『きょうはなんのひ?』|絵本の感想|ひらがなの手紙の中に隠された優しい贈り物|瀬田貞二・林明子

親子のあたたかい“やりとり”が心にしみる絵本

🔍こんな人におすすめ!

👧 子どもへ

まみこの仕掛ける宝探しのような手紙のやり取りは、子どもたちの想像力を刺激し、ワクワク感を与えてくれます。

👩‍👧 親御さんへ

日常の中で子どもが見せる思いやりやサプライズに気づくきっかけとなり、親子の絆を深める一冊です。

🏫 教育現場の方へ

子どもたちの言葉遊びや推理力を育む教材としてもおすすめです。

🧑‍🎓 大人の方へ

子どもの頃の純粋な気持ちや家族との思い出を呼び起こし、心温まります。

📖本に関する基本情報

  • 📖 タイトル:きょうはなんのひ?
  • ✍️ 作者:瀬田貞二(文)/林明子(絵)
  • 🏢 出版社:福音館書店
  • 🎯 対象年齢:4歳ごろ〜小学校低学年
  • 🌱 育まれる心の種:
    • 思いやり・やさしさ
    • 想像力とことばのセンス
    • 家族との心のつながり

まみこの“仕掛けたサプライズ”を通して、言葉のやり取りだけでなく、気持ちを伝えることのあたたかさも学べる一冊です。
林明子さんの描く、日常のやわらかい光も見どころですよ。

📚あらすじ

朝、学校へ行くまみこが、出がけにお母さんへこんな言葉を残します。
「きょうはなんのひだか、しってるの?……しらなきゃ かいだん3だんめ」

不思議に思ったお母さんが階段を見てみると、そこには赤いひもで結ばれた手紙が。
「ケーキのはこをごらんなさい」と書かれたその手紙をきっかけに、次から次へと現れる“謎の手紙”たち。

まるで宝探しのような仕掛けに導かれながら、お母さんはまみこの気持ちに少しずつ触れていきます。

最後にお母さんが見つけた“答え”とは?
そして、「きょうはなんのひ?」という問いにこめられていた、まみこの思いとは――

親子の間に流れる、あたたかい気持ちが静かに伝わってくる一冊です。

📚 えほん深掘りトーク

※以下の感想では、物語の展開について詳しく触れています。

ミドリ
ミドリ

皆さん、こんにちは!『今日は何読もう?』の時間です。今回は、秋の気配が感じられるお家で繰り広げられる、家族の愛とあたたかい宝探しを描いた、瀬田貞二さんと林明子さんの名作『きょうはなんのひ?』(福音館書店/1979年)をご紹介します。

パパ
パパ

あぁ、『きょうはなんのひ?』、僕も子どもの頃に読んだけど、まみこちゃんの仕掛けが本当に見事なんだ。

はる
はる

表紙の女の子、パパの上着のポケットをのぞいてるね。宝探しみたい!学校でも手紙交換とかするけど、家の中で謎解きなんて楽しそう!

アイシ
アイシ

へい、おあとがよろしいようで。手紙ときやしょうか、謎解きときやしょうか。こいつは一本とられたねぃ。粋な仕掛けでございます。

ギブ
ギブ

ほほう、サプライズってワケか。親を家中引きずり回すとは、なかなかロックな仕掛けじゃねえか。そのソウル、嫌いじゃないぜ。

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Scene 1 — お母さん、家中を探し回る

ミドリ
ミドリ

お母さん、まみこちゃんの手紙に導かれて、家中をあちこち移動していましたね。家事の合間に、本当に大変そうでした。

パパ
パパ

あの手紙のリレーは、まるで壮大なアドベンチャーゲームのクエストみたいだ。

はる
はる

えー、でもお母さん、洗濯物持ったりしてたから大変そうじゃん。私だったら途中で『もう、まとめて教えて!』って言っちゃうかも。

ギブ
ギブ

チッ、効率の話じゃねえんだよ。このプロセス自体がグルーヴを生んでるんだぜ。合理的すぎるとロックじゃねえ。

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Scene 2 —  ピアノと謎のヒント

ミドリ
ミドリ

ピアノの場面も素敵でした。忙しい合間に、まみこちゃんの好きな『キラキラぼし』を弾くお母さんの優しさが、家族の温かさを感じさせます。

はる
はる

でもさ、一番わかんなくてイライラしそうなヒントが『じょうさし』ってやつ! あそこ、普通気づかないって!

アイシ
アイシ

いやはや、盲点とはこのことだねぃ。灯台下暗し、カエルの目にも水見えず、ってな。毎日使うところほど、案外見えてないもんだ。

ギブ
ギブ

『めったに きがつかないところ そのくせ きまって つかうところ』 か…。なかなか禅問答みてえなヒントだ。悪くねえセンスだぜ。

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Scene 3 — 連鎖する手紙と謎の最終ヒント

ミドリ
ミドリ

謎解きが続く中で、お母さんは一つ見つけると次の場所へ、と家の中を駆け巡りました。まみこちゃんの手紙には、お母さんを飽きさせない仕掛けの連鎖がありましたね。

パパ
パパ

そうそう、あの連鎖が楽しいんだ。次から次へとヒントが飛び出す展開は、まるでSF映画の『タイムループからの脱出』みたいで、読者も一緒にワクワクさせられるよ。

はる
はる

でもさ、ケーキの箱の中とか、傘立ての中とか、ヒントの場所がバラバラじゃん。私だったらマップ作ってあげるのに。

ギブ
ギブ

チッ、非効率こそ日常のグルーヴって話だぜ。サプライズってのは、予測不能な動きの中にこそソウルが宿る。マニュアル通りじゃ、ロックじゃねえ。

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Scene 4 — お父さんへの電話と最高のプレゼント

ミドリ
ミドリ

そして最後、お母さんは上着のポケットに隠された手紙を探すため、お父さんに電話をかけます。手紙には『おせわさま』とありましたね。

パパ
パパ

お父さんが手紙を読んだ後、笑ってたのが印象的だ。自分もサプライズの一部に組み込まれていた驚きと喜びだよね。これは家族で共有した最高のミッションだ。

はる
はる

犬! いいなー!あんな可愛いプレゼント最高じゃん!手紙の宝探しも、最後が犬ならいくらでも頑張れる!

アイシ
アイシ

こいつはたまげた。籠の中からワンワンとは、まるで玉手箱ならぬ、ワン手箱だねぃ。ケロケロ。まみこちゃん、一本お見事。

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Scene 5 — まみこちゃんの愛が詰まった贈り物

ミドリ
ミドリ

謎解きが終わり、夕食後に家族が揃ったところで、今度はまみこちゃんから両親への秘密のプレゼントが渡されます。これも赤いひもで結ばれていましたね。

パパ
パパ

そう、まみこちゃんが一生懸命作った小さな折り紙の箱が、いくつも入れ子になって出てきたんだ。あの凝りようは、本当に手間暇かかってるのが伝わってきたよ。

はる
はる

折り紙の箱、すごく可愛かった!ちっちゃい箱が十個も出てくるって、まみこちゃん、どれだけ頑張って作ったんだろう?私、そんなに細かい作業、無理だなー。

ギブ
ギブ

十個の箱に愛を込めたってワケか。数で勝負する姿勢、悪くねえ。形式じゃねえ、そのソウルがロックだぜ。

アイシ
アイシ

へい、おあとがよろしいようで。かくいうまみこちゃん、実は最後の最後に忍ばせていたんだねぃ。ケロっと、最高のサプライズでございました。


まとめ

ミドリ
ミドリ

『きょうはなんのひ?』、本当に心温まる物語でした。家族がお互いを思いやる気持ちが、素敵な宝探しになっていましたね。

パパ
パパ

うん、お金をかけるんじゃなくて、こうやって手間とアイデアで楽しませるって、一番の贅沢かもしれない。うちでもやってみたいな。

はる
はる

わたしもやりたい!でも、犬はパパが用意してよね!

アイシ
アイシ

へい。家族の絆ってやつぁ、手紙一枚、ワンコ一匹で、こーんなに温かくなるもんだ。こいつはまさしく、愛の『おすそ分け』でございますな。

ギブ
ギブ

フン。家族みんなで対バンサプライズとは、なかなかロックな一日だったぜ。日常に潜むソウル、しっかり感じ取れよな。

ミドリ
ミドリ

次回もまた、皆さんの心に響く一冊をご紹介しますので、どうぞお楽しみに! それではまた〈今日は何読もう?〉でお会いしましょう!

✨心に残った言葉、場面✨

しーらないの、しらないの?きょうはなんのひ しらないの?きのついたじをかさねてごらん。てがみのなかのきのついたとこよ

ーこいぬにほおずりしたままでまみこが歌い出す場面

juniwa
juniwa

読んでいて、まみこがたまらなく、かわいすぎました。

“伝えたいことがあるけど、まっすぐ言うのはちょっと恥ずかしい”

そんな気持ち、子どもって持ってるんですよね。

だから、あえてヒントだけを残して、後はお父さん、お母さんに考えてもらう。

しかも「きのついたじをかさねてごらん」って、しかけまであるんだから…まみこ、やるなあ。

うちの子にも仕掛けられたい!なんて思っちゃいました。

📝ちょっと深掘り!

✍️ 作者・瀬田貞二さんについて

瀬田貞二さんは、児童文学の世界で長く愛されている作家さんです。
物語を“ただのお話”ではなく、“ことばの力で心に届ける”ことにこだわった人。
『ナルニア国物語』『指輪物語』などの名翻訳者としても知られていて、ことばの美しさ、余韻、やわらかさに定評があります。

この『きょうはなんのひ?』でも、子どもの声やリズムが自然に響いてくるのは、瀬田さんの“ことばへのまなざし”が生きているからこそかもしれません。

🖌 絵を描いた林明子さん

林明子さんといえば、『はじめてのおつかい』『こんとあき』などでおなじみの大人気絵本作家さん。
子どもの一瞬の表情やしぐさを、そっとすくい取るようなやさしいタッチが魅力です。

この作品でも、まみこの真剣な顔、うれしそうな顔、お母さんのちょっと困ったような顔が、セリフ以上に感情を伝えてくれます。
言葉と絵がぴたりと寄り添っているのが、この絵本の心地よさでもあります。

絵本の感想

あたりまえみたいに過ぎていく日常の中で、誰かがこっそり、自分のことを想ってくれていたとふいに気づく瞬間。それは、ほんのすこし泣きたくなるくらい、心が震えるほど、うれしいものです。

「きょうはなんのひ?」って言葉に、まみこの気持ちがじわじわと近づいてくるたび、その静かなサプライズに胸がいっぱいになります。

文字になった優しさって、なんて静かで、なんて力強いんだろう。

子どもって、私たち大人が思うよりずっと、人の気持ちに敏感で、まっすぐ。そして気持ちを伝えるための方法をちゃんと知ってるんだなって改めて気づかされる温かい一冊です。

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✍️この記事を書いた人

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juniwa(ジュニワ)

娘との読み聞かせをきっかけに、絵本の魅力にどっぷりハマっています。
子どもも大人も楽しめる、心に響く絵本を日々探しています。
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