思い込みの壁をこわす、小さな一声
🔍こんな人におすすめ!
🌱 初めての場所が不安な子どもに
引っ越し・転校など、新しい環境で緊張している子に。自分の気持ちを言葉にすることの大切さを学べます。
👨👩👧👦 親や祖父母の方へ
子どもが「こわい」「話せない」と感じている時に読んであげたい一冊。一緒に気持ちを話すきっかけに。
📚 教室や図書館での読み聞かせに
多様性、共生をテーマにした授業の導入にぴったり。違いを認めること、対話の大切さをやさしく伝えられます。
🌏「ちがう」ことに不安を感じている人に
言葉、文化、見た目が違っても、知ろうとするから繋がれることを教えてくれる1冊。読む人の心に、じんわりと勇気の火を灯してくれます。
📖本に関する基本情報
📖 タイトル:ライオンのくにのねずみ
✍️ 作者: さかとくみ雪
🏢 出版社:中央公論新社
🎯 対象年齢:5歳〜小学校低学年
🌱 育まれる心の種:勇気、多様性への理解、対話する力
📚あらすじ
父親の転勤で、「ライオンのくに」に引っ越してきたねずみの家族。
子ねずみは、ことばも習慣もちがうライオンたちがこわくてたまりません。
そんなある日、勇気をふりしぼって、ライオンと対決することに…。
📚 えほん深掘りトーク
※以下の感想では、物語の展開について詳しく触れています。

皆さん、こんにちは!『今日は何読もう?』の時間です。今回は、第71回青少年読書感想文全国コンクール・小学校低学年の部の課題図書 にも選ばれた、さかとくみ雪さんの勇気が出る絵本『ライオンのくにのネズミ』(中央公論新社/2024年)をご紹介します。

『ライオンのくにのネズミ』 ですか。すごい組み合わせですね…。僕が好きな異世界転生モノのアニメでも、ここまで種族差があるとコミュニケーションが大変そうですが…。

ライオンとネズミって、絶対食べられちゃうじゃん

いやはや、体の大きさも使う言葉も違うってんですから、こりゃあ大変だ。まさに『木に登るカエル、水に落ちるサル』。お互い、勝手が違うって話でございます。

フン、ライオンの国 ね…。デカいヤツらがデカい声で ガナってるだけじゃ、ソウルが響かねえぜ。このネズミがどう鳴らすのか、見ものだな。
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Scene 1 — 圧倒的なアウェイ感

まず、引っ越し先の環境が違いすぎますよね 。すべてが大きくて、言葉も通じない 。この疎外感は、大人でも胸が苦しくなります。

いきなりハードモードですよね。お母さんが作ってくれた大好きなお弁当 も、怖くて味わえなかったんじゃないかな 。『もうライオンのくになんていやだ』 って泣いちゃう気持ち、わかります。

そりゃ泣くよ。だって、隣の席の子のお弁当箱に、自分が丸ごと入っちゃいそうだもん 。私なら絶対学校行かない。

親父もお袋も『がんばれ』 だの『しんせつだ』 の言ってるが、当の本人はビビっちまってる 。このズレが、あいつを『ひとりぼっち』 にさせてるワケだ。
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Scene 2 — リスさんという通訳

そんな中、ネズミ語がわかるリスの女の子と出会います。彼女の存在は、主人公にとって大きな救いでしたね。

『地獄で仏』とはこのこと!言葉が通じるだけで、乾いた喉に水がしみわたるようでございます。彼女がいたから、ネズミくんも学校に行き続けられたんでしょう。

でもさ、リスさんも『リスのくににかえりたい』 んだよね。おばあちゃんのごはんが食べたいって 。結局、みんな自分の国が一番いいってことじゃん。
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Scene 3 — それぞれの「当たり前」

はるさん、いいところに気づきましたね。主人公は『こわいライオンでいっぱい』
と言うけれど、リスさんは『おんなのこのサッカーせんしゅがいる』ことに驚きます。

お互いの『常識』がまったく違うんですよね。リスさんの国では、女の子はスポーツをあまりしないし、自転車にも乗ったことがない。僕たちの『当たり前』は、一歩外に出たら『変わってる』ことなんだなと。
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Scene 4 — サッカーという共通言語

物語が動くのが、夏のサッカー教室 です。『ぼく』はサッカーが得意だったんですね 。

きたな、サッカー 。言葉なんかいらねえ。ソウルをボールに込めりゃいい。ネズミの国でやってた ってなら、それなりのプライドもあるはずだぜ。
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Scene 5 —小さな勇気の一声

そして、ある出来事をきっかけに、主人公が今まで押し込めていた気持ちを爆発させます 。

あのシーンはグッときました…。ネズミ語だったけど、関係ない 。『ぼくのきもちがつうじた』 んですよね。言葉より先に、態度で示すことの大切さを感じました。

『リスを わらうな!』 ってやつでしょ。あんなに大きいライオン相手に よく言えたよね。私だったら、怖くて絶対ムリ…。

フン、ロックじゃねえか 。ビビってたネズミが、恐怖(フィアー)をプライドで上書きした瞬間だ。最高にグルーヴしてるぜ。
まとめ

『ライオンのくにのネズミ』 、いかがでしたか? 言葉や習慣、体の大きさが違っても 、勇気を出して向き合えば、きっと世界は変わる。そう信じさせてくれる一冊でした。

『おれの おべんとうもけっこう おいしいよ』 ってサンドイッチを交換するシーン、最高でした。まずは、一緒にご飯を食べるところからですね!

ライオンのお弁当にネズミが入ってなくてよかった 。今度、はるもサッカーボールのおにぎり 作ってもらおっと。

いやはや、食わず嫌いはいけませんや。相手を『知ろう』とすること で、こんなにも景色が変わる 。こいつぁ、一席申し上げたくなりました。

チッ…悪くなかったぜ。思い込みの壁をぶっ壊して 、ストレートにソウルをぶつけ合う 。これぞロックだ。ビビってるヤツは、まずこの絵本を読むんだな。

次回もまた、皆さんの心に響く一冊をご紹介しますので、どうぞお楽しみに! それではまた〈今日は何読もう?〉でお会いしましょう!
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✨心に残った言葉、場面✨
ぼくはいままで しろうとしなかった ライオンのきもちを やっと しった。
そのことに きがついたら もう ライオンは ライオンじゃなかった。
ー最後、みんなで弁当を食べている場面

ずっと“こわい存在”だったライオンの気持ちを、ねずみがはじめてちゃんと考えてみたんですよね。
そうしたら、ただの“ライオン”じゃなくて、「気持ちのあるひとりの仲間」みたいに見えてきた。そんな感じ。相手のことをちゃんと知ろうとするって、大事な一歩なんだなあって改めて思いました。
見え方がガラッと変わると、自分の中の世界も変わるんですよね。仕事先、職場内でもそういうこと、ざらにあります。しみじみ。
📝ちょっと深掘り!
『ライオンのくにのねずみ』は、さかとくみ雪さんによるデビュー作です。
作者のさかとさんは宮城県出身で、現在はドイツ在住。ご家族の都合でドイツに移住し、武蔵野美術大学の通信課程で学びながら、イラストや絵本制作に取り組んできたそうです。
この絵本のアイデアは、ご自身や娘さんが異国で感じた「ちがうことへの戸惑い」や「わかりあいたい気持ち」から生まれたもの。
文化も言葉も見た目も違う相手と、どうやって向き合っていくか。子ねずみの物語を通して、「優しさと勇気」について自然と考えさせられる作品になっています。
作者のインタビューでは、「自分や娘の実体験が絵本の核になっている」と語られています(婦人公論.jp)。
また、リアルサウンドのインタビュー記事では、「文化が違うと、お互いの普通は全然違います」という印象的な言葉も。
この絵本は、国際理解や多様性をテーマにしながらも、「新しい場所ってやっぱりこわいよね」という素直な気持ちに寄り添ってくれる一冊です。
読むたびに、心のどこかがやわらかくなるような、そんな絵本です。
📚 もっと読みたい!次の一冊リスト
『ライオンのくにのねずみ』を読んだあなたへ
“知らない” ことだらけの国で、一歩踏み出す勇気をもらえた物語。
多様性を受け止め、対話する力を育てたい人におすすめです。

『おおきくなるっていうことは』
作:中川ひろたか/絵:村上康成
「子どもの成長をやさしく伝える、卒園・入学前におすすめの1冊」としてご紹介している絵本。幼稚園や保育園から小学校へ進む時のドキドキや、新しい環境での成長と不安…。これはまさに、『ライオンのくにのねずみ』でネズミくんが経験した、新しい国や学校での不安、そしてそれを乗り越える過程と重なります。

『おしいれのぼうけん』
作:ふるたたるひ/絵:たばたせいいいち
長く愛され続けている『おしいれのぼうけん』は、子どもたちの想像力と、友情の素晴らしさを描いた名作です。未知の世界への挑戦や、困難に立ち向かう勇気。そして友情を育む過程は、『ライオンのくにのねずみ』でネズミくんが「知らない」ことへの恐れを乗り越え、ライオンたちと心を通わせていく姿と重なります。

『ぼくのすみっこ』
作/絵:ジョオ 訳:かみやにじ
『ぼくのすみっこ』は、「ひとりの時間も、だれかといる時間も、どちらも大切に思える」温かい絵本。新しい環境で、人との距離感や関係性にちょっぴり戸惑っているあなたや、『ライオンのくにのねずみ』のネズミくんのように、新しい仲間たちの中でどう過ごそうか考えているお子さんに、そっと寄り添ってくれると絵本です。
絵本の感想
「ライオンって、やっぱりこわい」
最初はそう思っていたねずみくんが、ちょっと勇気を出して、相手の気持ちを想像してみたら……目の前の世界が、がらっと変わって見えたんですよね。
この絵本を読んで、「怖いからって遠ざけちゃってたこと、もしかしたらすごく大事なことだったかも」って、そんなふうに自分のこともちょっと振り返ってしまいました。
新しい場所、初めての出会い、知らない文化。ドキドキするけれど、勇気を出して一歩踏み出すと、その先にはきっと、心がほぐれるような温かい何かが待っているのかもしれない。
ぜひ、新しい環境や人との出会いに、今ちょっとドキドキしている人に読んでほしいなと思う、大切な一冊です。
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✍️この記事を書いた人
juniwa(ジュニワ)
娘との読み聞かせをきっかけに、絵本の魅力にどっぷりハマっています。
子どもも大人も楽しめる、心に響く絵本を日々探しています。
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