『ビロードのうさぎ』酒井駒子|絵本の感想|子どもに愛されたぬいぐるみの奇跡

愛されたおもちゃが“ほんとう”になるとき

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🔍 こんな人におすすめ!

🌱 お子さんへ

「おもちゃはしゃべらないけれど、心があるかもしれない」――そんな想像がふくらむ子どもにぴったり。お気に入りのぬいぐるみをギュッと抱きしめたくなる1冊です。

👨‍👩‍👧‍👦 親や祖父母の方へ

子どもが大切にしているおもちゃの姿に、ふと我が子や孫の成長を重ねたくなるはず。

📚 先生や保育士の方へ

物の大切さや愛着を育む読書時間に最適です。感情移入がしやすく、子どもたちの想像力や共感力を引き出してくれるストーリー。

🌍 すべての人へ

「ほんとうになる」とはどういうことか――。大人にも深く響くテーマ、自分の記憶と重ねながら読むことができます。


本の基本情報

📚タイトル: ビロードのうさぎ

✍️原作: マージェリィ・W・ビアンコ

🖼️絵・抄訳: 酒井駒子

🏢出版社: ブロンズ新社

🎯対象年齢: 小学校低学年~大人

1922年に誕生した不朽の名作『ビロードのうさぎ』。酒井駒子さんの美しい絵とともに、愛されることでかけがえのないものになることの意味を静かに、そして深く描く一冊です。

🌱育まれる心の種

愛情、絆、思い出の大切さ、ものを大事にする心

あらすじ

少年に愛されたビロードのうさぎは、最初はただのおもちゃでした。でも、少年と一緒に過ごすうちに、「ほんとうのうさぎになりたい」と願うようになります。やがてうさぎは、段々とボロボロにすりきれてしまいますが、それでも少年の「一番のお友達」であり続けます。しかし、病気になった少年のため、うさぎは捨てられてしまうことに…。

📚 えほん深掘りトーク

※以下の感想では、物語の展開について詳しく触れています。

ミドリ
ミドリ

皆さん、こんにちは!『今日は何読もう?』の時間です。今回は、「ほんもの」とは何かを問いかける、うさぎとおもちゃを描いたマージェリィ・W・ビアンコさん原作、酒井駒子さん絵・抄訳の切なくもあたたかい絵本『ビロードのうさぎ』(ブロンズ新社/2007年)をご紹介します。

パパ
パパ

酒井駒子さんの絵、この陰影と質感、たまりませんね…。まるで光と闇のコントラストが印象派の絵画のようで…

はる
はる

表紙のうさぎ、かわいいけど最初ちょっと暗い場所にいるね 。クリスマスプレゼントなのに、なんで?

アイシ
アイシ

へい、お立ち会い。こいつぁ『ビロード』ってぇくらいですから、手触りは極上なんでしょうが、どうやらこのうさぎさん、一筋縄ではいかない運命(さだめ)を背負ってるようで…いやはや、世の中ってのはねぇ…。

ギブ
ギブ

フン。ビロードだろうが木綿だろうが、ソウルがなけりゃ意味がねえ。こいつにロックはあんのか?って話だ。

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Scene 1 — 「ほんもの」ってなんだろう

ミドリ
ミドリ

賢いウマのおもちゃが語る『ほんもの』の定義 、深く考えさせられますね。

パパ
パパ

『ながいあいだ 子どものほんとうのともだちになった おもちゃが なるものなのだ』 …。使い込まれた道具に魂が宿る、みたいな…『付喪神(つくもがみ)』の概念にも通じますね。

はる
はる

ふーん。でも、ボロボロになったら『ほんもの』 って、じゃあピカピカの新しいおもちゃは『にせもの』ってこと?

ギブ
ギブ

はる、そいつはスクエア(堅苦しい)な考えだぜ。大事なのは見た目じゃねえ。どれだけソウルをぶつけ合ったか、だ。

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Scene 2 —  男の子の「ほんとうのうさぎ」

ミドリ
ミドリ

お手伝いのナナに『このボロうさぎときたら』 と言われた時、男の子が叫ぶシーン が印象的です。

パパ
パパ

『この子はおもちゃじゃないの、ほんとうのうさぎなの』 って。あの瞬間、うさぎは本当に『ほんもの』になったんだなぁ…。

はる
はる

うれしかっただろうね 。でもさ、おもちゃはおもちゃじゃない? なんで『ほんとうのうさぎ』って言ったんだろ。

アイシ
アイシ

へい。そいつぁ、粋(いき)ってもんですよ、はるさん。理屈じゃねえ、心がそう呼んでるって寸法さ。

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Scene 3 — 野うさぎたちとの出会い

ミドリ
ミドリ

森で出会った本物の野うさぎたち は、また違う『ほんもの』の象徴でしたね。

パパ
パパ

ビロードのうさぎが、彼らのように動けないのが切なくて 。『君の名は。』で違う世界の住人が出会うシーンのような、もどかしさ…!

はる
はる

パパの例えはよくわかんないけど… 。『うさぎじゃない』って言われたのは可哀想だった 。

ギブ
ギブ

チッ。あいつら(野うさぎ)はワイルドだが、まだ分かっちゃいねえ。こいつ(ビロードのうさぎ)こそが『ほんもの』だってのによ 。

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Scene 4 — 避けられない別れ

ミドリ
ミドリ

そして、男の子が病気になり 、物語は大きな転機を迎えます。

パパ
パパ

うさぎを『やいてしまいなさい』 って…衛生上仕方ないとはいえ、あまりにも…!

ギブ
ギブ

…(チッ)…最低のグルーヴだぜ、その展開は。ロックじゃねえ。

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Scene 5 —涙から生まれた奇跡

ミドリ
ミドリ

うさぎが流した『ほんとうのなみだ』 が、奇跡を起こします。

パパ
パパ

あの涙からようせいが出てくるシーン 、酒井駒子さんの絵がまた幻想的で…!

はる
はる

『魔法で解決しました』って…結局それかーい! まあ、でも…よかったね。

アイシ
アイシ

いやはや、お見事。涙一粒(ひとつぶ)から花が咲き、ようせい様のご登場 。これぞ千両役者、”子どもべやのようせい” の大一番(おおいちばん)でございます。

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Scene6 — 新しい「ほんもの」へ

ミドリ
ミドリ

ようせいは、うさぎを『だれもがあなたを ほんとうのうさぎにみえるようにしてあげる』 と言ってくれました。

パパ
パパ

ぼうやにとっての『ほんもの』から、世界にとっての『ほんもの』になる。これは…『トイ・ストーリー』のウッディがアンディからボニーへ渡る、あの継承にも似た感動が…!

はる
はる

…全然違くない?

ギブ
ギブ

フン。どっちの世界だろうが、あいつはあいつだ。ビロードだった頃のソウルを忘れてねえだろ、最後のシーン でよ。


まとめ

ミドリ
ミドリ

『ビロードのうさぎ』、愛されることによって「ほんもの」になったうさぎと男の子の、切なくも美しい物語でした 。

パパ
パパ

子どもが今、夢中になっているおもちゃやお人形…ボロボロになっても、それが『ほんもの』になった証拠として、大切に見守りたいですね。

はる
はる

うさぎ、最後は野うさぎになれてよかった 。ぼうやも、森で会えてよかったね 。

アイシ
アイシ

へい。愛されて、泣いて 、ほんものになる 。これぞ、うさぎ一世一代の大舞台。ケロっと忘れるどころか、一生忘れられない一席でございました。

ギブ
ギブ

フン。ビロードだろうが毛皮だろうが、あいつは最高のロック・ラビットだ。ソウルでぶつかった証 が、あいつを『ほんもの』にしたんだぜ。

ミドリ
ミドリ

はい、次回もまた、皆さんの心に響く一冊をご紹介しますので、どうぞお楽しみに! それではまた〈今日は何読もう?〉でお会いしましょう!

✨心に残った言葉、場面✨

「ただあそぶだけではなく、こころからたいせつにおもわれたおもちゃはほんとうのものになる。たとえそのころにはふるくなってボロボロになっていたとしてもね。おまえさんだってそうなるかもしれないよ。子どもべやにはときどきまほうがおこるものなのだ」

ーウマのおもちゃが優しくうさぎに言ってくれた場面

juniwa
juniwa

この言葉は、『ビロードのうさぎ』の中でも特に心に残る名場面のひとつですね。

長い時間をかけて愛され、絆が深まることで「ほんもの」になっていく。それはおもちゃでも、人とのつながりでも、同じことが言えるかもしれませんね。

そして、「子どもべやにはときどきまほうがおこるものなのだ」というのも素敵なフレーズですよね。子どもが大事にしているぬいぐるみやおもちゃって、ただの物じゃなくて、彼らにとってはかけがえのない「友だち」になっている。そんな瞬間に、きっと子供部屋の魔法は生まれるんだろうなと思います。

📝ちょっと深掘り!

🟢 『ビロードのうさぎ』とは?

『ビロードのうさぎ』は、1922年にイギリスの作家マージェリィ・ウィリアムズによって書かれた児童文学作品です。原題は『The Velveteen Rabbit』で、長年にわたり世界中で愛され続けています。日本では、1953年に石井桃子さんの翻訳で初めて紹介され、その後、2007年には酒井駒子さんが抄訳とイラストを手がけたバージョンが出版され、多くの読者の心を捉えています。

🟢 酒井駒子さんによる新たな解釈

2007年に出版された酒井駒子さんのバージョンでは、原作のエッセンスを凝縮した抄訳と、繊細で温かみのあるイラストが特徴です。酒井さんは、原作のウィリアム・ニコルソンのイラストに魅了され、自身の解釈で新たな『ビロードのうさぎ』を生み出しました。

彼女はインタビューで、「子ども部屋の魔法のお話」という編集者の言葉にインスピレーションを受け、絵本としての構成を練り上げたと語っています。

🟢 作品のテーマ

『ビロードのうさぎ』は、「本物とは何か」という深いテーマを持つ物語です。外見や価値ではなく、誰かに心から愛され、大切にされることで初めて「本物」になれるというメッセージが込められています。この普遍的なテーマは、子どもだけでなく大人の心にも響き、多くの人々に感動を与え続けています。

📚 参考: 朝日新聞デジタル – 酒井駒子インタビュー

絵本の感想

子どもの頃、父親が何かの景品でもらってきてくれた牛のぬいぐるみが、いつも一緒じゃないとダメ、という謎のこだわりがありました。もうすっかりよだれで本来の白色が灰色になってしまっているのに、それじゃないと落ち着かない。大人から見たらただの古いぬいぐるみですが、当時の私にとってはそれが、まさに「本もの」の安心感だったんですね。

この『ビロードのうさぎ』を読んで、あの牛のぬいぐるみのことをふと思い出しました。 愛されることでボロボロになり、それだけたくさんの愛を受け取ったんだなと、今はそう思えます。

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✍️この記事を書いた人

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juniwa(ジュニワ)

娘との読み聞かせをきっかけに、絵本の魅力にどっぷりハマっています。
子どもも大人も楽しめる、心に響く絵本を日々探しています。
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