シェル・シルヴァスタインの絵本『ぼくを探しに』。足りない「かけら」を探して、ひとり転がり続ける主人公を、一本の線とわずかな言葉で描いた一冊です。
欲しかったものを見つけても、それで終わりにはならない。
読み終えてから、最初の歌がもう一度気になってきます。

いやはや。
「これさえあれば」と思うことがございます。
もう少しお金があれば。
時間があれば。
仕事がうまくいけば。
誰かに認めてもらえれば。
その一つが手に入れば、ぽっかり空いているところが埋まりそうな気がする。
ところが人間、なかなかきれいな丸にはなりません。
一つ埋まれば、別のところが気になったり。
昔は欲しかったものを、もう欲しくなくなっていたり。
本日ご紹介するのは、シェル・シルヴァスタイン作、倉橋由美子訳、講談社より『ぼくを探しに』。
足りないものというのは、いったいどこまで探せば見つかるのでしょうな。
📘 本に関する基本情報
📖 書名: ぼくを探しに
✍️ 作: シェル・シルヴァスタイン
📝 訳: 倉橋由美子
🏢 出版社: 講談社
🎯 対象年齢: 子どもから大人まで
📚 内容紹介(出版社HPより)
さあ どうぞシルヴァスタインのふしぎの世界へ。
倉橋由美子がご案内します!
この魅力的で心にしみるイラスト物語が、地球の上で、花のように、風のように読まれ続けているわけ――を、あなたも見つけてください。
何かが足りない
それでぼくは楽しくない
足りないかけらを探しに行く
ころがりながらぼくは歌う
「ぼくはかけらを探してる、足りないかけらを探してる、
ラッタッタ さあ行くぞ、足りないかけらを……」
🎙️えほん深掘りトーク
※以下の感想では、物語の展開について詳しく触れています。
オープニング:

今日これにしようか。
『ぼくを探しに』。

この絵、わたしでもかけそう。

パックマンみたいだな。
でも、この線だけってのが妙に味あるぜ。

では、この丸くない丸の旅を見てみましょうか。
—————————————————————–
メインセッション

最後、また一人で転がっていくんだね。
あれだけ探してたのに。

足りないところは埋まったのに、
前にできてたことができなくなってる。

何か一つ手に入れたら、それで全部整うわけじゃない。
お金が増えた代わりに時間がなくなって、
前までできてたことができなくなるとか。
一個埋まったら、今度は別のところが欠けることもある。

また探すの?

探し続けるのかもね。

倉橋由美子さんのあとがきでは、
足りないものを追いかける段階を、
人はある時期にいったん離れる、と書かれていましたな。

そこ、なるほどと思った。
若い頃は「これが足りない」って必死になる。
でも、ある程度のところでいったん離れて、
年を重ねてから、また自分の欠けに気づくことがある。

同じ穴をずっと埋めてるわけじゃない、ってことか。

その時その時で、足りないものの形が変わっていくってことだよね

同じ本でも、
読む年齢によって見えるかけらが違う。
そういう本なのかもしれませんな。
🎵今日の余韻


なんか、欠けって考えさせられるな

金は入った。でも時間が消えた。
そういう交換、人生にはけっこうあるぜ。

だから「足りないものを全部埋めれば完成する」って話じゃないんだろうね。

そして、同じ欠けでも、
若い頃と、ずっとあとでは、見え方が違うのかもしれませんな。

そう考えると、
最初の歌が少し違って聞こえるな。
🔖今日のしおり
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✍️この記事を書いた人
juniwa(ジュニワ)
娘との読み聞かせをきっかけに、絵本の魅力にどっぷりハマっています。
大人も楽しめる、心に響く絵本を日々探しています。

