「知らない」はこわい。でも、知ろうとするって、すごいこと。
🔍こんな人におすすめ!
🌱 初めての場所が不安な子どもに
引っ越し・転校など、新しい環境で緊張している子に。自分の気持ちを言葉にすることの大切さを学べます。
👨👩👧👦 親や祖父母の方へ
子どもが「こわい」「話せない」と感じている時に読んであげたい一冊。一緒に気持ちを話すきっかけに。
📚 教室や図書館での読み聞かせに
多様性、共生をテーマにした授業の導入にぴったり。違いを認めること、対話の大切さをやさしく伝えられます。
🌏「ちがう」ことに不安を感じている人に
言葉、文化、見た目が違っても、知ろうとするから繋がれることを教えてくれる1冊。読む人の心に、じんわりと勇気の火を灯してくれます。
💭 この本を読むきっかけ

ねえパパ、あとちょっとで1年生が入ってくるよ!わたしも“おねえさん”になるんだ~

はるもすっかり先輩だね〜。入学式の時、はるもドキドキしていたの思い出すなあ。

初めての場所って、わからないことばかりで不安になるよね。教室も、友だちも、みんな初めてだし

うん…。私も最初は、同じクラスの子になんて話しかけたらいいかわかんないって思ったもん。でも、今思うと、はじめに見た目が自分と違って“ちょっと派手で怖そう”って思ってた子が、一番優しかったりもしたなあ。

自分と違うと怖いという気持ちになるよね。今日読む『ライオンのくにのねずみ』は“ライオンのくに”に引っ越してきたねずみの子が、恐れを乗り越えてライオンと心を通わせる物語だよ。
📖本に関する基本情報
📖 タイトル:ライオンのくにのねずみ
✍️ 作者: さかとくみ雪
🏢 出版社:中央公論新社
🎯 対象年齢:5歳〜小学校低学年
🌱 育まれる心の種:勇気、多様性への理解、対話する力
📚あらすじ
父親の転勤で、「ライオンのくに」に引っ越してきたねずみの家族。
子ねずみは、ことばも習慣もちがうライオンたちがこわくてたまりません。
そんなある日、勇気をふりしぼって、ライオンと対決することに…。
📖 本の感想についての会話🗣️
※以下の感想では、物語の展開について詳しく触れています。

ネズミくんが“リスをわらうな!”ってネズミ語で叫ぶとこ、かっこよかった〜。勇気あったよね。

あのシーン、ちゃんと自分の言葉で気持ちを伝えたのがすごくよかったな。思わず応援しちゃった。

あそこで“怖いから逃げる”から“向き合う”に変わったんだよね。成長の一歩って感じがしたよ。

本当はライオンもねずみといっしょに遊びたかっただけだったんだよね。相手の気持ちを知るって大事だな〜って思ったよ。

ライオンの気もちを知ったら、もうライオンはライオンじゃなかったっていう言葉が、なんか心に残ったなあ。

うん、“怖いライオン”だったのが、“ただの誰か”になる瞬間だったんだね。

物語の最後、人間がお弁当を食べているシーンで終わるけど、どうしてライオンとネズミのお話だったのに、人間が出てくるのかな?

お、いいところに気づいたね。ライオンのくにのねずみのことって、じつは自分たち人間のことでもあるんだよ。知らないからこわい、ちがうからわからないって思うこと、自分たちもあるよね。でも、ちゃんと話して、知ろうとすれば、わかりあえる。作者さんはそれを伝えたかったんじゃないかな。

うん。たしかに、わたしも“ちがう”ってだけで苦手って思ったことあるかも。でも、話してみたら全然ちがったりするよね。

“こわい”って思う気持ちも自然だけど、“知ろうとする”ことをあきらめないのが大事なんだね。ねずみくん、すごくがんばった!
✨管理人が心に残った言葉、場面✨
ぼくはいままで しろうとしなかった ライオンのきもちを やっと しった。
そのことに きがついたら もう ライオンは ライオンじゃなかった。
ー最後、みんなで弁当を食べている場面

ずっと“こわい存在”だったライオンの気持ちを、ねずみがはじめてちゃんと考えてみたんですよね。
そうしたら、ただの“ライオン”じゃなくて、「気持ちのあるひとりの仲間」みたいに見えてきた。そんな感じ。相手のことをちゃんと知ろうとするって、大事な一歩なんだなあって改めて思いました。
見え方がガラッと変わると、自分の中の世界も変わるんですよね。仕事先、職場内でもそういうこと、ざらにあります。しみじみ。
📝ちょっと深掘り!
『ライオンのくにのねずみ』は、さかとくみ雪さんによるデビュー作です。
作者のさかとさんは宮城県出身で、現在はドイツ在住。ご家族の都合でドイツに移住し、武蔵野美術大学の通信課程で学びながら、イラストや絵本制作に取り組んできたそうです。
この絵本のアイデアは、ご自身や娘さんが異国で感じた「ちがうことへの戸惑い」や「わかりあいたい気持ち」から生まれたもの。
文化も言葉も見た目も違う相手と、どうやって向き合っていくか。子ねずみの物語を通して、「優しさと勇気」について自然と考えさせられる作品になっています。
作者のインタビューでは、「自分や娘の実体験が絵本の核になっている」と語られています(婦人公論.jp)。
また、リアルサウンドのインタビュー記事では、「文化が違うと、お互いの普通は全然違います」という印象的な言葉も。
この絵本は、国際理解や多様性をテーマにしながらも、「新しい場所ってやっぱりこわいよね」という素直な気持ちに寄り添ってくれる一冊です。
読むたびに、心のどこかがやわらかくなるような、そんな絵本です。
まとめ
「ライオンって、やっぱりこわい」
最初はそう思ってたねずみが、ちょっと勇気を出して、相手の気持ちを考えてみたら……世界が変わって見えた。この絵本を読んで、
「怖いからって遠ざけちゃってたこと、もしかしたらすごく大事なことだったかも」ってそんなふうに、自分のこともちょっと振り返ってしまいました。新しい場所、初めての出会い、知らない文化。ドキドキするけど、一歩踏み出すと、あったかい何かが待ってるかもしれません。読んだあと、心がほぐれる一冊です。ぜひ、新しい環境や人との出会いにドキドキしている人へ読んでほしいなあと思いました。
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