『なまえのないねこ』|絵本の感想|「名前」の先にあった、あたたかい「つながり」に気づく一冊

呼ばれることで、つながりが生まれる

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🔍こんな人におすすめ!

🌱 お子さんへ:自分の居場所や個性を探していると感じるお子さんに。

👨‍👩‍👧‍👦 親や祖父母の方へ:名前に込めた想いや、お子さんとの日々の会話を見つめ直すきっかけに。

📚 先生や保育士の方へ:クラスでの“呼び方”を考える導入絵本に。

🌍 すべての人へ:自分自身のアイデンティティや、誰かとのあたたかいつながりについて改めて考える、心の種を育む一冊です。

📘 本に関する基本情報

📖 書名:なまえのないねこ

✍️ 文:竹下文子

🖼️ :町田尚子

🏢 出版社:小峰書店

🎯 対象年齢:5歳〜

🌱 育まれる心の種:自分らしさ、他者とのつながり、自己肯定感

📚 内容紹介

出版社公式紹介より:
八百屋や書店、パン屋、蕎麦屋、喫茶店などの飼い猫たちが、みんな持っている「名前」に憧れている、ひとりぼっちの猫。
ある日、お寺の猫に「自分で好きな名前をつければいいじゃない」と言われ、名前を探すことに。
名前のない猫が見つけた「ほんとうに欲しかったもの」とは?
愛猫家で猫が主人公の作品を多く発表している作家と、同じく愛猫家で猫の絵が人気の画家による猫愛に溢れた絵本。

📝あらすじ

主人公は“なまえ”のない一匹のねこ。商店街を歩けば、レオ、ハイジ、月見、ジュゲム…どのねこも誇らしげに呼ばれている。自分のなまえを求めて、目に映るものを試してみるけれど、しっくりこない。雨の夕方、公園のベンチの下で出会った「ある人」のまなざしと言葉が、ねこの心に新しい灯りをともす。

📚 えほん深掘りトーク

※以下の感想では、物語の展開について詳しく触れています。

ミドリ
ミドリ

皆さん、こんにちは!『今日は何読もう?』の時間です。今回は、名前を探して旅をする猫を描いた竹下文子さん/文、町田尚子さん/絵のあたたかい絵本『なまえのないねこ』(小峰書店)をご紹介します。

パパ
パパ

この表紙の猫ちゃん、じっとこっちを見つめていて、なんだか引き込まれますね。

はる
はる

「なまえのないねこ」っていうタイトル、なんだか寂しそう。

ミドリ
ミドリ

なまえのないねこ、彼の心の動きがこの物語の鍵なんです。さっそく読んでいきましょう!

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Scene 1 — 自分の名前を探す旅

ミドリ
ミドリ

物語の始まりは、猫の『ぼくはねこ。なまえのないねこ。』というシンプルな自己紹介からでしたね。この一文で、猫の孤独な立ち位置が伝わってきます。

パパ
パパ

そうですね。名前がないってことは、誰かとの特別な関係性や居場所がないことを象徴しているように感じます。

アイシ
アイシ

たくさん名前のある猫さんに出会うよね。レオとかチビとか。ボクもカエルと言われるより名前を呼ばれると嬉しいな。

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Scene 2 —  街の猫たちの名前と、その意味

ミドリ
ミドリ

パン屋さんのおそば屋さんの猫、お寺の猫…みんなそれぞれ、飼い主さんからの愛情や、その猫自身の個性、過去が名前によく表れていますよね。

はる
はる

チビが丸々太っているんだけど昔は小さかったって言ってるのが面白いね!

パパ
パパ

どことなくどの猫も安心しているというか自信ありげというか、伝わってくるなあ。

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Scene 3 — 自分探しとアイデンティティ

ミドリ
ミドリ

名前がない猫は「いいな、ぼくもなまえほしいな」と強く願い、自分で名前を探し始めます。看板や矢印を試しますが、どれもピンとこない。

はる
はる

『野良猫』や『汚い猫』って、かわいそうだった。

ミドリ
ミドリ

そうですね。そして彼ははっきりと気づくんです。愛情を持って呼ばれる名前と、一方的に押し付けられるレッテルは違うものなんだと。

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Scene 4 — 孤独から救い出す温かい言葉

パパ
パパ

雨にうたれるシーンは、彼の心の中の絶望感を表しているようでした。そんな中で出会った女の子の『ねえ。おなかすいてるの?』という優しい声が、心に響きますね。

ミドリ
ミドリ

女の子は猫に特定の名前をつけたわけではなく、彼の個性をそのまま受け入れて言葉にした。この瞬間、彼は本当に求めていたものが何だったのか、気づきます。

アイシ
アイシ

女の子を見ている猫、なんだか嬉しそうだったな。

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Scene 5 —心が満たされる瞬間

ミドリ
ミドリ

『ほしかったのは、なまえじゃないんだ。』と気づくシーン。この物語の核心ですね。女の子との出会いで、名前という記号がなくても心が満たされる体験をしたわけです。

はる
はる

なまえを読んでくれる人がいるから嬉しいんだね。

パパ
パパ

そうそう。彼が探していたのは、名前を呼んでくれる誰かとの温かい関係性、自分が誰かの猫であるという所属感や安心感だったんだろうな。

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まとめ

ミドリ
ミドリ

『なまえのないねこ』は、一匹の猫の視点を通して、名前が持つ意味、そしてそれ以上に大切な「つながり」や「認められること」の温かさを深く感じさせてくれる物語でしたね。

パパ
パパ

日常の中で私たちは無意識に名前を呼んだり呼ばれたりしていますが、身近な人やペットの名前について、少し想いを巡らせてみたくなりました。

ミドリ
ミドリ

そうですね。この絵本は、そんな当たり前の中に隠れている温かい関係性のようなものに、ふと気づかせてくれるような力があります。次回も、皆さんの心に残る素敵な絵本をご紹介しますので、どうぞお楽しみに!


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✨心に残った言葉、場面✨

そうだ。わかった。ほしかったのは、なまえじゃないんだ。なまえをよんでくれるひとなんだ。

ー雨の中、公園のベンチの下にうずくまっていた猫に、一人の女の子がそっと語りかける場面

juniwa
juniwa

ほしかったのは「名前」ではなく、こちらを見て名前を呼んでくれるだれか。どんな立派な名前でも、呼ぶ人がいなければ何の意味もない。呼ばれてはじめて、安心できるんだなあと腑に落ちました。

📝ちょっと深掘り!

本作は刊行直後から各種アワードを席巻。第12回MOE絵本屋さん大賞2019で第1位となり、のちに講談社絵本賞、日本絵本賞、未来屋えほん大賞、リブロ絵本大賞などを受賞しています。テーマは普遍的ながら、商店街の空気やねこの眼差しを丹念に描く絵と、ことばの選びが高く評価されました。町田尚子さんは、実際に猫と一緒に暮らしているそうです。名前は「白木」と「さくら」。日々、猫と接している中で感じた、名前があることの喜びや、名前がなくても通じ合える心の機微が、この作品の温かいリアリティにつながっているのかもしれません。

また、絵本を読み終えた後、見返しにたくさんの猫の名前が描かれているページがあります。「アジ」「アワビ」「ジュゲム」など、ユニークで愛情あふれる名前がたくさん。これを見るだけでも、一つひとつの名前の裏にある物語を想像して、心が温かくなります。

絵本の感想

この本を読んで、自分の名前を誰かに呼ばれる時の気持ちを思い出しました。名前は、ただの記号ではなく、その言葉を呼んでくれる人との間に生まれる、温かい関係性の証なのだと感じました。 自分の存在を認めてもらいたい、誰かとつながりたいという願いは、誰もが持っている普遍的な気持ちだと思います。 誰かとのつながりを大切にしたいと改めて気づかせてくれる、そんな一冊でした。

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✍️この記事を書いた人

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juniwa(ジュニワ)

娘との読み聞かせをきっかけに、絵本の魅力にどっぷりハマっています。
子どもも大人も楽しめる、心に響く絵本を日々探しています。
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