『さむがりやのサンタ』|絵本の感想|“文句”の奥に優しさが見える、人間くさい一冊

クリスマスが憂鬱なサンタ!? ぶつぶつ文句を言う姿に共感する一冊

🔍こんな人におすすめ!

🌱 お子さんへ:いつも優しいサンタさんの、意外な「ぼやき」にクスッと笑えます。

👨‍👩‍👧‍👦 親や祖父母の方へ:大人の本音(やれやれ)と子どもの夢(プレゼント)が両立する、絶妙なユーモアが光ります。

📚 先生や保育士の方へ:クリスマスの読み聞かせに。子どもたちの「えーっ!」というツッコミが楽しみになる一冊です。

🌍 すべての人へ:「ぶつぶつ」言いながらもやり遂げるサンタさんの姿に、なぜか勇気をもらえます。

📘 本に関する基本情報

📖 書名:さむがりやのサンタ

✍️ 作・絵:レイモンド・ブリッグズ 

🏢 出版社:福音館書店 

🎯 対象年齢:4歳〜

🌱 育まれる心の種:ユーモア、仕事への向き合い方、見えない優しさ

📚 内容紹介

皮肉屋だけど実はやさしいサンタクロース

「やれやれまたクリスマスか! 」面倒くさそうに目を覚ましたのは、サンタクロース。寒さに愚痴をいい、煙突に文句をいいながら町の子どもたちにプレゼントを配ります。南の島に憧れながら、一日の仕事をおえると、お風呂にはいり、ビールを一杯飲んで、ごちそうを楽しみます。トナカイたちにおいしいえさをあげることも忘れていません。皮肉屋だけど実はやさしい、人間味あふれるサンタクロースを描いたクリスマスにぴったりの絵本です。(福音館書店HPより)

📚 えほん深掘りトーク

※以下の感想では、物語の展開について詳しく触れています。

ミドリ
ミドリ

皆さん、こんにちは!『今日は何読もう?』の時間です。今回は、クリスマスの夜に大忙しのサンタクロースを描いた、レイモンド・ブリッグズさんの人間くさい魅力あふれる絵本『さむがりやのサンタ』(福音館書店/1974年)をご紹介します。この絵本は、聖人君子ではない、文句を言いながらも職務を全うするサンタの『人間味』を描くことで 、子どもたちに多面的な共感を……

ギブ
ギブ

ちょっと待ちな、ミドリさん。その解釈はスクエアすぎるぜ。

はる
はる

あ、ギブさん!起きてたの?

ギブ
ギブ

『人間味』だとか『共感』だとか、そういう小難しい話じゃねえんだよ。このサンタの『ソウル』は、あの『やれやれ、またかよ』っていう『ブルース』にあるワケ。

パパ
パパ

ブ、ブルースですか…。

ギブ
ギブ

朝起きて『あー、仕事行きたくねえ』って思うだろ? それと一緒さ。このサンタは、文句言いながらも最後はキッチリ仕事をキメる。途中で酒まで飲んじまうしな。その『生き様』こそが『ロック』なんだよ。子どもは、その『本物』のグルーヴを感じ取るんだぜ。

アイシ
アイシ

わかる。ボクも、きゅうりのためならどんな『ブルース』も歌えるよ。

パパ
パパ

なるほど…。『絵本のグルーヴ』ですか。新しい視点だなあ。確かに、あのサンタさんの『人間臭さ』は、子どもだけでなく大人にも強烈に響きますよね。さっそく読んでいきましょう!

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Scene 1 — サンタの「労働」ブルース

ミドリ
ミドリ

ギブさんの言う通り、この絵本はサンタさんの『労働』を描いていますよね。天候に文句を言ったり 、煙突に『えんとつなんて なけりゃ いいのに!』 とぼやいたり。

パパ
パパ

目覚めた瞬間の『やれやれ また クリスマスか!!』っていう、あの心の声(笑)。理想のサンタ像とのギャップがすごいです。

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Scene 2 —  ぼやきながらも完璧な仕事準備

ミドリ
ミドリ

でも、文句を言いながらも、ベッドから出て、ペットやトナカイにごはんをあげて、きっちり準備するんです。

はる
はる

『ふゆは いやだよ まったく!』って言いながら、やることやってる。

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Scene 3 — 過酷すぎる空の旅

ミドリ
ミドリ

そしていよいよ出発。でも、ただの夜空じゃなくて、雪、雨、雷、霧…と、天候が最悪なんです。

はる
はる

『なんだいこのてんきは!』って怒ってるの。かわいそうだったけど傘さしてるの、ちょっと笑っちゃった。

アイシ
アイシ

ぼくなら絶対引き返すけど、サンタさんは進むんだよね。えらいなあ。

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Scene 4 — 煙突だって楽じゃない

ミドリ
ミドリ

家に着いても『えんとつなんて なけりゃ いいのに!』ですもんね。大変なお仕事です。

パパ
パパ

すすだらけになったり、狭いところを通ったり。子どもたちの知らない苦労がたくさんあるんだなあって、大人はしみじみ思います。

はる
はる

でも、文句を言いながらプレゼントはちゃんと置いていってくれるんだよね。やさしい!

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Scene 5 —最高のアフターワーク

ミドリ
ミドリ

そして仕事を終えて帰宅してからのシーンが、また素晴らしいんです。熱いお風呂に入って 、ごちそうを食べて。

パパ
パパ

風呂上がりにビールを飲んで最高にくつろいでいますね。

ギブ
ギブ

これがロックなアフターアワーズってヤツだ。キツい仕事(ギグ)の後の一杯 ほど美味いモンはねえ。サンタ、お疲れさんだぜ。

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まとめ

ミドリ
ミドリ

さむがりやのサンタ』、いかがでしたか? ぼやきながらも仕事をやり遂げ、動物たちを愛する姿 
は、私たち大人にも響くものがありました。

パパ
パパ

クリスマス前に読むと、『サンタさん、今年もよろしくお願いします!』って、感謝の気持ちでいっぱいになりますね。

ギブ
ギブ

フン。理想を押し付けるだけが教育じゃねえ。こういう”人間くさい”ヒーローの背中を見て育つのも、悪くないグルーヴだぜ。読まなきゃ損だ。

ミドリ
ミドリ

今日も、素敵な絵本との出会いをお届けしました。次回もまた、皆さんの心に響く一冊をご紹介しますので、どうぞお楽しみに!それではまた〈今日は何読もう?〉でお会いしましょう!


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✨心に残った言葉、場面✨

「やれやれ また クリスマスか!!」

ークリスマスの朝、さむがりやのサンタがベッドでぼやく場面

juniwa
juniwa

クリスマスという一年で最も華やかな日の朝に、まさかのこの一言。理想の聖人君子のようなサンタ像を打ち破る、最高に人間くさい(?)ぼやきです。

でも、このぼやきがあるからこそ、その後のサンタさんの一生懸命な仕事ぶりが際立ちます。寒いのも面倒なのも本音。でも、プレゼントを待つ子どものために頑張るのも本音。

この言葉は、サンタさんが私たちと同じ「頑張る大人」であることを教えてくれる、魅力的なオープニングです。

📝ちょっと深掘り!

本作は、イギリスの絵本作家レイモンド・ブリッグズさんによる作品です。従来のサンタクロース像とは一線を画す、ぼやき屋で寒がりなサンタさんというユニークな設定と、細やかなコマ割りの漫画のような形式で、1974年の日本での刊行以来、世界中で愛され続けています。 (出典:福音館書店公式サイト)

絵本の感想

子どもの頃、クリスマスって、ただただ「魔法が起きる日」で、サンタさんは完璧で優しい存在でしたよね。

でも大人になって、この絵本を読み返すと、サンタさんの「やれやれ…」が、もう痛いほどわかるんです。準備の大変さ、悪天候のストレス、仕事の責任…。あれこれ「ぶつぶつ」言いたくなる気持ち、すごく共感しちゃいます。

この絵本は、子どもたちに夢を届け続けるためには、見えないところで文句を言いながらも頑張っている「大人」がいるんだよ、って教えてくれるようです。

決して聖人君子ではない、この最高にチャーミングで、人間味あふれるサンタさんが、私は大好きです。

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✍️この記事を書いた人

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juniwa(ジュニワ)

娘との読み聞かせをきっかけに、絵本の魅力にどっぷりハマっています。
子どもも大人も楽しめる、心に響く絵本を日々探しています。
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