たくさんの家を盗んだ巨人が見つけた、たったひとつの大切なもの
🔍こんな人におすすめ!
『街どろぼう』は、junaidaさんの描く幻想的な世界に、
孤独を抱える巨人の姿を通して、「本当の幸せってなんだろう?」と、大人も子どもも考えさせられる絵本です。
🌱 お子さんへ:
心のつながりややさしさの大切さを感じてほしい時に。
👨👩👧👦 親や祖父母の方へ:
「ひとりでも本当に分かり合える人がいればいい」というメッセージが、大人の心にも響きます。
📚 先生や保育士の方へ:
孤独・友情・つながりといったテーマを子どもたちと考えるきっかけに。
🌍 すべての人へ:
人生における孤独やこころの充足について深く考えたい方へ。
💭 この本を読むきっかけ

パパ、この前ね、学校でみんなと遊んでたんだけど、なんだか私だけポツンとしちゃった時があったの。友達と話が合わなくて…。

みんなの中にいても、寂しいなって気持ちになることってあるある。

うん、それはね大人になってもそんな時あるよ。今日紹介する絵本はまさにそんな巨人の物語『街どろぼう』にしようか。

あ、この間、広島で観たjunaidaさんの展示会で飾ってあった!
📘 本に関する基本情報
📖 書名:街どろぼう
✍️ 作/絵:junaida
🏢 出版社:福音館書店
🎯 対象年齢:6歳〜
🌱 育まれる心の種:やさしさ・共感・想像力・自分を理解する力
📚 内容紹介
出版社公式紹介より:
ほしいものが、あった。
山の上に巨人がひとりきりで住んでいました。ある晩、ふもとの街におりていき、一軒の家をこっそり持ち帰るのですが……。『Michi』『の』『怪物園』のjunaidaが送る、巨人の小さな物語。
📚 えほん深掘りトーク
〜パパとミドリさんが場面ごとに語ります〜
※以下の感想では、物語の展開について詳しく触れています。
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Scene 1 — 山のてっぺんの孤独

物語は、遠い山の上にたった一人で暮らす巨人から始まります。友達も家族もおらず、ずっと寂しい気持ちを抱えていましたね。

はい、そうなんです。誰かと一緒に食事や話ができたらどんなにいいだろう、と願う巨人の姿は、胸に深く響きますよ。
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Scene 2 — はじめての“家”

その寂しさから、巨人はある晩、ふもとの街へ降りていきます。そして、こっそり1軒の家を山へ持ち帰るのですよね。

そうですね。朝には「これからここで一緒に暮らしませんか」と話しかけます。家の家族から親戚の家も頼まれると、快く応じる巨人に優しさを感じますね。
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Scene 3 — 増え続ける“家”

巨人はその後も、親戚の友達の家や、街のお店も次々に山へと運びます。やがて山の上には、たくさんの家でできた賑やかな街が完成しました。

街の人々は喜んで暮らし始め、巨人の周りには多くの人が賑やかにいるようになりました。一見、巨人の願いが叶ったように見えますね。
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Scene 4 — 賑わいの中の孤独

しかし、ここがこの物語の深いところです。多くの人に囲まれているはずなのに、巨人はなぜか以前と変わらず寂しい気持ちを抱えていました。

物理的な賑わいだけでは、心の孤独は埋まらないのですね。読者の方々も、大勢の中にいるのに孤独を感じる経験があるかもしれません。
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Scene 5 — 街を離れて

ある夜明け前、巨人はひとり山を下りていってしまいます。そして、街があったふもとには、たった一軒の小さな家が残されていました。

巨人が置き去りにしたかのようなこの光景は、本当に切ないですね。
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Scene 6 — 小さな出会い

その残された家には、街の誰からも呼ばれなかった少年が一人で暮らしていました。巨人はその少年の家を見つめます。

巨人と少年、外見は大きく異なりますが、「街の誰からも呼ばれなかった」という共通の孤独を抱えていたのですね。この出会いが物語を大きく動かします。
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Scene 7 — 探し求めた居場所

そして物語の最後、巨人は少年と出会い、孤独から解放されます。本当の幸福は、物質的な満足ではなく、心のつながりにあることを教えてくれます。

そうですね。まさに「ふたりなかよく ずっといっしょにくらしました」という言葉に、巨人が探し求めていた幸せが凝縮されていると思います。
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まとめ

この『街どろぼう』は、たくさんのものがあっても心が満たされない「孤独」と、たった一人でも心が通じ合うことの「幸福」を深く考えさせてくれる絵本です。子どもから大人まで、誰もが共感できる大切なメッセージが込められています。

この絵本をきっかけに、自分の「心のつながり」について、考えたくなりました。それでは、また次回のレビューでお目にかかりましょう!
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✨心に残った言葉、場面✨
巨人と少年はふたりなかよくずっといっしょにくらしました。
ー巨人と少年が寄り添って暮らす場面

たくさんの家やお店を集めても満たされなかった巨人の心がたった1人、誰からも呼ばれなかった少年と出会い、ようやく心が満たされたシーン。心が通じ合うことこそが真の幸せであるということを物語っていますね。
📝ちょっと深掘り!
・junaida という作家
1978 年生まれ・京都在住の画家。『HOME』でボローニャ国際絵本原画展入選後、『Michi』『の』『怪物園』などで一躍人気作家に 。『怪物園』はホワイト・レイブンズ2021、IBBYピーターパン賞2023 にも選出され、海外評価も高まっています 。
・“静かなセリフ回し”と余白
junaida さんの絵本は文章が極端に少なく、ページに大きく取った闇色の余白が物語ります。『街どろぼう』でも、巨人の孤独と夜の静寂が“読者の想像”を呼び起こす仕掛けに。
・メッセージの核心は“数より深さ”
家も人も集めれば満たされる──という錯覚を打ち砕き、「たった一人と通じ合うほうが、街ひとつ分の光よりあたたかい」という逆説を提示。デジタルで繋がり過多な現代にこそ刺さるテーマです。
juniwaのひとりごと
紺色の布張りに金の題字で手に取った瞬間、「大切に読みたいな」と思わせてくれる表紙。
ページをめくると、にぎやかさより“心が通じ合う一人”の方がずっと
満たしてくれるものなんだと教えてくれました。
本も同じで、心に響く1冊を丁寧に味わいたい。
つい積ん読、ながら読みになっていまう自分に戒め…。
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✍️この記事を書いた人


juniwa(ジュニワ)
娘との読み聞かせをきっかけに、絵本の魅力にどっぷりハマっています。
子どもも大人も楽しめる、心に響く絵本を日々探しています。
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