肉食恐竜が、草食恐竜の「お父さん」に!? 大人も泣ける名作絵本
🔍 こんな人におすすめ!
『おまえ うまそうだな』ってどんな本?
ティラノサウルスが、小さな恐竜に向かって言った一言。
「おまえ うまそうだな」——。
食べられてしまう…!? と思いきや、そこから始まるのは まさかの親子のような時間。
強さと優しさの意味を教えてくれる、感動の物語。
🌱 親子の絆や思いやりを感じてほしいお子さんへ
強いティラノサウルスと小さな恐竜の不思議な関係。食べる側・食べられる側…そんな関係を超えた、特別なつながりに読み終わる頃には心がじんわり温かくなっているはず。
👨👩👧👦 親や祖父母の方へ
「本当の親じゃなくても、愛情ってこんなに深まるんだな」と、育てることの尊さに気づかされるかもしれません。
📚 先生や保育士の方へ
「ティラノサウルスはなぜウマソウを食べなかったの?」「本当の親子じゃなくても、大切な存在になれる?」読み聞かせの後に子どもに問いかける事で、優しさや愛情、家族の形について考えるきっかけになりそうです。
💡 「強くならなきゃ!」と頑張りすぎる方へ
「強くなければいけない」と思うこと、ありますよね?でも、本当の強さって、相手を思いやることの中にもあるのかも。読んだあと、きっと 「大切な人を守りたい」という気持ち が生まれるはず。
📖 「おまえ うまそうだな」——この言葉の意味が、最後にはまるで違うものに。
涙なしでは読めない、心に残る絵本です。
📖本に関する基本情報
- 📖 タイトル: おまえ うまそうだな
- ✍️ 作者: 宮西達也
- 🏢 出版社: ポプラ社
- 🎯 対象年齢: 3歳~小学生
- 🌱 育まれる心の種: 愛情、親子の絆、本当の強さ
- 本の概要: 大きくて恐ろしいティラノサウルスに出会った、生まれたばかりの赤ちゃん恐竜。 なんとこの赤ちゃんは、ティラノサウルスを「おとうさーん!」と呼び、すっかり懐いてしまいます。 そんなつもりはなかったティラノサウルスですが、次第にお父さんのように振る舞うことに…。 最初はとまどいながらも、赤ちゃん恐竜との関わりを通して、彼の心に変化が生まれていきます。
📚 内容紹介
大きなおそろしいティラノサウルスにであったうまれたてのあかちゃんきょうりゅうは、ティラノサウルスをパパだと思いこんでしまいます。「パパ!」とよばれてついパパになりきってしまう大きなきょうりゅう。大きなきょうりゅうのとまどうすがたがおもしろく、あかちゃんきょうりゅうの純粋さがかわいい絵本です。
*ポプラ社公式サイトより
📚 えほん深掘りトーク
※以下の感想では、物語の展開について詳しく触れています。

皆さん、こんにちは!『今日は何読もう?』の時間です。今回は、恐竜たちの世界で描かれる【親子】の【愛】と【やさしさ】を描いた、宮西達也さんのほろ苦くも、あたたかい絵本『おまえうまそうだな』(ポプラ社/2003年)をご紹介します。

お、『おまえうまそうだな』!これ、アニメ映画にもなりましたよね。このティラノサウルスシリーズ、一見ほのぼのした絵柄ですけど、ストーリーが僕ら世代(1979年生まれ)の涙腺にガツンとくるんですよ…。さっそく読んでいきましょう!

わー!ティラノサウルスだ!かっこいい!でも、ちいさいのもいるね。

へい、らっしゃい。こいつは景気のいいお名前だ。腹が減ってる時に出会ったら、そりゃあ『うまそうだな』って寸法ですぜ。

フン。食うか食われるか、それがこの世のグルーヴ(摂理)だ。だが、このタイトル…ただごとじゃねえソウルを感じるぜ。
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Scene 1 — 究極の勘違い

まさか『おまえうまそうだな』が『ウマソウ』という名前に聞こえるなんて、すごい勘違いから始まりましたね。

いやあ、ティラノサウルスも『なんで、おれさまが お、おとうさんだってわかったんだ?』って動揺してますからね。人生、何が起こるか分からない。

よかったね!食べられなくて!でもウマソウ、全く似ていないのに、なんでわかんないの?

チッ。ガキってのはピュアだからな。刷り込みってやつだ。だが、その勘違いが運命を変える…ロックじゃねえか。
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Scene 2 — 「おれみたいになりたい」

ウマソウが『ぼく、いっぱいたべて、はやく おとうさんみたいになりたい』と言うシーン、ティラノサウルスの心が動いた瞬間でした。

『お、おれみたいに なりたい・・・・・・』って。自分を慕ってくれる存在の重みを、この乱暴者のティラノサウルスが感じ始めたんですよね。

へえ。人(恐竜)はね、誰かに『あなたみたいになりたい』って言われると、まんざらでもなくなっちまう生き物なんですよ。
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Scene 3 — 芽生えた父性

ウマソウがキランタイサウルスに襲われた時、ティラノサウルスはとっさにウマソウを守りました 。

ガブリ!とやられても、痛いのを我慢して 守る。これはもう完全に『父親』の行動ですよ。泣けます。

いたいのに、がまんした!かっこいい!おとうさん!

フン。守るもんができたヤツは強くなる。そんだけの話だ。…しかし、背中の傷より心が痛む 、か。スクエア(堅苦しい)ヤツだと思ってたが、なかなかブルースな夜を過ごしてるじゃねえか。
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Scene 4 — 赤い実のやさしさ

ウマソウも、お父さんのために行動します。あっちの山まで、赤い実を取りに行くんです。

『あんまりくさ、すきじゃないんでしょ』って。健気すぎて…。僕なら『ご当地B級グルメ買ってきたよ!』って感じですけど、命がけですからね。

あかいみ、おいしそう!『ありがとう、ウマソウ。おいしいよ』って、おとうさん、うれしそうだね。
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Scene 5 —望まない強さ

ティラノサウルスは、ウマソウに生きるための技…体当たりやしっぽの使い方、吠え方を教えます。

でも、ウマソウが『ぼくもはやく おとうさんみたいに なりたいなぁ』って言うたびに、ティラノサウルスの心は複雑だったでしょうね。

いやはや、芸事と同じでさ。弟子に全部教えちまったら、後はもう背中を見送るしかねぇ。切ねぇもんですなぁ。
Scene 6 —突然の「おわかれだ」

そしてある夜、ティラノサウルスは『おまえにはもうおしえることがなくなった』と、突然別れを告げます 。

ついにこの時が来てしまいましたね…。ウマソウは『いやだー!ぜったいいやだー!』と泣き叫んで…読んでいて胸が苦しいです。

かわいそう!なんでおわかれしなきゃいけないの!

『ウマソウ、おれみたいになったら だめなんだ』か。最強の恐竜が言うセリフじゃねえな。…だが、それがこいつなりの愛だって話だ。
Scene 7 — 涙の「かけっこ」

泣きじゃくるウマソウに、ティラノサウルスは『あそこのやままで きょうそうしよう』と提案します。『もしおまえがおれにかったら、ずーっといっしょにいてやる』と。

これは…ティラノサウルスがウマソウについた、最初で最後の『やさしい嘘』ですよね。

へえ。こいつは野暮なこった。勝負なんざ、初めからついちゃあいるんですが、信じて走るしかねぇウマソウの背中が、なんとも言えやせん。
Scene 8 — 背中への「さようなら」

ウマソウは、お父さんとずっと一緒にいるために、必死で走っていきました 。でも、ティラノサウルスは…走りませんでした。

ウマソウが見えなくなるまで静かに見送って…。最後に、ウマソウが毎日採ってきてくれた『あかいみ』をひとつ食べて、『さようなら ウマソウ・・・・・・』って。…ダメだ、ここは本当に泣ける。

…チッ。ホコリっぽいぜ、この部屋は。…最後まで見送るのが、あいつのケジメ(ロック)だったってワケか。

勝負に勝った(と思い込んでる)ウマソウと、愛のために勝負を捨てたおとっつぁん。いやはや、こいつぁ、極上の人情噺(恐竜噺?)でございました。
まとめ

『おまえうまそうだな』、いかがでしたか?出会いと別れ、そして種族を超えた愛の形を描いた、深く心に残る一冊でした。

ティラノサウルスの背中が、なんとも言えませんでしたね。子どもが『お父さんみたいになりたい』って言ってくれるうちに、何を教えられるか…真剣に考えちゃいました。

ウマソウ、おとうさんのこと、わすれないでほしいな。

いやはや、これぞ『子はかすがい』ってやつですな。食うか食われるかの仲が、今や断ち切れねぇ絆で結ばれた。お見事な一席でございました。

フン。出会いが別れの始まり、それがロックな人生だ。だが、あいつらの心に刻まれたソウルは消えねえ。…読まなきゃ損だぜ、このグルーヴは。

次回もまた、皆さんの心に響く一冊をご紹介しますので、どうぞお楽しみに! それではまた〈今日は何読もう?〉でお会いしましょう!
✨心に残った言葉、場面✨
「よーし、ぼくまけないよ」ウマソウはなみだをふくとはしりだしました。ぜんそくりょくではしりました。やまにむかってはしりました。「ぼく、おとうさんとずっといっしょにいるんだ!」ウマソウはうしろもみないでどんどんはしっていきました。
ー競走をして勝ったらティラノサウルスと一緒にいれるとウマソウが走り出す場面

私も娘に読み聞かせをしている途中で涙腺が決壊しました(笑)。声が震えて、涙で文字が読めない!
ティラノサウルスの気持ちに感情移入しすぎてしまい、もうどうしようもありません。きっと、父親として読んでいると、「別れが来ることの切なさ」や「大切な存在を守りたい気持ち」が、胸にグッと迫るんですよね。
娘も「別れるのは寂しいこと」というシンプルな気持ちが伝わったようですが、大人のほうが、これまでの経験や思い出と重ねてしまい、より深く心に響く絵本だと感じました。
絵本の感想
『おまえ うまそうだな』は、ただの恐竜の絵本ではなく、親子の絆や、本当の優しさとは何かを考えさせられる感動的な物語でした。
ティラノサウルスは、最初はウマソウを食べるつもりだったのに、あの無邪気でまっすぐな愛情に触れるうちに、次第に「守りたい存在」へと変わっていくんですよね。その変化がとても温かい。
戸惑っていたティラノサウルスが、ウマソウの気持ちに応えるうちに、自然と「父親」としての大きな役割を受け入れていく姿に、読みながら心がじんわりと温まるようでした。
特に、ラストシーンでティラノサウルスが「さよならウマソウ…」と呟きながら赤い実を食べる場面が印象的でした。肉食の彼が、ウマソウが遠くから取ってきてくれたその赤い実を口にすることで、ウマソウの想いをしっかりと受け止めたのでしょう。言葉ではなく行動で示す、深い、深い愛情が、あのシーンに表れていると感じます。
親子で読むのはもちろん、親になってから読むと、より一層その感動が増す絵本。たくさんの方に読んでいただきたい物語です。
📝ちょっと深掘り!
🟢 宮西達也さんの「ティラノサウルスシリーズ」について
本作は、宮西達也さんが手がけた「ティラノサウルスシリーズ」の記念すべき第1作目。シリーズを通じて、「本当の強さとは?」「優しさとは?」というテーマが描かれています。このシリーズは、日本だけでなく、アメリカやフランス、中国や韓国などでも翻訳出版され、世界中で愛されています。特に中国では、2018年時点でシリーズ累計800万部を発行しており、2024年には全世界でシリーズ累計2,500万部を突破しています。
参考:
🟢ミュージカル舞台も!

2024年10月亀有リリオホールの舞台
•参考: 絵本ナビ スタイル
🟢 映画化&アニメ化も。
実は、『おまえ うまそうだな』は2010年にアニメ映画化もされています。気になる方は、ぜひチェックしてみてください!
参考:
✨Amazon、楽天、yahooで手に入れるならこちら✨
📚 Amazonで見る https://amzn.to/4kaTDqO
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✍️この記事を書いた人
juniwa(ジュニワ)
娘との読み聞かせをきっかけに、絵本の魅力にどっぷりハマっています。
子どもも大人も楽しめる、心に響く絵本を日々探しています。
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