当たり前の日常が愛おしくなる。
🔍こんな人におすすめ!
🌱 お子さんへ:美しい色彩とリズミカルな言葉を楽しみたい子に。
👨👩👧👦 親や祖父母の方へ:忙しい毎日の中で、ふと立ち止まって「今日」という日の尊さを感じたい時に。
📚 先生や保育士の方へ:冬の時期の読み聞かせや、子どもたちと「願い」や「平和」について考えるきっかけ作りに。
🌍 すべての人へ:荒井良二さんのアートのような絵を楽しみたい方、心静かな時間を過ごしたい方へ。
📘 本に関する基本情報
📖 書名:きょうというひ
✍️ 作・絵:荒井良二
🏢 出版社:BL出版
🎯 対象年齢:4歳〜
🌱 育まれる心の種:祈り・平穏・希望・美意識
📚 内容紹介
(BL社公式HPより)
「きのうのよるゆきがふりました。しずかにしずかにふりました。」というはじまりの言葉に、しんとする。舞いおちる雪のように淡々と流れていく詩のようなストーリー。静かに、深く、祈りをこめて、遠い星をながめているような気持ちになる絵本です。
📝あらすじ:
昨日の夜、静かに雪が降りました。朝日がその雪を照らし出し、「きょうというひ」が始まります 。
ある人は新しいセーターを編み、ある人は帽子とマフラーを用意しました。すべては、今日という日に身につけるため 。 そして、ろうそくに火を灯します。外の冷たい空気の中で、雪で小さな家をたくさん作り、その中にろうそくを入れるのです 。
チリチリと揺れる小さな灯り。 その灯りが消えないように、空を見上げて祈る人々の姿がありました…… 。
📚 えほん深掘りトーク
※以下の感想では、物語の展開について詳しく触れています。

皆さん、こんにちは!『今日は何読もう?』の時間です。今回は、冬の静けさと温かな祈りを描いた荒井良二さんの美しい絵本『きょうというひ』(BL出版/2005年)をご紹介します。

おっ、荒井良二さんだね。僕、彼の描く絵が大好きなんだ。まるで即興演奏のアートアニメーションを見ているような、自由でエモーショナルな感じがたまらないんだよね。

ふーん。パパの『エモい』は置いといて……。表紙の絵がきれいだなあ。

いやはや、雪景色にろうそくとは、風流ですなぁ。カエルの私にゃあ少々寒さが身に沁みますが、この温かい光を見てると、なんだか昔聞いた『笠地蔵』の話を思い出しますよ。心があったまるねぇ。

『きょうというひ』か……。タイトルからして、飾らないロックな魂(ソウル)を感じるぜ。派手なソロ回しじゃなく、静かなベースラインが響いてくるような一冊ってわけか。
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Scene 1 — 自由なタッチが描く世界

荒井良二さんの絵は、大胆な筆使いとコラージュが特徴的ですよね。この本でも、雪の白さと、鮮やかな赤や黄色のコントラストがとても印象的です。

そうだね。一見、子どもの落書きのようにも見えるけど、この計算された構図と色彩感覚はすごいよ。映画で言うなら、ゴダールの『気狂いピエロ』みたいな、色彩が感情を語る感じかな。

パパ、また難しいこと言ってる。でも、この絵、はみ出してたりして面白いね。雪の家を作るページ、私もやってみたいなあ。これ、かまくら?

おやおや、はるちゃん。これは『スノーキャンドル』なんて呼ばれる、雪で作った行灯(あんどん)みたいなもんでしょうな。白い雪に赤い炎が映えて、まるで雪原に咲いた彼岸花のようですなぁ。

フン、綺麗にまとめるだけが絵じゃねえってことだ。この荒々しいタッチにこそ、人間の『生(ライブ)』な鼓動を感じるぜ。あえて歪ませた線に、ロックなグルーヴが宿ってんだよ。
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Scene 2 — 繰り返される言葉のリズム

文章もとても詩的ですよね。『きえないように きえないように』という言葉が何度も繰り返されて、まるで呪文やお経のように心に染み渡ります。

なんでそんなに『消えないように』って言うの? ろうそくだから、いつかは消えちゃうじゃん。風が吹いたらすぐ消えそうだし。

はっはっは、はるちゃんは現実的だねぇ。でもね、世の中には『消えてほしくないもの』ってのがありましてね。この灯りは、ただの火じゃなくて、みんなの『願い』そのものなのかもしれませんよ。

アイシの言う通りだね。僕も読んでいて、家族の健康とか、形のない大切なものを守りたいっていう気持ちになったよ。このリフレインが、祈りの強さを表しているんだね。

おう、その通りだ。同じフレーズを繰り返すのは、ブルースの基本だぜ。何度も叫ぶことで、言葉以上の魂(ソウル)が乗っかるんだ。『きえないように』ってのは、魂の叫びだな。
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Scene 3 — 「きょうというひ」の意味

タイトルの『きょうというひ』。特別なイベントがある日なのかもしれませんが、私は『何気ない一日』の大切さを描いているようにも感じました。

ふーん。でもさ、新しいセーター着て、ろうそく灯して、お祈りして……やっぱり何かのお祭りなんじゃないの? クリスマスとか?

確かにクリスマスっぽい雰囲気もあるね。でも、あえて具体的な行事名を出さないことで、誰にとっても、どの一日であっても『かけがえのない日』なんだって伝えている気がするな。

なるほど、一期一会ですな。今日のこの高座、いや、この一日は二度と来ない。そう思うと、何気ないきゅうりの一本も、いつもより美味しく感じるってもんですよ。

チッ……ホコリっぽいぜ、この部屋は……。ま、そういうことだ。特別な日だから祝うんじゃねえ。生きてる『今』が最高にロックだから、その火を絶やすなってことだろ。悪くねえメッセージだ。
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まとめ

いかがでしたか? 今日は、静かな祈りと美しい色彩が心に残る『きょうというひ』をご紹介しました。

今夜は僕も、部屋の明かりを少し落として、キャンドルを灯してみようかな。たまには静かに家族で語り合うのもいいね。

えー、暗いとゲームできないじゃん。……でもまあ、きれいならいいか。私もパパの隣で、消えないように見ててあげる!

おやおや、仲睦まじいことで。消えないのは灯りだけじゃなく、家族の絆ってわけですな。お後がよろしいようで。

へっ、うまいこと言いやがって。お前ら、その心の火(ファイア)、絶やすんじゃねえぞ。読まなきゃ損だぜ、このグルーヴは。

次回もまた、皆さんの心に響く一冊をご紹介しますので、どうぞお楽しみに! それではまた〈今日は何読もう?〉でお会いしましょう!
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✨心に残った言葉、場面✨
「きえないように きえないように…… そらを みあげて いのります」
ー人々が雪で作ったたくさんの小さな家(スノーキャンドル)にろうそくの火を灯している場面

雪景色の中に無数に灯る小さなろうそくの光 。それはとても儚いものですが、人々の祈りが込められた強さも感じさせます。何か大きなことを願うのではなく、ただ目の前のささやかな幸せや灯火が「消えないように」と願う切実な姿に、心が洗われるような気持ちになります。
📝ちょっと深掘り!
作者:荒井良二(あらい りょうじ)さんについて 1956年山形県生まれの絵本作家・イラストレーターです 。 その独創的な作風は世界中で高く評価されており、2005年には児童文学界のノーベル賞とも言われる「アストリッド・リンドグレーン記念文学賞」を日本人として初めて受賞しました 。 絵本制作だけでなく、イラストレーション、広告、舞台美術、アニメーションなど、ジャンルを超えて幅広く活躍されています 。
絵本の感想
毎日の仕事に追われていると、ついつい「今日」を消化試合のように過ごしてしまいがちです。「早く定時にならないかなあ」なんて思ってしまう日もあります。 でも、この絵本を開いて、静かに降り積もる雪の絵と、揺れるろうそくの灯りを見ていると、心が洗われるような気がしてきます。
何か特別なことがなくても、家族が元気で、温かいご飯が食べられて、眠る家がある。 そんな「当たり前の灯火」が消えないように祈ることこそが、一番の幸せなのかもしれません。 そんな大事な事に気づかせてくれる優しい一冊でした。
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✍️この記事を書いた人
juniwa(ジュニワ)
娘との読み聞かせをきっかけに、絵本の魅力にどっぷりハマっています。
子どもも大人も楽しめる、心に響く絵本を日々探しています。
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