言葉で想いを届けることの大切さを教えてくれます。
🔍こんな人におすすめ!
🌱 お子さんへ:
大好きな存在との「お別れ」がテーマでも、あたたかな言葉が心に残ります。命の大切さ、愛情の伝え方をやさしく学べる絵本です。
👨👩👧👦 親や祖父母の方へ:
普段なかなか言えない「だいすき」を、言葉で伝える大切さに気づかされます。子どもと一緒に読むことで、家族の絆もより深まる一冊です。
📚 先生や保育士の方へ:
喪失体験の導入や、感情を表現する力を育む教材として最適。静かに心に寄り添いながら、子どもたちと命について考えられる絵本です。
🌍 すべての人へ:
大切な存在との別れを経験した人、あるいはその時を思う人へ。静かな文章とやさしい絵が、思い出をあたため、心を癒してくれます。
📖 まとめ:
「だいすき」を、ちゃんと伝えていますか? この絵本は、今そばにいる大切な人へ、言葉で想いを届けることの大切さを教えてくれます。
📘 本に関する基本情報
📖 書名:ずーっと ずっと だいすきだよ
✍️ 作・絵:ハンス・ウィルヘルム
🌐 訳:久山太市
🏢 出版社:評論社
🎯 対象年齢:7歳〜
🌱 育まれる心の種:
愛情のことば/命の尊さ/喪失と向き合う力/思い出を大切にする心
🗨️ 内容紹介(評論社公式サイトより)
ぼくはエルフィーをわすれない。世界一すてきな犬だったんだ。
エルフィーとぼくは、いっしょに大きくなった。
ぼくの背がのびるにつれ、エルフィーはだんだん年をとり、そしてある朝、死んでいた。
深い悲しみの中でも、ぼくには、ひとつ、なぐさめがあった。それは…。
📃あらすじ
ぼくと犬のエルフィーは、いつも一緒。
遊んだり、眠ったり、毎日を重ねながら、一緒に大きくなっていきました。
でも時がたつと、エルフィーの足取りはゆっくりになって、ある朝、静かに旅立っていきます。
深い悲しみの中で、ぼくが思い出すのは――
毎晩欠かさず伝えていた、ある“ひとこと”。
この絵本は、愛する存在と過ごす日々の尊さと、
「いま」想いを伝えることの大切さを、そっと教えてくれます。
📖 サクッと感想
※以下の感想では、物語の展開について詳しく触れています。

読み返すたびに“何げない一日”こそ宝物だと気づきますね。花壇を掘って叱られても、夜には「ずっとずっと大好きだよ」と耳元で囁く――あの毎晩のルーティンがたまらなく尊いです。

わかります。失敗を帳消しにする魔法のことばですよね。歳を重ねて歩けなくなったエルフィーを少年が抱き上げる場面では、腕の重さとぬくもりまでページ越しに伝わってきました。

そして別れの朝。悲しいのに、“ちゃんと伝えていた”という確信が少年を支えています。ことばって未来の自分への贈り物にもなるんですね。

だからこそ私たちも、照れずに「大好き」を日常に混ぜたいですね。あとで思い出すのは叱った瞬間より、このひと言のやさしさだと思いますね。
📚 えほん深掘りトーク
〜パパとミドリさんが場面ごとに語ります〜
※以下の感想では、物語の展開について詳しく触れています。
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Scene 1 — 出会いと成長のワクワク

最初のページから数ページにわたって、少年と子犬のエルフィーが一緒に成長していく様子が描かれていますね。エルフィーが少年よりもずっと早く大きくなっていったことや、少年がエルフィーの温かいおなかを枕にして眠るのが好きだったという描写から、彼らの絆の深さが伝わってきます。

わかります! 彼らが毎日一緒に遊んだり、誕生日をお祝いしたりする様子は、まさに「ここから大切な物語が始まるよ」と背中を押してくれる感じですよね。
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Scene 2 — いたずらと後悔の日々

エルフィーはリスを追いかけたり、ママの花壇を掘り返して泥だらけになったりするのが好きでしたが、ときにはお皿を割ってしまうようないたずらもします。そんなとき、家族はエルフィーを叱りました。

あのハプニングの描写、共感しますよね。でも、この絵本では、家族はエルフィーを叱る一方で、「大好きだよ」という愛情の言葉を、エルフィーに伝えてあげなかった、ということが描かれています。言わなくてもわかると、思っていたんですね。この部分が、この物語の重要なテーマにつながっていきましたよね。
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Scene 3 — 季節の移ろいと深まる絆

時間の経過とともに少年とエルフィーの絆が深まっていく様子は伝わってきます。特に、少年がエルフィーを優しく抱きしめる秋の落ち葉の場面は、彼らの関係が深まり、かけがえのない存在になっていることを象徴しているように感じますね。

はい。エルフィーの茶色と落ち葉の色彩が溶け合って、まさに“家族写真フィルター”みたいな安心感がありますよね。二人の心温まる関係性が伝わってきて、読んでいるこちらも穏やかな気持ちになります。
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Scene 4 — 老いの訪れ

やがてエルフィーは年をとり、寝ていることが多くなり、散歩も嫌がるようになりました。少年は、そんなエルフィーの様子をとても心配します。

そのページのエルフィーの姿には、時間の流れを感じさせられましたね。「愛する存在との時間は永遠ではないんだな…」としみじみ感じてしまいました。
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Scene 5 — 抱き上げる階段

エルフィーは少年の部屋で寝ることになっていたので、少年は年老いたエルフィーを抱きかかえ、階段を上っていきます。

ページ全体に、エルフィーの重さと、彼を大切に思う少年の深いぬくもりが同居していますね。
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Scene 6 — 別れの朝

ある朝、目が覚めるとエルフィーは死んでいました。お葬式のあと、少年がエルフィーが生きていた頃に毎晩「ずーっと、ずっと、だいすきだよ」とささやいていたことを思い出します。この行動が、深い悲しみの中でも彼を慰める「たったひとつのなぐさめ」となるのです。言葉の繰り返しが持つ意味がここで腑に落ちます。

愛情表現って相手のためだけでなく、自分への贈り物にもなるってことですね。まさに“ことばの貯金”だ。
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Scene 7 — ラストページの余白

物語の最後には、少年が将来、他の動物たちを飼うことになっても、毎晩きっと「ずーっと、ずっと、だいすきだよ」と伝えるだろうという希望が語られます。エルフィーとの思い出を大切にしつつ、愛情を伝える行為が未来へと受け継がれていくことを示唆しています。

絵本を閉じても静かな余韻が続くのは、この物語のテーマが「命のサイクルと愛情表現」にあるからかもしれません。読者自身も「ここからはあなた自身の物語を」と手渡されるような感覚になりますね。
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まとめ

物語を通して受け取ったメッセージは二つ。
• 愛情は惜しみなく伝え続けることで、相手だけでなく未来の自分も支えてくれる。
• 別れの悲しみは避けられなくても、“伝えた言葉” はいつまでも自分の心を温める。
うちにはイタズラ好きな猫がいるのですが叱ってばかりでなく愛情も言葉にして伝えたいと思います。

ぼくも今夜は娘とアイシに改めて伝えたいと思います。
それでは、また次回のレビューでお目にかかりましょう!
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✨心に残った言葉、場面✨
なにをかっても まいばん きっと、いってやるんだ。『ずーっと、ずっと、だいすきだよ』って。
ーこれから出会う命にも「だいすき」を伝えていこうと心に決めた場面

特別な日じゃなくて、なんでもない毎日にこそ「だいすき」を伝えること。
それって照れ臭いんだけど大事なことですよね。
突然別れが来ても大丈夫なように。
ちゃんと想いを伝えていた思い出が、あとになって自分を支えてくれることを教えてくれます。
📝ちょっと深掘り!
『ずーっと ずっと だいすきだよ』の作者ハンス・ウィルヘルムさんは、ドイツ生まれの絵本作家・画家で、現在はアメリカを拠点に活動しています。これまでに100冊以上の絵本を手がけ、その作品は世界40カ国以上で翻訳され、多くの読者に愛されてきました。
この絵本は、作者自身が飼っていた犬との別れの経験から生まれたとも言われています。そのため、物語に込められた感情にはどこかリアリティがあり、読む人の心にもそっと寄り添ってくれるのです。
1988年に原書が出版され、日本では1991年に評論社から翻訳版が刊行されました。以降、光村図書の小学校国語教科書にも採用されるなど、子どもたちが“命”や“愛情”について考えるきっかけとなる一冊として読み継がれています。
juniwaのひとりごと
急には言えない。「だいすきだよ」
やっぱり日頃から口にしてこそ自然に届くんだろうな。
よし、習慣にしよう。
でも、いつ、どのタイミングで、どんな感じで?
こんな風に頭でごちゃごちゃ考えているうちは難しいんでしょうね…。
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✍️この記事を書いた人


juniwa(ジュニワ)
娘との読み聞かせをきっかけに、絵本の魅力にどっぷりハマっています。
子どもも大人も楽しめる、心に響く絵本を日々探しています。
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