『うみへやまへ』|絵本の感想|前から読んでも後ろから読んでも楽しめる|ふたつの旅絵本

三浦太郎さんの記念すべき50作目の絵本は前と後ろで旅が始まる“両A面絵本”

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🔍こんな人におすすめ!

三浦太郎さんの50作目となる『うみへやまへ』。前から読んでも後ろから読んでも旅が始まる“両A面”の絵本は、こんな方にぴったりです!

  • 🌱 小さなお子さんへ
    旅のワクワク感や風景のうつろいを感じながら、想像を広げる力が育まれます。
  • 👨‍👩‍👧‍👦 親や祖父母の方へ
    家族の記憶や自分のふるさとを思い出しながら、お子さんと“帰省”について語り合うきっかけにもなります。
  • 📚 先生や保育士の方へ
    視点の違いや、見慣れた風景の新鮮さを考える導入にぴったり。地理や道、交通などの学びにも応用できます。
  • 🌍 故郷を遠く離れて暮らす方へ
    “見え方の違い”や“ふるさとへの想い”が心に響く、優しく普遍的な絵本です。
  • 📖 まとめ
    美しい絵とロードムービー的な展開が心を動かす、“家族”と“旅”の物語。静かな余韻が残る、何度も開きたくなる一冊です。

💭 この本を読むきっかけ

パパ
パパ

ねえ、はる。海と山だったら、どっちが好き?

はる
はる

えー、むずかしいなあ。海でおよぐのも好きだし、山で虫とりも楽しいし…

アイシ
アイシ

ぼくは山!木がいっぱいあると落ち着く~

パパ
パパ

今日の絵本はね、そんな“海”と“山”の両方に出会えるお話なんだよ。しかもこの絵本ね、前から読んでも後ろから読んでも旅がはじまるんだ。まるで“ひとつの世界をふたつの視点から旅できる物語”みたいに、どっちも主役のお話なんだよ。

はる
はる

え!?どっちからでも!?それって、なんだかワクワクする~!

📖本に関する基本情報

  • 📖 タイトル:うみへやまへ
  • ✍️ 作者:三浦太郎
  • 🏢 出版社:偕成社
  • 🎯 対象年齢:3歳〜小学校低学年
  • 🌱 育まれる心の種:ふるさとへの思い、旅の楽しさ、家族との絆
  • 📚 出版社内容紹介の前置き:
      ふたつの旅。ふたつの家族。それぞれの風景が交差する、優しい絵本です。

📚あらすじ

📖 あらすじ

きょう ぼくは はじめて おとうさんの うまれた うみべのまちへ いきます。

「ぼく」は家族で白い車に乗って出発します。牧場をこえて、田んぼの一本道を通り、街なかをすぎて、大きな橋をわたったら……灯台が見えてくる!

山沿いの家から海辺の町へむかう道中の風景を、美しい絵と日記ふうの文体でえがきます。

この絵本には、もうひとり主人公がいます。本をうしろから開くと、海辺にすむ「わたし」があかい車に乗って、母方の祖父母を山のふもとへ訪ねるお話になるのです。

前からとうしろから、ふたつのお話が楽しめる絵本です。

(内容紹介:偕成社公式サイトより)

📖 本の感想についての会話🗣️

※以下の感想では、物語の展開について詳しく触れています。

はる
はる

前から読んでも、うしろから読んでも物語が始まるのって、なんか不思議で面白かった~!

アイシ
アイシ

ぼくは、同じ場所でも見てる人がちがうと全然ちがう風景に見えるところがすごいと思ったよ

パパ
パパ

“おとうさんのうまれた町”とか“おかあさんのふるさと”っていうのも、なんかじーんとくるよね。

はる
はる

うん。わたしも、大きくなったら、誰かに“ここが私のうまれた場所なんだよ”って案内したいって思った

アイシ
アイシ

絵がとても!シンプルなのに、旅の空気とか街が動いている感じがちゃんと伝わってきた。

パパ
パパ

どのページも色づかいがやさしくて、絵として飾って置きたくなるよ。

はる
はる

なんだか、この絵本読んでたら、また夏休みに富山に行きたくなっちゃった!

アイシ
アイシ

富山は海も山もどちらも行けるからね。楽しみ!

✨管理人が心に残った言葉、場面✨

あのえはがきとおなじとうだいがみえてきました。おとうさんはとてもうれしそうです。ぼくはいつかもっととおくのまちをみてみたいとおもいました。

ーぼくがお父さんのうまれた海辺の街へ着いた場面

あのしゃしんとおなじ、おおきなやまがみえてきました。おかあさんはとてもうれしそうです。いつかわたしもうまれたばしょとはちがうところにすんでみたいとおもいました。

ー私がお母さんのうまれた山の家に着いた場面

管理人JUN
管理人JUN

どちらも、子どもが親の姿を通して「旅」や「ふるさと」に想いを馳せる場面です。親の嬉しそうな横顔を見て、自分もなにか感じる。そんな気持ちって、言葉にしづらいけど、なんだかじーんと心に残ります。

そして、これまでたくさんの風景を通りすぎてきた“旅”の果てに、それぞれがたどりついた場所は「海」と「山」という全く違う場所だったのに、そこでふたりが感じたことはどこか似ていたんです。

ただ風景を見ているだけなのに、「自分ももっと遠くの町を見てみたい」とか、「生まれた場所とはちがうところに住んでみたい」っていう気持ちが芽生える。成長のきっかけって、こういう瞬間にあるのかもしれません。

📝ちょっと深掘り!

  • 📘 両A面構造のアイデアは2017年から
    『うみへやまへ』の最初の構想は、なんと2017年の『くるまくるまくるま』という仮タイトルからスタートしていたそうです。両方の視点で読める絵本という構造は、最初から狙っていたのではなく、考えていくうちに自然と生まれたとのこと。タイトルが決まったのは2021年頃で、そこから一気に完成に向かったそうです。
  • 🎨 絵はシルクスクリーンの技法をデジタルで再現
    IllustratorとPhotoshopを使って、版を重ねるようなテクスチャ表現を実現。学生時代に専攻していたシルクスクリーンの感覚をもとに、絵に深みと手ざわり感を与えているのが印象的です。あの独特の“にじみ”や“ざらっとした感じ”は、そうした背景から生まれているんですね。
  • 🚗 背景には音楽とドライブの記憶が
    三浦さんがこの絵本をつくるときに思い浮かべていたのは、シティポップの名曲『水色のワゴン』(ハイ・ファイ・セット)。家族で出かけたライトバンの思い出や、旅のときに聴いていた音楽が、物語や絵の雰囲気にも影響しているそうです。絵本の旅と、音楽の旅が重なる感覚もおもしろいですね。
  • 🔄 どちらから読んでも“はじまり”になる設計
    海と山、それぞれの家族が向かう道のりはちがうけれど、子どもたちが感じる“広い世界へのまなざし”は共通している。読者自身も、どちら側から読むかで感じ方が変わるかもしれません。「視点のちがい」や「世界の広がり」を自然に教えてくれる構造が魅力です。

管理人のひとりごと

絵の中にある空気や光、静けさ。どれも、自分の記憶と重なってくる。

子どものころの夏の午後。親の背中。はじめて通る道の不思議なわくわく。

スーパーまでの道とか、実家に帰る電車の窓から見える景色とか。

遠くに行きたくなるときもあるし、ただ帰りたくなる日もある。


そんなことをしみじみ感じさせてくれる絵本。

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