『一年一組 せんせいあのね』|絵本の感想|こども目線で世界を見つめる、かろやかで、深い一冊

大人が忘れた「本音」がここにある

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🔍こんな人におすすめ!

🌱 お子さんへ

自分と「おなじきもち」の友達が見つかるかもしれません。

👨‍👩‍👧‍👦 親や祖父母の方へ:小学1年生の“いま”の気持ちを言葉で感じてみたい方に。

📚 先生や保育士の方へ:子どもたちの本音や、ユニークな視点に触れたい方に。

🌍 すべての人へ:忘れていたピュアな感性を取り戻したい方に。

📘 本に関する基本情報

📖 書名:一年一組 せんせいあのね こどものつぶやきセレクション

✍️ 作/選:鹿島和夫

🖼️ :ヨシタケシンスケ

🏢 出版社:理論社

🎯 対象年齢:6歳〜

🌱 育まれる心の種:言葉の豊かさ、想像力、多様性への理解

📚 内容紹介

(理論社公式HPより)
鹿島和夫さんと鹿島さんが担任した小学校一年生たちとの、いわば交換日記であった「あのね帳」から、54篇のつぶやきをセレクト。
笑いをさそうもの、胸をうつもの…こどもたちから生まれた生のことばがヨシタケシンスケさんの絵とタッグを組み、新たに心をゆさぶる。

📝あらすじ

本作は、1935年生まれの担任教師、鹿島和夫先生が小学一年生のクラスで実践していた「あのね帳」から厳選された54編のつぶやきに、人気絵本作家ヨシタケシンスケさんの絵が加わった一冊です。子どもたちが先生と毎日交換したノートに綴られた、飾らない日々の出来事、素朴な疑問、心の内側が、時を超えて私たちの心に語りかけます。まるで交換日記のような「あのね帳」は、おしゃべりな子からおとなしい子まで、すべての子どもの「本音」を引き出す驚くべき効果を持っていました。この本は、そんな子どもたちの「生の声」が、ヨシタケシンスケさんのユーモラスで温かい絵と出会い、さらに豊かな物語を紡ぎ出しています。

📚 えほん深掘りトーク

※以下の感想では、物語の展開について詳しく触れています。

ミドリ
ミドリ

皆さん、こんにちは!『今日は何読もう?』の時間です。今回は、こども目線で日常の発見や本音を描いた、鹿島和夫さん(選書)とヨシタケシンスケさん(絵)のかろやかで、深い一冊『一年一組せんせいあのね』(理論社/2023年)をご紹介します。

パパ
パパ

『あのね帳』かぁ 。僕らの頃は『連絡帳』がその役割だったかな? でも、ここまで自由じゃなかったかも。

はる
はる

『せんせいあのね』 って、本当に先生に話したいこと書くの? はるなら『今日の給食、ハンバーグにして』って書く。

アイシ
アイシ

へい、らっしゃい! 今日のネタは『一年生』。ぴかぴかでございますな。さて、どんな一席になりやすやら。

ギブ
ギブ

『こどものつぶやきセレクション』だぁ? ロックな魂の叫び(シャウト)が詰まってるってワケか。悪くねぇ。

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Scene 1 — 大人はすぐ「感動」とか言うけどさ

ミドリ
ミドリ

どのお話も、一年生とは思えない深い視点や、ハッとするような表現に満ちていますね。

パパ
パパ

『こども』 の詩、グッと来ちゃったな。『そのときのきもちを たいせつにしてもらいたいなあ』 …本当にそう。

はる
はる

わたしは、鉄棒のやつウケる。『せんせいは いっかいもやりません』 たしかにずるいかも。

ギブ
ギブ

ハッ、そいつはロックだぜ。大人の矛盾を突く、鋭いリリック(歌詞)だ。

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Scene 2 —  家族って、いろいろ

ミドリ
ミドリ

家族の詩も印象的でした。『おとうさん』 は、お米屋さんなのに朝パンを食べるお父さん。 短いのに情景が浮かびます。

パパ
パパ

『けっこん』 の話もすごい。どっちが本当か分からないけど、『ぼくがいることがだいじなんだから』 。真理だよ…。

アイシ
アイシ

『うちはあかちゃんなんかおれへんのに』 。お母さん、なかなかの策士でございますな。これぞ『嘘も方便』。

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Scene 3 — こどもの「なんで?」

ミドリ
ミドリ

『にんげん』 の、『なんのためにいきているんですか』 という問いには、考えさせられました。

パパ
パパ

『たっぷりあそんで たのしむためだとおもいます』 。これが答えでいい気がする。僕もそう思うよ。

はる
はる

『なんでそらのほしはほしのかたちがしていないの』はるもおんなじこと思っていた!

ギブ
ギブ

『かみさま』 のやつもヤバい。『ほんとうはだれもわからないから にんげんがかみさまをつくったのでしょう』 。小1でこのソウルか…末恐ろしいぜ。

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Scene 4 — 7歳のリアル

ミドリ
ミドリ

次にクリスマスツリーを森へ選びに行くんですが…サンタさん、ちょっと張り切りすぎです。

はる
はる

『じゅぎょうさんかん』 の子、わかる!『てをあげなかったらままにしかられるから てをあげたのです』(笑)

ミドリ
ミドリ

『くちごたえ』 も。『わたしは いけんをいっているつもりです』 。大人がハッとさせられますね。

アイシ
アイシ

『つうちぼ』 。『なんでこんなもんで おかあちゃんがおこるんやろ』 。いやはや、世知辛い世の中でございます。

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まとめ

ミドリ
ミドリ

『一年一組せんせいあのね』 、いかがでしたか? 子どもたちの言葉の力と、ヨシタケシンスケさんの絵 が見事に融合した、何度でも読み返したい一冊ですね。

パパ
パパ

子どもと一緒に読んで、『どう思う?』って聞いてみるのも楽しそうだね。

はる
はる

はるも『あのね帳』書いてみようかな。

アイシ
アイシ

これにて『一年生』の一席はお開き。いやはや、どの子もみ~んな、磨けば光る原石でございますな!

ギブ
ギブ

フン。小賢しいテクニックなんざねぇ、ピュアなソウルの叫びだ。このグルーヴ、感じ取れよ。

ミドリ
ミドリ

次回もまた、皆さんの心に響く一冊をご紹介しますので、どうぞお楽しみに! それではまた〈今日は何読もう?〉でお会いしましょう!


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✨心に残った言葉、場面✨

せんせい じしんてなんですか

ーお母さんから「こたえがわかったときは じしんをもって しっかりてをあげなさい」と言われた直後の場面

juniwa
juniwa

大人は当たり前のように「自信」という言葉を使います。でも、いざ「自信ってなに?」と聞かれたら…。 自信満々に、一年生にも分かるように説明できる大人は、どれくらいいるでしょうか。 言葉の本質を突くストレートな「なんで?」に、頭をガツンと殴られたような衝撃を受けました。

📝ちょっと深掘り!

この本に収められた詩はすべて、選書者である鹿島和夫先生が、神戸市の小学校で担任した一年生たちの「あのね帳」(日記ノート)に書かれたものです。

鹿島先生は、この「あのね帳」を通して、子どもたちの「書く力」「表現する力」を育むユニークな実践に取り組み、その学級ドキュメンタリーが賞を受賞するなど、大きな反響を呼びました。

2023年に亡くなられるまで、生涯をかけて子どもたちの「つぶやき」に耳を傾け、その言葉の力を信じ続けた先生です。

絵本の感想

この本に登場する一年生たちの言葉は、大人や親の「当たり前」を、なんの悪気もなく、まっすぐ貫いてきます。大人が見過ごす世界の「なんで?」や「おかしさ」を、彼らは逃しません。

『くちごたえ』 の詩なんて、もう耳が痛いどころじゃありません。「わたしは いけんをいっているつもりです」と言われたら、反論の余地なし。

私たちは、子どもの世界を本当に理解しているつもりになっているだけかもしれません。彼らの正直な「つぶやき」は、日々を駆け抜ける私たちに「ストップ! 大事なこと、見落としてない?」と優しく問いかけてくれます。

心がモヤモヤした時、自分の子育てに自信がなくなった時、子どもたちの研ぎ澄まされた感性に触れる事で肩の力が抜ける1冊です。

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juniwa(ジュニワ)

娘との読み聞かせをきっかけに、絵本の魅力にどっぷりハマっています。
子どもも大人も楽しめる、心に響く絵本を日々探しています。
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