日常にあふれる様々なサインを「ほんやくする」と、そこにはたくさんの想いが隠れていました。
🔍こんな人におすすめ!
🌱 お子さんへ:自分の気持ちを言葉にするのが、まだ少し苦手なお子さんに。
👨👩👧👦 親や祖父母の方へ:子どもの行動に隠された「大好き」のサインを、改めて発見したい方に。
📚 先生や保育士の方へ:子どもたちに言葉にならないコミュニケーションの大切さを伝えるきっかけとして。
🌍 すべての人へ:日常にあふれる、言葉にしない優しさや愛情に触れて、心を温めたい方に。
📘 本に関する基本情報
📖 書名:ほんやくすると
✍️ 作:文 斉藤倫/うきまる
🖼️ 絵:くのまり
🏢 出版社:ブロンズ新社
🎯 対象年齢:3歳〜
🌱 育まれる心の種:共感、思いやり、非言語コミュニケーション
📚 内容紹介
ぼくがきみにつたえたいのは、ほんやくすると――「このせかいは、うつくしい」ってこと!
しっぽをふるのは、ほんやくすると「とってもうれしい」ってこと。
ケーキにろうそく、ほんやくすると「おめでとう、またひとつとしをとった」。
おかあさんのいってらっしゃいは、「げんきなただいまをまってるよ」。
ことばがなくても心と心で通じあう、犬と男の子の物語。(出典:ブロンズ新社 公式サイト)
📚 えほん深掘りトーク
※以下の感想では、物語の展開について詳しく触れています。

皆さん、こんにちは!「今日は何読もう?」の時間です。今回は、言葉にならない気持ちや日常のつながりを描いた斉藤倫さんと、うきまるさん、くのまりさんのやさしい絵本『ほんやくすると』(ブロンズ新社/2025)をご紹介します。

『ほんやくすると』か、面白いタイトルだね。何をどう翻訳するんだろう。さっそく読んでいきましょう!

ほんやくってなあに?犬の言葉がわかるようになるのかな?

犬もいいけど、きゅうりを翻訳するとなんて言うのかな。『みずみずしい!』かな。
—————————————————————–
Scene 1 — しっぽの「ほんやく」

物語は、犬がしっぽをふるのを「『とってもうれしい!』ってこと」と翻訳するところから始まります。身近な光景に、優しい意味が与えられますね。

犬ってそう思ってるんだ!公園で見かける散歩している犬も、いっぱいしっぽを振っていたのは嬉しかったんだ!
—————————————————————–
Scene 2 — 赤ちゃんの「ほんやく」

次に、赤ちゃんが「わーん わーん」と泣くのを「『おかあさーん!』」と翻訳します。赤ちゃんの気持ちを代弁しているようです。

なるほどね。お腹がすいたとか、眠たいとか、色々な理由があるけど、ぜんぶひっくるめて「おかあさーん!」なんだね。すごくしっくりくるなあ。
—————————————————————–
Scene 3 — モノの「ほんやく」

ボロボロのぬいぐるみは『おきにいり!』、時計の音は『いまおんなじときをすごしてる』。モノにも気持ちが宿っているようで素敵です。

なるほど。ぼくも最近くたびれてきたけど、それは「おきにいり」のしるしなんだね。なんだか嬉しいな。
——————————————————————
Scene 4 — 日常のあいさつに隠れた想い

お母さんの「いってらっしゃい」が、「『げんきな ただいまをまってるよ』」と翻訳される場面も、心が温かくなりました。

毎日の何気ない挨拶に、そんな温かい気持ちが込められていると思うと、なんだかジーンとしちゃうな。大切にしないとね。
—————————————————————-
Scene 5 —自然の声に耳をすませば

雨の音は『またおさんぽは おあずけだ・・・・・・』、立派な木の切り株は『このしわのかずだけ いきてきた』と、自然の声にも耳をすまします。

今度、公園に行った時、聞こえるかやってみようっと。
—————————————————————-
Scene 6 —「ほんやく」しなくたって、わかること

そして最後のページです。「きみがぎゅっとだきしめた ほんやくすると?」という問いかけに、「しなくたってわかる おんなじ きもちだよ」と結びます。

言葉を超えた瞬間の、一番強いコミュニケーションだよね。ぐっとくるなあ。
—————————————————————-
まとめ

『ほんやくすると』、いかがでしたか?言葉にならない想いを優しくすくいとる、読んだ後に心がじんわり温かくなる一冊でしたね。

うん、本当に。子どものちょっとした仕草も「ほんやくすると…」って親子で考えてみると、新しい発見があって面白いかもしれないね。早速やってみようかな。

はい、ぜひ親子でほんやくしあってください!次回もまた、皆さんの心に響く一冊をご紹介しますので、どうぞお楽しみに!それではまた〈今日は何読もう?〉でお会いしましょう!
🗯️ あなたの声も聞かせてください!
この絵本を読んで「うちもそうだった!」「このセリフが好き!」
そんな“あなたの声”が、次の誰かの「読んでみたい!」につながります。
読んだ絵本について感じたことをぜひ教えてくださいね✍️
InstagramやXでは #今日は何読もう? での投稿も大歓迎📷
✨心に残った言葉、場面✨
「きみがぎゅっとだきしめた ほんやくすると? しなくたってわかる おんなじ きもちだよ」
ー物語の終り、犬が男の子のほっぺたを舐め返す場面

これまで色々なものを「ほんやく」してきた物語が、最後は「ほんやくしなくても伝わる気持ち」に着地するのが、とても温かいと感じました。
📝ちょっと深掘り!
この絵本は、詩人の斉藤倫さん、絵本作家のうきまるさん、そしてイラストレーターのくのまりさんの3名による、あたたかな共作です 。斉藤さんと、うきまるさんは『はるとあき』(絵・吉田尚令)や『のせのせ せーの!』(絵・くのまり)など、これまでにも数々の作品でコンビを組んでいます 。
くのまりさんの描く、柔らかく表情豊かなイラストが、言葉にならない感情の機微を繊細に、そして豊かに表現しています 。日常のささやかな出来事の中に隠れた豊かな感情をすくいとる、作家陣の優しいまなざしが感じられる一冊です。
絵本の感想
実は最初、だれの目線で語られているのかをあまり意識せずに読み進めていました。男の子と犬の、ただただ優しい日々の記録なのだと。でも、最後のページをめくり、すべてが隣にいる犬の「ほんやく」だったと気づいたとき、胸にじーんときました。
もう一度はじめから読み返すと、すべての言葉が、男の子の成長を静かに見守る犬の愛情にあふれていて、まったく違う物語に見えてきます。
娘が赤ちゃんの頃、「この子は何を考えているんだろう」と必死に表情を読み取ろうとした日々。それは、この犬が「きみ」に向けていた眼差しそのものだったのかもしれません。言葉にできない想いを「ほんやく」しあうことで、世界はこんなにも優しく、温かくなる。
そのサインに気づく喜びを、二重に教えてくれる。そんな当たり前で、でも忘れがちな大切なことを思い出させてくれる絵本です。
📚 もっと読みたい!次の一冊リスト
『ほんやくすると』を読んだあなたへ

『なまえのないねこ』
作:竹下 文子 / 絵:町田 尚子
言葉にしなくても伝わる繋がりを描いた『ほんやくすると』。こちらの『なまえのないねこ』では、「名前」という特別な言葉をもらうことで生まれる、誰かとのかけがえのない繋がりを描きます。「自分の居場所」を見つける喜びと温かさに気づく物語です。

『ずーっと ずっと だいすきだよ』
作:ハンス・ウィルヘルム / 訳:久山 太市
ほんやくすると』で言葉にならない「大好き」を感じたあなたへ。この絵本は、その大切な気持ちを「言葉にして伝える」ことの尊さを教えてくれます。かけがえのない存在への愛情を、改めて感じられる心温まる一冊です。

『だいじょうぶ だいじょうぶ』
作/ 絵:いとう ひろし
そばにいるだけで伝わる安心感を「ほんやく」してくれた『ほんやくすると』のように、この絵本ではおじいちゃんの「だいじょうぶ だいじょうぶ」という魔法の言葉が、不安な気持ちを優しく包み込んでくれます。言葉が持つ不思議な力と、世代を超えた温かい繋がりに触れられる一冊です。
この記事が気に入ったら…
この記事が気に入ったら、ぜひフォローやいいねで応援していただけると嬉しいです!
皆さんのおすすめの本や感想もコメント欄でシェアしてくださいね!
📮 感想を投稿してみる
この絵本を読んで「うちもそうだった!」「このセリフが好き!」と思ったら、
ぜひあなたの感想も投稿してみてください✍️
InstagramやXでは #今日は何読もう? での投稿も大歓迎📷
✍️この記事を書いた人


juniwa(ジュニワ)
娘との読み聞かせをきっかけに、絵本の魅力にどっぷりハマっています。
子どもも大人も楽しめる、心に響く絵本を日々探しています。
SNSでも更新情報、トピックを発信中!