『はなのすきなうし』|絵本の感想|自分らしくいることの大切さに気づく、やさしい一冊

「好き」を貫く、静かな強さ 

🔍こんな人におすすめ!

🌱 お子さんへ:周りと少しちがう「好き」を持つ子、自分のペースを大切にしたい子に。

👨‍👩‍👧‍👦 親や祖父母の方へ:子どもの個性をそのまま認め、応援したいと感じている方に。

📚 先生や保育士の方へ:「多様性」や「平和」について、子どもたちと考えるきっかけに。

🌍 すべての人へ:自分らしさを見失いそうなとき、静かな勇気をもらいたい人に。

📚 えほん深掘りトーク

※以下の感想では、物語の展開について詳しく触れています。

ミドリ
ミドリ

皆さん、こんにちは!『今日は何読もう?』の時間です。今回は、自分らしくいることの大切さを描いた、マンロー・リーフさんの心あたたまる絵本『はなのすきなうし』(岩波書店/1954)をご紹介します。

パパ
パパ

これは小さいころに読んだ記憶があるなあ。闘牛なのに戦わない、優しい牛の話ですよね。さっそく読んでいきましょう!

はる
はる

おはながすきなうしさん?なんだか可愛いね。

アイシ
アイシ

きゅうり畑をのんびり眺めるのが好きな僕とは、気が合うかもしれないな。

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Scene 1 — みんなとちがう、ぼくの「好き」

ミドリ
ミドリ

他の牛たちが闘牛士になることを夢見て競い合う中、フェルジナンドだけが静かにお花のにおいをかいでいる。この対比が印象的ですね。

パパ
パパ

無理に周りに合わせず、自分の『好き』を貫いている。この静かなたたずまいが、彼のアイデンティティそのものですね。

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Scene 2 —  突然のできごと

はる
はる

ハチにさされて、いたそうだったね。でも、ほんとうはつよくないのに、まちがえられちゃった。

ミドリ
ミドリ

そうなんです。本当の自分とは違う姿を、たった一度の出来事で『これが君だ』と決めつけられてしまう。少し切ない場面ですね。

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Scene 3 — あこがれの舞台、だけど…

アイシ
アイシ

闘牛場に連れてこられて、周りは大興奮。でも本人はお花のことで頭がいっぱい。この温度差がなんとも言えないね。

パパ
パパ

周りが求める姿と、自分が本当にありたい姿が違うとき、どうすればいいのか考えさせられるなあ。

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Scene 4 — 闘牛場でかいだ、花のにおい

ミドリ
ミドリ

闘牛場の真ん中に座りこんで、観客の女性がつけていた花のにおいをかぎはじめる。ここが物語のクライマックスですね。

はる
はる

みんな『たたかえー!』って言ってるのに、ぜんぜんきいてないの。フェルジナンド、マイペースでおもしろい!

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Scene 5 —「たたかわない」という強さ

アイシ
アイシ

どんなに煽られても、戦わない。これはもう、ある種の最強のスタイルだね。誰にも彼の平和は乱せない。

パパ
パパ

力を見せつけることだけが強さじゃない。自分の心に正直でいること、そのものが『強さ』だね。

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Scene 6 —ほんとうのしあわせ

ミドリ
ミドリ

結局、フェルジナンドは牧場に送り返され、大好きなコルクの木の下で幸せに暮らす。彼にとっての本当の幸せがそこにあったんですね。

はる
はる

フェルジナンド、自分の居場所がみつかってよかったね。

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まとめ

ミドリ
ミドリ

『はなのすきなうし』は、自分らしさを大切にすること、そして平和を愛する心の美しさを、静かに、けれど力強く教えてくれる物語でした。

パパ
パパ

子どもが周りと少し違うことに不安を感じたとき、この絵本を一緒に読んであげたいですね。

ミドリ
ミドリ

はい。ぜひ親子で読んで、それぞれの素敵な『好き』について語り合ってみてください。今回もありがとうございました!次回もまた、お楽しみに。


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✨心に残った言葉、場面✨

いつも ひとり くさの うえに すわって しずかに はなの においを かいでいるのが すきでした。

ー物語の初め、フェルジナンドがコルクの木の下で花の匂いを嗅ぐ場面

juniwa
juniwa

コルクの木の下に座るフェルジナンドの姿が心に深く残りました。周りがどうであれ、彼の本質は決して揺らがない。この静かで穏やかな場面にこそ、自分らしく生きるという、何ものにも代えがたい幸福と強さが凝縮されているように感じます。

📝ちょっと深掘り!

『はなのすきなうし』(原題:The Story of Ferdinand)は、1936年にアメリカで出版されました。出版当時はスペイン内戦の直前という時代背景もあり、戦いを好まないフェルジナンドの姿が「平和主義の象徴」として大きな反響を呼びました。そのメッセージ性から、スペインのフランコ政権やドイツのナチス政権下では発禁処分とされた歴史もあります。しかし、そうした時代を超え、今では世界中で愛される普遍的な物語として読み継がれています。

絵本の感想

社会にでると、私たちは無意識のうちに周りが期待する役割を演じようとしたり、多数派の意見に自分を合わせようとしたりすることがあります。でも、フェルジナンドは違いました。

闘牛場で猛々しく戦うことを期待されても、彼はただ、大好きな花の香りをかいでいました。それは、誰かを傷つけない、とても静かで平和的な自己表現です。「戦わない」という選択肢もまた、強い意志の表れなのだと気づかされます。子どもだけでなく、自分らしさって何だろう?と立ち止まった大人にこそ、深く響く一冊だと思います。

📚 もっと読みたい!次の一冊リスト

『はなのすきなうし』を読んだあなたへ

『まっくろネリノ』

作 / 絵:ヘルガ・ガルラー 訳:やがわすみこ

みんなとちがう自分の色に悩む、黒いひつじネリノの物語。戦わないことを選んだフェルジナンドのように、ネリノもまた、ありのままの自分を受け入れてくれる場所を探します。コンプレックスが輝く個性に変わる瞬間を描いたこの絵本は、自分らしくいられることの素晴らしさを教えてくれます。

『ぼくのすみっこ』

作:ジョオ / 訳:かみやにじ

自分だけの安心できる「すみっこ」を作るカラスの子のお話。 大好きな木の下で過ごすことを選んだフェルジナンドの姿は、自分だけの心地よい空間や時間を大切にするカラスの子の姿と重なります。「ひとりの時間」と「だれかといる時間」、そのどちらもが大切だと感じさせてくれる、静かで温かい一冊です。

きみのことがだいすき

作/ 絵:いぬい さえこ

うまくいかない日も、泣きたい日も、「そのままでいいよ」と優しく肯定してくれるメッセージ絵本。自分の「好き」を貫いたフェルジナンドのように、この物語はどんな自分も大切な存在だと教えてくれます。周りと比べるのではなく、ありのままの自分を受け入れる自己肯定感を育んでくれる、心温まる一冊です。

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juniwa(ジュニワ)

娘との読み聞かせをきっかけに、絵本の魅力にどっぷりハマっています。
子どもも大人も楽しめる、心に響く絵本を日々探しています。
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