毎日がうまくいかない日は、「好き」なんてどこにもないように思えてしまいます。大森裕子さんの絵本『せかいは すきで あふれてる』は、学校も友だちも宿題も嫌になった少年が、不思議な一日を通して”見えなくなっていたもの”に出会う物語です。

いやはや。
人というものは、不思議なものでございます。
嫌だったことは、昨日のことでもよく覚えているのに。
楽しかったことは、あとになってから思い出すことがあります。
叱られたこと。
失敗したこと。
思いどおりにならなかったこと。
そんなものは、ずいぶん大きな声で記憶に残ります。
その隣で笑っていた時間や、夢中になっていた時間は、小さな声で静かに座っている。
だから、大きな声ばかり聞いていると、「好き」がなくなったような気がしてしまうのでございます。
本日ご紹介するのは、大森裕子さん作、KADOKAWAより
『せかいは すきで あふれてる』。
今日は、「好きを見つける話」ではなく、
好きは、いつ見えなくなるのか。
そんなことを考えてみたいと思います。
📘 本に関する基本情報
📖 書名
せかいは すきで あふれてる
✍️ 作・絵
大森裕子
🏢 出版社
KADOKAWA
🎯 対象年齢
小学校低学年頃から/大人にも
📚 内容紹介(出版社公式より)
おれは じゆうじゃない。
おまえは いいよな。
すきなときに あそんで
すきなときに ねて
おこられても きにしないし
がっこうへも いかなくていい。
がっこうでは やらされること ばっか。
やらなきゃいけないこと ばっか。
おれも ねこになりたいなぁ。
おれと かわってくれよーーー。
「ここじゃないところ」に行きたくなった少年が体験する
雨上がりの 不思議なあの日の物語。
🎙️えほん深掘りトーク
※以下の感想では、物語の展開について詳しく触れています。
オープニング:

今日は
「せかいは すきで あふれてる」
こんなに言い切られると、
「ほんとかな」って思っちゃう。

ええ。
疑ってしまうところから読むのも、悪くありません。
では、開いてみましょうか。
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メインセッション

この子の「学校なんか、嫌なことばっかりだ」っていう気持ち、分かる気がする。
嫌なことが一個あると、その日全部が嫌だったみたいになることあるよね。

一個じゃないよ。
先生にも怒られてるし、友だちとも遊べないし、給食も嫌なんでしょ。

そう「考えすぎだよ」とも言えねえな。本当に嫌なことが、いくつもあったんだ。

それでも、その一日の全部が嫌だったとは限らない。

じゃあ、絵を描いてる時間だけは好きだったのかな。

かもしれんね。
学校が嫌でも、そこにあるもの全部が嫌とは限らんのか。

同じ場所の中に、両方あったのでしょうな。

ああ、自分も嫌なことがあると、ついついその日の中にあった他のことまでまとめて悪くしてるかもしれん。
「あの一日は最悪だった」って。

でも、本当に最悪だった日もあるんじゃない?

ああ。だから、無理に「いい日だった」に変えなくてもいい。
ただ……全部を嫌だったことにしなくてもいいのかもしれねえな。

それに気づくまで、少し離れて見る時間が必要だったのでしょうな。
🎵今日の余韻


この子、ねこになって、新しい「好き」を見つけたわけじゃないんよね。

前のことを思い出してた。

なくなってたんじゃなくて、思い出せなかっただけなのかもしれねえな。

ええ。
それでは今日のしおりは、この一文にいたしましょう。
🔖今日のしおり
すきなもの
すきなけしき
いっぱいあったんだな。
毎回、絵本から大切に拾い上げた一文を、
心のしおりとして残していきます。
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✍️この記事を書いた人
juniwa(ジュニワ)
娘との読み聞かせをきっかけに、絵本の魅力にどっぷりハマっています。
大人も楽しめる、心に響く絵本を日々探しています。




