信頼と自己犠牲が心の種を育む、心温まる切ない一冊
🔍こんな人におすすめ!
🌱 お子さんへ:だれかを思いやる気持ちや、信じることの大切さを感じてほしい子に。
👨👩👧👦 親や祖父母の方へ:子どもの純粋な心を育むヒントや、人間関係の奥深さを再認識したい方に。
📚 先生や保育士の方へ:クラス間の“信頼”について話し合う導入に。
🌍 すべての人へ:打算ではない真の優しさや、自己犠牲がもたらす感動を味わいたいすべての人に。
📘 本に関する基本情報
📖 書名:きつねのおきゃくさま
🖼️ 絵:二俣 英五郎
✍️ 文:あまんきみこ
🏢 出版社:サンリード
🎯 対象年齢:7歳〜
🌱 育まれる心の種:信頼、思いやり、自己犠牲
📝あらすじ:
お腹を空かせたきつねが、ひょろひょろのひよこに出会います。ひよこをがぶりと食べようとしますが、やせているので「太らせてから食べよう」と考え、家に連れ帰ります。ひよこはきつねのことを「やさしいおにいちゃん」と呼び、すっかり懐いてしまいます。
きつねの家は、やがてひよこの評判を聞きつけたアヒル、ウサギと、だんだんにぎやかになっていきます。最初は食べるための打算で始まった関係でしたが、きつねの心にも少しずつ変化が訪れます。
📚 えほん深掘りトーク
※以下の感想では、物語の展開について詳しく触れています。

皆さん、こんにちは!『今日は何読もう?』の時間です。今回は、森のどうぶつたちを描いたあまんきみこさんのあたたかい絵本『きつねのおきゃくさま』(サンリード)をご紹介します。

あ、これこの前、学校の国語の授業で読んだよ!途中で悲しくなって、泣いちゃったんだ。

パパも昔読んだことがあって、読んだ後しばらく考えさせられた記憶があるな。
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Scene 1 — 呼び名が変わる瞬間

お腹を空かせたきつねが、ひよこを太らせてから食べようと家に連れて帰る、というところからお話は始まりますね。

ひよこは『きつねおにいちゃん』って呼ぶ。この一言で、きつねの心にさざなみが立つっていうのが面白いよね。

「おにいちゃん」や「優しい」という言葉によっぽど驚いたんだろうなあ。

他者からの言葉が、自己認識に大きな影響を与えることがわかりますね。
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Scene 2 — 変化していく関係

キツネさん、ひよこさんのごはん作ってるね。食べるつもりだったのに、お世話するのは変な感じ!

そうですね。でも、この『世話をする』という行動が、キツネの心に変化の種を蒔き始めたのかもしれません。

アヒルやウサギもやってきて、キツネの家は賑やかになるんだよね。

最初は太らせてから食べようという下心だったのに、動物たちの純粋な言葉に触れるうちに、きつねの心がどんどん変わっていくんだな。行動と思考がずれていく感じがするよ。
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Scene 3 — 信頼の力

ひよこたちが純粋な信頼を向け続けたことで、きつねの中に元々あった良い部分が引き出された、と読み取ることができます。

ひよこたちの信頼が、きつねを本当に変えたんだな。信じる気持ちが人を動かす、そんな力をこの絵本は教えてくれる気がするよ。
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Scene 4 — 勇敢なきつね

物語のクライマックスでは、ひよこたちを狙って山からオオカミがやってきます。ここで、きつねは彼らをどうするか、という選択を迫られます。

食べるつもりだった相手を、今度は命をかけて守ろうとする。きつねの体に『ゆうきが りんりんと わいた』という言葉が、すごく印象的で胸に響いたよ。

食べるつもりだったお客様を、自分の身を挺して守ろうとするのですから、これはもう打算ではありません。

だから、きつねさんが死んじゃったところが悲しくて、涙が出ちゃったんだ。みんなを守ってくれたんだもんね。
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まとめ

『きつねのおきゃくさま』は、信頼と思いやりの心が、打算さえも乗り越えていく姿を描いた感動的な物語でしたね。心の奥底に隠された優しさが、純粋な言葉によって引き出されていく様子に、改めて人と人とのつながりの温かさを感じました。

本当にそうだね。子どもたちだけじゃなく、大人も読み返すたびに新しい発見があると思いますね。普段の生活でも、誰かの良いところを見つけて、優しい言葉をかけていきたいな。

はい。次回もまた、素敵な絵本との出会いを『今日は何読もう?』でお届けします。お楽しみに!
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✨心に残った言葉、場面✨
「そのばん。きつねは、はずかしそうに わらって しんだ」
ーひよこ達を守るためにおおかみと戦った後

自分が最初から勇敢で優しい存在だったわけではないことを知っているから、恥ずかしそうに笑ったのかもしれません。しかし、ひよこたちの信頼に応えた結果、彼らにとっては「世界一優しい」存在となりましたよね。カッコ良すぎるよ、きつね。
📝ちょっと深掘り!
作者のあまんきみこさんは、優しいファンタジーの世界を描くことで知られています。この物語は、児童文学者協会新人賞を受賞した『車のいろは空のいろ』や、被爆体験を題材にした『ちいちゃんのかげおくり』など、数々の名作を生み出した作家さんの作品です。
『きつねのおきゃくさま』は小学校の国語の教科書にも掲載されたことがあり、多くの人々に読み継がれてきました。物語の奥深さから、読書感想文の課題図書にも選ばれることが多い作品です。
絵本の感想
この絵本を読んで、「誰もが誰かを、変えられる」というメッセージを強く受け取りました。きつねの最初の動機がどうであれ、ひよこたちの純粋な信頼が、彼を「やさしいお兄ちゃん」へと変えていく。そして、その信頼に応えるように自己犠牲を厭わない存在にまでなったきつねの姿に、胸が熱くなりました。
私たちの日常でも、ふとした時にかけられた言葉や、誰かが見てくれていることが、自分自身の行動や考え方を変えることがあります。仕事でも役職や立場で人がガラッと変わるってよくありますね。この絵本は、そんな「関係性が持つ変容の力」を静かに教えてくれるようです。最初から完璧な人などいないけれど、誰かの「心の種」を育むことで、私たち自身もまた、新しい自分と出会えるのかもしれないと感じました。
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✍️この記事を書いた人


juniwa(ジュニワ)
娘との読み聞かせをきっかけに、絵本の魅力にどっぷりハマっています。
子どもも大人も楽しめる、心に響く絵本を日々探しています。
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