いつもの空が、だれかの顔に見えてくる
🔍こんな人におすすめ!
🌱 お子さんへ:想像するのが好きな子、空を見上げるのが好きな子に。
👨👩👧👦 親や祖父母の方へ:子どもの「なんで?」という素朴な視点を、一緒に楽しみたい方に。
📚 先生や保育士の方へ:「見えないもの」や「他者の視点」について考えるきっかけとして。お散歩の時間や、静かな読み聞かせに。
🌍 すべての人へ:忙しい日々に、ふと空を見上げたくなったとき。日常の風景に新しい発見や物語を見つけたい方へ。
📘 本に関する基本情報
📖 書名:くも
✍️ 作・絵:しおたにまみこ
🏢 出版社:偕成社
🎯 対象年齢:5歳〜
🌱 育まれる心の種:想像力、好奇心、他者への視点
📚 内容紹介
空に現れる「くも」。大きな空を悠々と歩くその姿を女の子はいつも見つめています。晴れの日、雨の日、夕暮れどき、嵐の夜……、くもはなにを考えているのかなあ、楽しいのかなあ、ともだちになれるかなあ、と。
雲を見つめる女の子のモノローグで綴られる一冊。この本を読んだ後に、雲の見え方が少し変わるかもしれません。(偕成社HPより)
📚 えほん深掘りトーク
※以下の感想では、物語の展開について詳しく触れています。

皆さん、こんにちは!『今日は何読もう?』の時間です。今回は、空と想像力をテーマに、私たちの一番身近な自然「くも」を描いた、しおたにまみこさんの静かな絵本『くも』(偕成社/2025年)をご紹介します。

『くも』か。いつも見上げているけど、主役になるのは珍しいね。さっそく読んでいきましょう!

わたし、空でくもの形をみるの好きだよ。

ぼくはもくもくソフトクリームのような白いくもが好きだな。
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Scene 1 — くもと目が、あう

この絵本は、『わたしはいちどだけ、あります』 という、くもと目があった不思議な体験から始まりますね。

すごく静かな始まり方ですよね。『くもがかおをちょっと うごかして』 なんて、言われてみればそんな気がしてくる。
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Scene 2 — いろんな「かお」のくもたち

『わたし』は、くもをじっと観察しはじめます。時間によっても様子が違いますよね。ひるまはごきげんそうだったり、ゆうひにあたるとさみしそう だったり。

よるは『むつかしいことでも かんがえているようなかんじ』 。たしかにそう見える!大人みたい。
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Scene 3 — なかよくなりたい!

『どうやったら なかよくなれるのでしょうか』 って考えるのが、子どもらしくて良いですね。『あついひにひかげをつくってくれたり』 したら最高です。

『たこ』をとばして気づいてもらおうとするの、とても良い作戦だったね。
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Scene 4 — あらしのよるのくも

その強い風は『あらし』の始まりでした 。『ぴかっとくものかおが てらされる』 場面は、迫力がありましたね。

嵐のときのくもって、怒ってるように見えるけど、この絵本では『おこっているようにもみえません』 って。ただそこにいるだけ、というのが印象的だったな。
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Scene 5 —わからない、でも、みているかも

嵐が過ぎて、結局『わたし』は『けっきょく くものことはあまりわかりません』 と冷静に結論づけます。くもは、ただの『みずとこおりのあつまり』かもしれないと。

でも、わたしはやっぱり『わたしたちをみているきがします』 って。わたしもそうおもう!

飛んでいったたこが窓にひっかかっていた のは『ぐうぜん』 なのか、それとも…。『わからない』けど『ながめている』 と信じたくなる。
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まとめ

『くも』、いかがでしたか? 当たり前の日常に、豊かな想像力のきっかけをまいてくれるような、静かでふしぎな一冊でしたね。

うん、すごくよかった。今度、はると一緒に寝転がって、くもが何を考えてるか 話してみたくなったよ。

それは素敵ですね。ぜひ、この絵本を読んだ後、お子さんと一緒に空を見上げてみてください。今日も、素敵な絵本との出会いをお届けしました。次回もまた、皆さんの心に響く一冊をご紹介しますので、どうぞお楽しみに! それではまた〈今日は何読もう?〉でお会いしましょう!
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✨心に残った言葉、場面✨
「わたしたちがくもをながめるように、 くもたちもわたしたちをながめているんです。」
ー物語の最後、主人公の「わたし」が静かに確信する場面

一方的に「ながめる」だけだった空が、「わたしたちをながめている」かもしれない、と視点が変わる。 たったそれだけのことで、いつもの空が、ただそこにある「景色」ではなく、自分と静かに見つめ合い、関わりあっている「物語」のように思えてきます。
この豊かな想像力こそが、私たちの日常をワクワクするものに変えてくれるように感じました。
📝ちょっと深掘り!
『くも』の作者であるしおたにまみこさんは、2018年に『そらからきたこいし』でデビューされました 。『たまごのはなし』では、ブラチスラバ世界絵本原画展(BIB)2021で「金牌」を受賞される など、国内外で高く評価されています。
しおたにさんの作品は、日常にあるものへ不思議な視点を向け、静かな哲学を感じさせる独特の世界観が特徴です。『くも』もまた、当たり前の存在である「くも」 を通して、見る側の想像力や世界との関わり方を問いかける作品となっています。
絵本の感想
この絵本を読むと、「ああ、そうそう!」って、思わず心が軽くなる気がします。
子どもの頃、電車に乗って窓の外を見ると、月が「私だけを見てついてきてる!」って本気で信じていましたよね。大人になると、雲は水蒸気で、月は地球の衛星だと知ってしまうけれど…。
でも、この『くも』の「わたし」は、その知識よりも「もしくもたちとなかよくなれたら」「くもがわたしを見ているかも」という、空想を大切にします。
たったこれだけの「かもしれない」という想像力で、いつもの空が、自分にとって特別な風景に変わる。
世界を豊かにするのは、きっとこういう、理屈を超えた優しい心の動きなのだろうと、改めて感じさせてくれる一冊です。
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✍️この記事を書いた人
juniwa(ジュニワ)
娘との読み聞かせをきっかけに、絵本の魅力にどっぷりハマっています。
子どもも大人も楽しめる、心に響く絵本を日々探しています。
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