは、不思議でございますな。
ただ座っているだけなのに、
家も、木も、空も、雨も、どんどん後ろへ流れていく。
こちらは何もしていないつもりでも、
景色のほうが、勝手に変わっていく。
けれど、子どもにとっては、そのひとつひとつが初めてで。
雨がやむことも、トンネルが暗いことも、鳥が旅をすることも、
世界を知る小さな入口になるのでございます。
本日ご紹介するのは、
阿部結さん作・絵、佼成出版社より
『コット、はじめてのドライブ』。
変わっていく景色の中で、
変わらずにそこにあるものを、そっと見つける一冊でございます。
📘 本に関する基本情報
📖 書名: コット、はじめてのドライブ
✍️ 作・絵: 阿部結
🏢 出版社: 佼成出版社
🎯 対象年齢: 3歳から
📚内容紹介(公式HPより)
はじめてのドライブ。移ろいゆく景色の中で、おとうさんがコットに教えてくれたのは、「ずっと変わらない」大切なことでした――。
📚 えほん深掘りトーク
※以下の感想では、物語の展開について詳しく触れています。
オープニング:

今日は、ドライブの絵本だよ。

ドライブ?
どこ行くの?

いや、今日は絵本の中でね。
コットっていう女の子が、おとうさんと初めてドライブに行くんだ。

ふーん。初めてのドライブって、そんなに特別?

はるさん。
初めて車の窓から見る景色というのは、なかなか大事件でございますよ。

ライブで言うと、初めてステージ袖から客席を見た瞬間みたいなもんだな。
世界の見え方が、ちょっと変わる。
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メインセッション

コット、最初ぜんぜんわかってないじゃん。
「ドライブってどこにあるの?」って。

そこ、かわいかったね。
大人はもう知ってる言葉だけど、子どもからしたら、まだ知らない場所みたいに聞こえるんだろうな。

言葉を初めて聞く時というのは、世界がひとつ増える時でございますな。

でもさ、コット、けっこういっぱい聞くよね。
鳥のこととか、桜のこととか。

お父さんが、それをちゃんと答えてるのがいいんだよな。
急がずに、ひとつずつ。

教える、というより。
一緒に眺めているようでございましたな。

夕方のページも印象的だね。
赤い空のなかに、おとうさんとコットの影があって、時間がゆっくり遠くへ行くような感じがする。

ここは静かなバラードだな。
派手なサビじゃないけど、胸に残る。

そして夕焼けの中でパパとコットが並んで空を見るページがあります。コットはそこでふと聞きます。「ずっと かわらないことって あるのかな」と。

……これを子どもが聞くか。

子どもの問いは、ときどき、大人の胸の奥にまっすぐ入ってまいりますな。
🏠 今日の余韻


この本、ドライブの話なんだけど、ほんとは時間の話でもあるんだね。

でも、毎日ちがうコットになるなら、昨日のコットはどこ行くの?

……いいこと聞くなあ。
なくなるんじゃなくて、たぶん、重なっていくのかもしれないね。

変わっていくことは、消えていくことだけではない。
そう思わせてくれる一文を、今日のしおりにいたしましょう。
🔖今日のしおり
あたらしい コットになっているんだよ。
毎回、絵本から大切に拾い上げた一文を、
心のしおりとして残していきます。
🗯️ あなたの声も聞かせてください!
この絵本を読んで「うちもそうだった!」「このセリフが好き!」
そんな“あなたの声”が、次の誰かの「読んでみたい!」につながります。
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✍️この記事を書いた人
juniwa(ジュニワ)
娘との読み聞かせをきっかけに、絵本の魅力にどっぷりハマっています。
大人も楽しめる、心に響く絵本を日々探しています。




