『もりのかくれんぼう』|絵本の感想|隠し絵と秋の森が誘う心の冒険

探すワクワク×読後の余韻が続く名作絵本

🔍こんな人におすすめ!

🌱 お子さんへ

「探す」「見つける」楽しさで、好奇心と達成感を育みたいお子さんに

👨‍👩‍👧‍👦 親や祖父母の方へ:子どもの頃の記憶が蘇るようなノスタルジーを味わいたい方に。

📚 先生や保育士の方へ:子どもの内面的な成長や自然への肯定的な気持ちを育む絵本を探している方に。

🌍 すべての人へ:日々の忙しさの中で、心温まる安らぎと発見の喜びに出会いたい方に

📘 本に関する基本情報

📖 書名:もりのかくれんぼう

✍️ 作:末吉暁子

🖼️ :林明子

🏢 出版社:偕成社

🎯 対象年齢:4歳〜

🌱 育まれる心の種:知的好奇心、発見の喜び、自然との一体感、心の成長

📚 内容紹介

出版社公式紹介より:
家へ帰る途中、幼いケイコは見知らぬ森にまよいこみ、動物たちと大好きなかくれんぼをします。抜群に楽しいかくし絵の絵本。

📝あらすじ

けいこはおにいちゃんと競争している途中、一人になってしまいます。生垣をくぐり抜けた先に広がるのは、見開きいっぱいに描かれた「金色に煙ったような秋の森」。

最初は心細さを感じるけいこですが、「怖いかな、怖くない」と自分に言い聞かせながら森を進むうち、誰かの気配を感じ始めます。恵子が呼びかけると、姿は見せないけれど声だけで存在感を示す「かくれんぼう」たちが現れ、けいこは大好きなかくれんぼを動物たちと始めることになります。

📚 えほん深掘りトーク

※以下の感想では、物語の展開について詳しく触れています。

ミドリ
ミドリ

皆さん、こんにちは!『今日は何読もう?』の時間です。今回は、秋の森の動物たちを描いた末吉暁子さん作、林明子さん絵の心温まる絵本『もりのかくれんぼう』(偕成社)をご紹介します。

パパ
パパ

ああ、『もりのかくれんぼう』!これ、子どもの頃に何度も読んだなぁ。あの金色の森が印象的でね。

アイシ
アイシ

かくれんぼうは得意だ!カエルは出てくるかな?

—————————————————————–

Scene 1 — 迷い込んだ森の美しさ

ミドリ
ミドリ

ケイコちゃんが生垣をくぐって入る森の描写が印象的ですね。金色に煙ったような秋の森が、ただ美しいだけでなく、ケイコちゃんの心細さと期待感を同時に映し出しているようです。

パパ
パパ

あの色は暖かさも感じるけど、同時に『日常じゃない特別な場所』って感じがして、一気に引き込まれましたよ。

—————————————————————–

Scene 2 —  不安から冒険への期待

はる
はる

ケイコちゃん『怖いかな、怖くない』って言ってるけど、ドキドキしてるのがわかるね。

ミドリ
ミドリ

ええ。このモノローグは、幼い子どもの不安と未知への好奇心が入り混じった心理を見事に表現しています。単なる迷子ではなく、冒険の始まりを感じさせますね。

—————————————————————–

Scene 3 — かくれんぼうとの出会い

パパ
パパ

そして、姿は見えないけど声だけの『かくれんぼう』が出てくるんですよね。ケイコちゃんが『どこどこ?』って探すのが、もう読者も一緒になって探し始める瞬間でした。

ミドリ
ミドリ

まさにこの絵本の核ですね。出版社も『抜群に楽しいかくし絵の絵本』と紹介しています。読者が能動的に物語に参加する仕掛けが、没入感を高めています。

アイシ
アイシ

かくれんぼうスタートだ!

——————————————————————

Scene 4 — 森の動物たちとの賑やかな交流

はる
はる

クマさんやサルさんたちが一斉に出てくるシーン、すごく賑やかで楽しい。

ミドリ
ミドリ

はい。それまでの静けさとの対比もあって、色彩も豊かで躍動感があります。森が怖い場所じゃない、楽しくて不思議な場所だと伝わってきますね。

—————————————————————-

Scene 5 — 隠し絵の巧妙な仕掛け

ミドリ
ミドリ

林明子さんの絵は本当にすごいですよね。動物たちが木の幹の模様や落ち葉に、驚くほど自然に溶け込んでいます。

アイシ
アイシ

ケイコちゃんよく見つけられるなあ。ぼく全然わかんなかった・・・。

パパ
パパ

動物が出てきたところを覚えておいて前のページに戻って、ようやく見つかるのがやっとだね。

——————————————————————

Scene 6 —自然が与える安心感

ミドリ
ミドリ

迷子になって不安だった森が、いつの間にか安全で安らげる場所に変わっていました。

パパ
パパ

不安から温かい気持ちに着地する構成は、子どもの内面的な成長や自然との豊かな関係性を描いています。世代を超えて愛される理由がわかりますね。

——————————————————————

まとめ

ミドリ
ミドリ

『もりのかくれんぼう』は、秋の森の美しさと、そこで繰り広げられるかくれんぼの楽しさ、そしてケイコちゃんの心の成長を見事に描いた作品です。

パパ
パパ

迷子になる不安から、自然の中での心地よさへと変化していくケイコちゃんの体験は、子どもたちに自然との豊かな触れ合いの喜びを教えてくれますね。

ミドリ
ミドリ

今週も、素敵な絵本との出会いをお届けしました。来週もまた、皆さんの心に響く一冊をご紹介しますので、どうぞお楽しみに!それではまた来週、〈今日は何読もう?〉でお会いしましょう!


🗯️ あなたの声も聞かせてください!

この絵本を読んで「うちもそうだった!」「このセリフが好き!」
そんな“あなたの声”が、次の誰かの「読んでみたい!」につながります。
読んだ絵本について感じたことをぜひ教えてくださいね✍️

✨ 感想を投稿する

InstagramやXでは #今日は何読もう? での投稿も大歓迎📷

✨心に残った言葉、場面✨

でも、かくれんぼうさんは、きっと、いまでも、どこかのもりにかくれているわ。あんなにかくれんぼうがうまいんだもの。

ー物語のラスト、ケイコが森のかくれんぼうを探して団地を見渡す場面

juniwa
juniwa

物語が終わった後にも“かくれんぼう”が森のどこかに生き続けているような余韻を残してくれます。子どもの想像力に寄り添いながら、大人にも「まだどこかに秘密があるのかも」と思わせる不思議な締めくくり。読み終えても、森に足を踏み入れるたびに「もしかして…」と探したくなる言葉です。

📝ちょっと深掘り!

『もりのかくれんぼう』は1978年に福音館書店から刊行されました。作者の林明子さんは、『はじめてのおつかい』『こんとあき』など、子どもの日常や心の機微をやさしい視点で描いてきた絵本作家。緻密な描写力と、子どもの目線に立ったストーリーテリングで、多くの読者に親しまれています。

本作では、主人公の女の子と森で出会う「かくれんぼうさん」という不思議な存在が描かれます。森の草木に溶け込むように隠れる“かくれんぼう”の姿は、林さんならではのリアルで温かい絵に支えられていて、ページをめくるごとに「どこにいるのかな?」と探す楽しさに夢中になります。

1970年代当時、子どもたちに「探す楽しみ」「想像する余白」を与える絵本はまだ多くはなく、遊びの感覚を物語に取り入れたこの作品は新鮮でした。さらに「森のどこかにまだいるかもしれない」という余韻は、読む人の心に“遊びが続いている”感覚を残します。林さんの作品が長く読み継がれる理由のひとつは、この「読後の余白」にあるのかもしれません。

絵本の感想

葉の影、木の模様。うまく隠れた動物を見つけるたび、心の中で小さくガッツポーズ。ラストでふっと現実に戻される感じが少しさびしい。でも、本を閉じても「どこかにいるのかも」と思わせてくれる淡い期待が、日常の景色まで少し楽しくしてくれる。そんな余白を残してくれる終わり方が、たまらなく好き。大好きな一冊です。

この記事が気に入ったら…

この記事が気に入ったら、ぜひフォローやいいねで応援していただけると嬉しいです!

皆さんのおすすめの本や感想もコメント欄でシェアしてくださいね!



📮 感想を投稿してみる

この絵本を読んで「うちもそうだった!」「このセリフが好き!」と思ったら、
ぜひあなたの感想も投稿してみてください✍️

✨ 感想を投稿する

InstagramやXでは #今日は何読もう? での投稿も大歓迎📷

✍️この記事を書いた人

プロフィール背景画像
プロフィール画像

juniwa(ジュニワ)

娘との読み聞かせをきっかけに、絵本の魅力にどっぷりハマっています。
子どもも大人も楽しめる、心に響く絵本を日々探しています。
SNSでも更新情報、トピックを発信中!

👉 X(@JUN_kyounani)
👉 Instagram(@jun_kyounani) 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です