シリーズで描かれる“ともだちっていいな”のかたち

🔍こんな人におすすめ!
子どもから大人まで、誰もが経験する「仲良しだからこそ起こる衝突」と、その後の「仲直りの温かさ」を深く考えさせてくれる一冊です。
🌱 お子さんへ:
お友達とケンカしちゃってモヤモヤする時、シロちゃんとハリちゃんの物語が、どう仲直りできるかを優しく教えてくれます。気持ちを言葉にするヒントにもなりますよ。
👨👩👧👦 親や祖父母の方へ:
「うちの子たちみたい」と思える日常のケンカから、ほっこり心温まる結末へ。小さな衝突の裏にある“思いやり”や“許すこと”の大切さに気づかされます。
📚 先生や保育士の方へ:
友だちとのケンカや仲直りを描いたこの絵本は、感情表現や共感力を育てる教材にぴったり。読み聞かせや話し合いの導入にもおすすめです。
🌍 すべての人へ:
仲良しでもケンカはするもの。この物語は「ごめんね」が言えない時や、素直になれない気持ちにそっと寄り添ってくれる、大人にも響く一冊です。
💭 この本を読むきっかけ

今日も暑いねえ…。おやつにアイスキャンディー食べたいなあ。

いいねえアイスキャンディー、食べよう!

冷凍庫を開けてっと…あっアイスキャンディ1本しかない。

わたし、まだそんなに食べていないからそれは私のだ。

ボクもそんなに食べていないよ。だからこのアイスキャンディはボクんだよ。

私のだよ!

ボクのだよ!

ちょっと待った! アイス一本でケンカしないの。
そうだ、まさに“アイスの取り合い”で始まる絵本があるんだ。
『しろちゃんとはりちゃん なつのいちにち』を読んで、仲直りのヒントを探してみようか。
📘 本に関する基本情報
📖 書名:しろちゃんとはりちゃん なつのいちにち
✍️ 作/絵:たしろちさと
🏢 出版社:ひかりのくに
🎯 対象年齢:4歳〜
🌱 育まれる心の種:友情・思いやり・仲直りする勇気
📚 内容紹介
出版社公式紹介より:
仲良しな2人がけんかをしてしまい…。 2人のすれ違いが もどかしくって ほほえましい。 最後の1本になったアイスをめぐって大げんか。でも一人で遊んでもつまらなくって互いを探しますがすれ違いでなかなか出会えず…。
📚 えほん深掘りトーク
※以下の感想では、物語の展開について詳しく触れています。
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Scene 1 — 仲良し二人の夏休み

今回は『しろちゃんとはりちゃん なつのいちにち』を深掘りしていきます。白いうさぎのシロちゃんと、ハリネズミのハリちゃんは森で仲良く暮らす大親友。ひまわり畑に虫捕り、水遊び……まさに夏休みを満喫している様子が描かれていますね。

うんうん、浮き輪でぷかぷかしたり、うちわであおぎ合ったり……ふたりの関係がとってもあたたかくて、見てるだけでこちらも笑顔になっちゃうよね。

うんうん!水遊びも虫とりも、ぜーんぶ楽しそう!
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Scene 2 — 突然のアイス騒動

そんな仲良しのふたりに、ある事件が起きます。テレビを見ながらアイスキャンディーが食べたくなって、冷蔵庫を開けたら……なんと、一本だけ!

で、「ぼくのだ!」「いや、ぼくのだ!」って、急に大げんかになっちゃうんだよね。たった一本のアイスだけど、譲れなくなる気持ちってあるあるなんだよなぁ。

まさにさっきのボクとはるだ。
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Scene 3 — 一人ぼっちの寂しさ

ケンカの末、「もうあそばない!」と別れてしまう二人。シロちゃんは滝つぼへ、ハリちゃんはひまわり畑へ。でも一人では、どこに行っても楽しくないんですよね。

そう。ふたりとも、離れてみて初めて「一緒にいるって、こんなに嬉しいことだったんだ」って気づくんだよね。

わたしも、ここちゃんとケンカしたとき、一人で遊んでも全然楽しくなかったよ。
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Scene 5 — 怒りの奥にある心配

印象的なのは、ハリちゃんが「怒っているのに」、シロちゃんがお弁当を持たずに出かけたことを心配する場面です。

「怒ってるけど、心配」って感情、すごくリアルですよね。こういう“気づかい”が、仲直りへの第一歩になるんだよなあ。
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Scene 6 — 探して、ようやくの再会

二人はそれぞれ相手を探しはじめます。でもなかなか見つからなくて……シロちゃんが涙ぐむ場面は、怒りより不安が勝ってきた心の動きを感じますね。

そしてついに再会!ハリちゃんが「あちこち探したよシロちゃん」って走ってくるところ、本当にホッとするよね。

よかった〜!ふたりとも会えて、ほんと安心した〜!
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Scene 7 — にんじんと、心からの「ごめんね」

ハリちゃんが、シロちゃんのためににんじんを持ってきた場面も素敵でしたよね。言葉だけじゃなくて、行動で「思いやり」を伝えるのって、すごく大事です。

そしてふたりの「ごめんよ」「ぼく、おなかぺこぺこだったんだ」ってやりとりが、ほんとに心に沁みるよね。アイスを最後に仲良く半分こにして食べるシーンは、ふたりの成長の証なんだと思うな。

わたしも、ちゃんとはんぶんこにしようかな。
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まとめ

『しろちゃんとはりちゃん なつのいちにち』は、仲良し同士でも時にはぶつかる。でも、心の奥にはちゃんと相手を想う気持ちがあって、それが“ごめんね”につながっていくんだって気づかせてくれる絵本です。ケンカのあとこそ、大事なのは“素直な気持ち”と“行動”ですね。

アイシ、さっきアイス1本で本気のケンカしちゃったけど、「半分こでいいじゃん!」って思えたよ。一緒に食べようね!

うん、ケンカしないで、半分こだ!はい、こっちがはるの分。

あ、ずるいアイシの方が大きい!半分こになっていない!

そんなことないよ!ちゃんと半分こにしたもん!

やれやれ
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✨心に残った言葉、場面✨
「しろちゃん おべんとうもっていかなかったでしょ。にんじんばたけでにんじんとってきたよ。」
「ありがとう、はりちゃん。ぼく、おなかぺこぺこだったんだ。」
ーお弁当を持っていなかったしろちゃんのために、はりちゃんがニンジンを持ってきてくれた再会の場面

言葉より先に差し出されたニンジンは、ハリちゃんの「ごめんね」と「心配してたよ」を丸ごと包んだ優しさのかたまり。
涙ぐむシロちゃんが、うれしそうに口の周りへオレンジ色の食べかすをつけて頬張る姿が胸に染みます。
行動で示す思いやりが、どんな言葉よりも心を動かすことを感じた一場面でした。
📝ちょっと深掘り!
たしろちさとさん(東京都生まれ)は、経済学部卒・会社員4年を経て絵本の道へ──という異色の経歴を持つ絵本作家/イラストレーターです。
2001年のデビュー作『みんなの家』(福音館書店)で温かなタッチが注目され、2003年には単行本デビュー作『ぼくはカメレオン(Chameleon’s Colors)』が世界7か国語で同時出版。以降も『5ひきのすてきなねずみ ひっこしだいさくせん』で日本絵本賞、『ぼく うまれるよ』でBIBブラティスラヴァ世界絵本原画展入選と、国内外で評価を高めてきました。
たしろさんの強みは、やさしい色彩と繊細な感情表現。「子どもの胸に灯る小さな“ゆらぎ”をすくい上げる」ことに長けており、保育・教育現場でも支持されています。
好きなものは動物やおいしい食べ物、そして散歩とミステリー。そうした“作者の好き”がページの隅々に息づき、読者は自然に絵本の中の世界を歩いている気分に。
そして《しろちゃんとはりちゃん》シリーズでは、ケンカと仲直りを通して「心の奥にあるものをそっと描く」力量が存分に発揮されています。夏の夕立のように強く揺れて、すぐ晴れる――そんな子どもたちの感情を、丁寧に、あたたかく包み込むのが、たしろちさとさんの魅力です。
juniwaのひとりごと
最後のアイスをめぐる小さなケンカ。
大人になった今でも、心の片隅で「これは自分のだ!」とムキになる瞬間、案外あります。
でも、誰かと“半分こ”した時のほっとする甘さは、一人で食べきるよりずっと深い。
喧嘩も、仲直りも、ぜんぶまとめて“思い出の味”。
冷凍庫にアイスを常備しておくより、“分け合える相手”を大切にしないとなあ、なんて思った夏の午後でした。
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✍️この記事を書いた人


juniwa(ジュニワ)
娘との読み聞かせをきっかけに、絵本の魅力にどっぷりハマっています。
子どもも大人も楽しめる、心に響く絵本を日々探しています。
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