親子のあたたかい“やりとり”が心にしみる絵本
🔍こんな人におすすめ!
👧 子どもへ
まみこの仕掛ける宝探しのような手紙のやり取りは、子どもたちの想像力を刺激し、ワクワク感を与えてくれます。
👩👧 親御さんへ
日常の中で子どもが見せる思いやりやサプライズに気づくきっかけとなり、親子の絆を深める一冊です。
🏫 教育現場の方へ
子どもたちの言葉遊びや推理力を育む教材としてもおすすめです。
🧑🎓 大人の方へ
子どもの頃の純粋な気持ちや家族との思い出を呼び起こし、心温まります。
💭 この本を読むきっかけ

昨日、アイシと一緒にママの誕生日に“サプライズ”やったんだよ!

やったやった!ケーキの箱に“ママだいすき”って手紙をこっそり入れて…バレないようにするのが大変だった~

あれ、こっそりやってたつもりでも、ケーキにアイシらしき手の跡ついてたからママ、笑っていたぞ。

うわ、それ絶対バレているじゃん!

……バレてた!?でもママ、多分喜んでくれたよね。サプライズっていいな~って思った!

その気持ち、今日の絵本にぴったりだよ。今日の絵本は“まみこちゃん”って女の子が、お母さんにひとりでサプライズする話なんだ。

え、まみこちゃん、どんなことするの?

学校に行く前にね、『きょうはなんのひ?』って言い残して出かけるんだ。そして…あとはヒントの手紙が次々に…!

うわ~!それは楽しそう!どんなサプライズか気になる!
📖本に関する基本情報
- 📖 タイトル:きょうはなんのひ?
- ✍️ 作者:瀬田貞二(文)/林明子(絵)
- 🏢 出版社:福音館書店
- 🎯 対象年齢:4歳ごろ〜小学校低学年
- 🌱 育まれる心の種:
- 思いやり・やさしさ
- 想像力とことばのセンス
- 家族との心のつながり
まみこの“仕掛けたサプライズ”を通して、言葉のやり取りだけでなく、気持ちを伝えることのあたたかさも学べる一冊です。
林明子さんの描く、日常のやわらかい光も見どころですよ。
📚あらすじ
朝、学校へ行くまみこが、出がけにお母さんへこんな言葉を残します。
「きょうはなんのひだか、しってるの?……しらなきゃ かいだん3だんめ」
不思議に思ったお母さんが階段を見てみると、そこには赤いひもで結ばれた手紙が。
「ケーキのはこをごらんなさい」と書かれたその手紙をきっかけに、次から次へと現れる“謎の手紙”たち。
まるで宝探しのような仕掛けに導かれながら、お母さんはまみこの気持ちに少しずつ触れていきます。
最後にお母さんが見つけた“答え”とは?
そして、「きょうはなんのひ?」という問いにこめられていた、まみこの思いとは――
親子の間に流れる、あたたかい気持ちが静かに伝わってくる一冊です。
📖 本の感想についての会話🗣️
※以下の感想では、物語の展開について詳しく触れています。

まみこちゃん、すごい。手紙をパパとママに気づかれないように、いろんなところにかくして…。

ぼく、“きんぎょのいけにもうかんでいます”って手紙にびっくりしたよ!ビニール袋に入れて、濡れないようにしてて…まみこちゃん、なかなかの作戦家!

“おんがくもときどきおさらいなさいませ”って口調、なんかクセになるよね。かわいいし、ちょっと笑っちゃった。

手紙をぜんぶあつめると、“すてきなメッセージ”になるのはすごいアイデアだよね。わたしも今度やってみようかな。

おっ、それいいね。来月、ママのお誕生日に向けて、なにか仕掛けてみる?

やるやる〜!ぼく、カエル型の手紙つくりたい!おなかに“つづきは冷蔵庫へ”って書くの!

じゃあ冷蔵庫には、“アイシにきゅうりをあげてください”って書いておこうか?

いやいや、それただのごはん要求になってるぞ?

まじめに考えるなら…『お・た・ん・じ・ょ・う・び・お・め・で・と・う』ってつづくから、最初は“お”の手紙の文面と置く場所を決めなきゃ!

“お”…“おつかれのときはおふろにつかってみて”とかどう?ママがお風呂場で見つけてびっくりするやつ。

“おつかれのときはやっぱりおやつ!”おやつの引き出しの方がよくない?」

うん、おやつ、それいい!“た”は…“たたんだわたしのおきにいりのスカートをみなさい“でたんすのなかかな。でも私のお気に入りのスカートわかるかな?

“ん”ってむずかしいなあ…“ん〜と考えてごらんなさい”とか?

んーそれはヒントになっていないような…

“じ”は“じしょをめくってみて”にしてみよう。“ょ”は…“ようふくのポケット”?

色々想像して考えるのは楽しいね。

うん、これがひらがな一文字ずつを順番に集めて、最後に“おたんじょうびおめでとう”って読めたら、絶対ママうれしいよね。当日までに頑張って完成させよう!
✨管理人が心に残った言葉、場面✨
しーらないの、しらないの?きょうはなんのひ しらないの?きのついたじをかさねてごらん。てがみのなかのきのついたとこよ
ーこいぬにほおずりしたままでまみこが歌い出す場面

読んでいて、まみこがたまらなく、かわいすぎました。
“伝えたいことがあるけど、まっすぐ言うのはちょっと恥ずかしい”
そんな気持ち、子どもって持ってるんですよね。
だから、あえてヒントだけを残して、後はお父さん、お母さんに考えてもらう。
しかも「きのついたじをかさねてごらん」って、しかけまであるんだから…まみこ、やるなあ。
うちの子にも仕掛けられたい!なんて思っちゃいました。
📝ちょっと深掘り!
✍️ 作者・瀬田貞二さんについて
瀬田貞二さんは、児童文学の世界で長く愛されている作家さんです。
物語を“ただのお話”ではなく、“ことばの力で心に届ける”ことにこだわった人。
『ナルニア国物語』『指輪物語』などの名翻訳者としても知られていて、ことばの美しさ、余韻、やわらかさに定評があります。
この『きょうはなんのひ?』でも、子どもの声やリズムが自然に響いてくるのは、瀬田さんの“ことばへのまなざし”が生きているからこそかもしれません。
🖌 絵を描いた林明子さん
林明子さんといえば、『はじめてのおつかい』『こんとあき』などでおなじみの大人気絵本作家さん。
子どもの一瞬の表情やしぐさを、そっとすくい取るようなやさしいタッチが魅力です。
この作品でも、まみこの真剣な顔、うれしそうな顔、お母さんのちょっと困ったような顔が、セリフ以上に感情を伝えてくれます。
言葉と絵がぴたりと寄り添っているのが、この絵本の心地よさでもあります。
管理人のひとりごと
あたりまえみたいに過ぎていく日常の中で、
誰かがこっそり、自分のことを想ってくれていたと気づくとき、
それは、ほんのすこし泣きたくなるくらい、うれしい。
「きょうはなんのひ?」って言葉に、
答えを探すたび、まみこの気持ちがじわじわと近づいてくる。
文字になったやさしさって、なんて静かで、なんて力強いんだろう。
子どもって、自分が思うよりずっと、
人の気持ちに敏感で、まっすぐで、
伝えるための方法をちゃんと知ってるんだなって思った。
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