「…」に詰まったのは、言えなかった“だいすき”のきもち。
🔍こんな人におすすめ!
- 🌱 お子さんへ
「あ、ぼくとおんなじかも」と、自分の気持ちを見つけるヒントに。 - 👨👩👧👦 親や祖父母の方へ
子どもがふだん口にしない「本音」に、思わずドキッ。子ども目線の愛情が心にしみます。 - 📚 先生や保育士の方へ
観察・表現・共感といった感性を育む題材としてぴったり。読後の会話がはずむ絵本です。 - 🌍 すべての人へ
あの頃の「おかあさん」との記憶に、そっと寄り添いたくなります。 - 📖 まとめ
「好きってなに?」を、親子であたたかく見つめ直せる時間になります。
💭 この本を読むきっかけ

ねえパパ、はるのクラスで『お母さんなんか嫌い!』って言ってる男の子がいたんだよ。でもね、話を聞いてると、お母さんの話ばっかりするの。

ふふ、それってきっと“ほんとは大好き”ってことなんじゃないかな。

へんなの〜。でも、わかる気もする!ママがアイシの絵、ぜんぜん見てくれなかったから、“きらい!”って言ったけど…ほんとは“すごいね”って言ってほしかっただけだったことある…。

そういう気持ち、あるよね。じゃあ今日は、そんな“気持ちの奥”が見えてくる絵本、読んでみようか。
📖本に関する基本情報
- 📖 書名:ぼく おかあさんのこと…
- ✍️ 作者:酒井駒子
- 🏢 出版社:文溪堂
- 🎯 対象年齢:4歳〜
- 🌱 育まれる心の種:親子の愛情、感情表現、共感する力
📚 内容紹介(引用):
お母さんなんか嫌い!だって,お休みの日はいつまでも寝てるし,「はやく,いそいで!」って言ってばかりだし。それに……。
(出典:文溪堂公式サイト)
📖 本の感想についての会話🗣️
※以下の感想では、物語の展開について詳しく触れています。
・

ドラマばっかり見て、漫画は見せてくれないし、すぐ怒って、園に行く準備の時は早く早く!と急かすのに自分はママ友とゆっくりおしゃべりして…って、うちのママそっくり!と思った。

それからそれからそれから…って、ママのベッドの上で寝転びながら、無理やり“嫌いな理由”を見つけようとしてるの、かわいかったよね〜!

子どものとき、母親に対して「ぼく」と同じような気持ち、あったなあ…。好きなのに照れもあるから文句ばかり言って。子供の複雑な気持ちをよく表現しているよね。

“ぼくとまたあえてうれしい?”って聞いたとき、“うれしいとも!”って引き寄せてくれるママの顔、うれしそうだったよね!

「ぼく」の顔は見えなかったけど、絶対喜んだ顔していると思うなあ。
✨管理人が心に残った言葉、場面✨
「ぼくとまたあえてうれしい?」「うれしいとも!」
ーお母さんに手を引き寄せられるシーン。

たくさん文句を言って、怒って、部屋から出て行って…
それでも最後には、「うれしい?」と聞いてしまう“ぼく”のまっすぐな気持ちが、胸にじんと響きました。
ママの返事は、「うれしいとも!」
その言葉とともに、ぼくを引き寄せる手。
“ぼく”の顔は見えないけれど――きっと、とびきりの笑顔だったに違いありません。
照れや怒りの奥にある「だいすき」。
それがじんわり伝わってきた、忘れられない場面です。
📝ちょっと深掘り!
『ぼく おかあさんのこと…』が刊行されたのは1999年。
それから25年たった今でも、読み継がれているロングセラーです。
作者の酒井駒子さんは、子どもの繊細な心の揺れや、言葉にならない想いをすくいあげるように描く作風で、多くの読者の心をつかまれています。
当ブログでも、親子のぬくもりが胸に響く名作『よるくま』や、
淡くにじむ色彩で、物語のやさしさと切なさをそっと包み込む『ビロードのうさぎ』を紹介しています。
どちらも、酒井さんの魅力をたっぷり味わえる絵本です。
この絵本が支持される理由のひとつは、子どもの“言葉にできない気持ち”に寄り添っていること。
文句を言いながらも大好きで、腹を立てながらもそばにいたくて。
そんな気持ちの揺れを、「…」の間にそっと閉じ込めるように描かれています。
また、ページごとのレイアウトや“余白”もとても印象的。
文字数は少ないのに、伝わってくる感情がとても多い――まさに“余白で語る絵本”です。
母の日や卒園・入学といった節目の季節に、親子で読んでみるのもおすすめ。
子どもだった自分、大人になった自分、どちらの心にもやさしく届いてくる一冊です。
管理人のひとりごと
「きらい!」って言いながら、「ほんとは見ててほしい」と思っていたり。
「なんで気づいてくれないの?」って怒ったあと、なんでもないふりして、となりにいてほしかったり。
この絵本を読んでいると、子どもって本当に複雑で、でもまっすぐだなあと思います。
そして、そんな気持ちをまるごと受け止めるお母さんの「うれしいとも!」に、なんだか胸の奥が、じんわりあたたかくなりました。
ぼくの顔は描かれていないのに、ぜったい喜んでるってわかる。
どこかで知ってるような光景だった。
忘れてたけど、たしかに自分の中にもあった記憶。
ふいに思い出させてくれる、そんな絵本でした。
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